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8 騎士団長に報告
色々あったけど、納まるところに納まった僕とクラース様は、早速近衛騎士団長のトール・ディクスゴード様にお願いに行った。
「団長、この度の事件についてご報告に上がりました」
「僕も同席したほうがいいと思い、ついてきました」
クラース様と何度も打ち合わせした話をする。仕事だと思えばなんとかなるはずだ。
ディクスゴード様は表情の動きにくい方だけど、その言葉は思いやりがある。
「ああ、テディは大丈夫なのか」
「はい。オメガにはよくあることです。発情期の頻度は年に数えるほどとはいえ、前兆もなく起きることもあるのは、この国では初等教育で教えられます。抑制剤がない場合、近くにいたアルファの協力を仰ぐことがあるものです」
「テディの言う通りです、団長。犯人も捕まり、今回はアルファ側の俺にまで大きな補償が提示されています」
そう、僕のぶんを山分けしようとしたら、クラース様への慰謝料は別で支払われたんだ。二人合わせた金額を思い出して、クラース様と僕は顔を見合わせて笑った。懐が潤うのは誰でも嬉しい。何せ僕もクラース様も傷付いていないのに大金が貰えたものだから!
「ディクスゴード様、僕はほんとうに傷ついていません。初めてでしたが、クラース様なら嫌じゃなかったし、元々想う方には振られたところだったんです」
「え」
「そうなんです。振られて落ち込んでいたから、シモン様が入り込んでいるのをおかしいと気付くのが遅れました。僕の落ち度もあるんです」
このあたりはちょっと捏造が混ざっている。エミル様に振られても落ち込んでなかったのは内緒だ。恋愛をよくわかってなかったから、ただの憧れだったんだよね。
今はクラース様のことが好きだから、あれは違っていたとわかる。色ボケと言いたければ言え、いやむしろ言ってほしい。幸せが溢れて何が悪い。
「こ、この国にいると分かりにくいんですが、オメガは生きづらい世界です。ステファン殿下は、その存在だけで僕らオメガに大きな可能性を与えてくださいました。これからもきっと」
「ああ、ステファンは俺が守り、支えていく」
「はい! よろしくお願いします!」
僕が最敬礼でお願いすると、ディクスゴード様はは首を傾げた。
「誰の話をしようとしてたんだ……?」
クラース様が苦笑して前に出た。
「団長は幼い頃から幼馴染がいらっしゃったから、俺たちぐらいの庶民の結婚がどういう感じかわからないのも無理ありません」
「ああ……」
「とても心配していただけたようですが、俺たちは大丈夫です。できれば王命も取り消さずにいていただけと、テディも出世しやすいと思いますのでどうでしょう」
「陛下に頼んでおく」
クラース様ナイス!
これで僕たちも結婚も出世も約束されたも同然だ。あとは不当な出世だと言われないように頑張ろう。
実力主義は甘くない。ステファン殿下も、ディクスゴード様も、置かれた立場にふさわしくあるために努力されているんだから。
「団長、この度の事件についてご報告に上がりました」
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クラース様と何度も打ち合わせした話をする。仕事だと思えばなんとかなるはずだ。
ディクスゴード様は表情の動きにくい方だけど、その言葉は思いやりがある。
「ああ、テディは大丈夫なのか」
「はい。オメガにはよくあることです。発情期の頻度は年に数えるほどとはいえ、前兆もなく起きることもあるのは、この国では初等教育で教えられます。抑制剤がない場合、近くにいたアルファの協力を仰ぐことがあるものです」
「テディの言う通りです、団長。犯人も捕まり、今回はアルファ側の俺にまで大きな補償が提示されています」
そう、僕のぶんを山分けしようとしたら、クラース様への慰謝料は別で支払われたんだ。二人合わせた金額を思い出して、クラース様と僕は顔を見合わせて笑った。懐が潤うのは誰でも嬉しい。何せ僕もクラース様も傷付いていないのに大金が貰えたものだから!
「ディクスゴード様、僕はほんとうに傷ついていません。初めてでしたが、クラース様なら嫌じゃなかったし、元々想う方には振られたところだったんです」
「え」
「そうなんです。振られて落ち込んでいたから、シモン様が入り込んでいるのをおかしいと気付くのが遅れました。僕の落ち度もあるんです」
このあたりはちょっと捏造が混ざっている。エミル様に振られても落ち込んでなかったのは内緒だ。恋愛をよくわかってなかったから、ただの憧れだったんだよね。
今はクラース様のことが好きだから、あれは違っていたとわかる。色ボケと言いたければ言え、いやむしろ言ってほしい。幸せが溢れて何が悪い。
「こ、この国にいると分かりにくいんですが、オメガは生きづらい世界です。ステファン殿下は、その存在だけで僕らオメガに大きな可能性を与えてくださいました。これからもきっと」
「ああ、ステファンは俺が守り、支えていく」
「はい! よろしくお願いします!」
僕が最敬礼でお願いすると、ディクスゴード様はは首を傾げた。
「誰の話をしようとしてたんだ……?」
クラース様が苦笑して前に出た。
「団長は幼い頃から幼馴染がいらっしゃったから、俺たちぐらいの庶民の結婚がどういう感じかわからないのも無理ありません」
「ああ……」
「とても心配していただけたようですが、俺たちは大丈夫です。できれば王命も取り消さずにいていただけと、テディも出世しやすいと思いますのでどうでしょう」
「陛下に頼んでおく」
クラース様ナイス!
これで僕たちも結婚も出世も約束されたも同然だ。あとは不当な出世だと言われないように頑張ろう。
実力主義は甘くない。ステファン殿下も、ディクスゴード様も、置かれた立場にふさわしくあるために努力されているんだから。
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