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しおりを挟む「でもさ、成瀬の弟って成瀬以外には完全に塩対応というか……もはや塩通り越して無味対応だよね」
逃げかけていた田中に掴み掛かろうとすると、一部始終を見ていた山田がそんなことを言った。
いや無味対応って何???
「俺、成瀬と同じ小学校だったけど、あの子俺が話しかけたら『話しかけんなめんどくさい』オーラ全開でいつも一言以上喋らなかったし」
「あー分かる。俺も、成瀬の弟じゃん元気?って聞いたら華麗に無視された。てか、見向きもされなかったわぁ」
腕を組んで田中が山田の言葉に頷いた。すると周りで聞いていた別の男子もそれに同調する。
「俺なんかさ、ちょっと成瀬と話してたら息もしづらいくらいの殺気後ろから感じたよ。グラウンドで迂闊に話すもんじゃねぇ、いつあの激重ブラコンに刺されてもおかしくない」
いやちょっと待て!!
うんうんと首を縦に振りながら話すトリオに俺は思わず割って入った。
こいらさっきから誰のこと話してんだ???
3人が俺を不思議そうに見る。
「待て待て、それってほんとに俺の弟のことか??お前らなんか別人の話してない?
確かに俺の弟はちょっと人見知りだけど、そんな無視したりとかあからさまに敵意向けたりはしないぞ?」
そもそも棗はそんな攻撃的になることなんてないし、殺気向けるとかもはやちょっと意味分からないんだが???どこからどう見ても天使、殺気とは細遠いだろうが。
がしかし、3人は呆れ返ったようにかぶりを振ってお手上げ、という格好をする。なんだその顔は。
「これだからブラコンは……」
「成瀬って頭良いけどバカだよね」
「やれやれ……」
それどころか抗議する俺を置いて、さらに話を盛り上げる始末。取り残される俺。
というか、山田君さりげなく俺を貶してない?
「成瀬って一生彼女とかできなさそう」
「分かる、恋人紹介したら次の日にはあの弟に寝取られるか殺されるか監禁されるかの三択」
「なんとかして別れさせようとしてきそうだよな」
「彼女は無理だろ。耐えられんわ、あの殺気」
「こうなったらさ、もう鈴木にするしかないよな」
「あー、彼氏ね」
「やっぱ鈴木レベルじゃないと無理かぁ。まぁそれが一番丸く収まるかもな」
「……何だろう、お前らは俺と弟の両方を敵に回してる気がする」
好き勝手言い放題の3人に静かに拳を固めていると、今度はテンションの高い女子が割り込んできた。
「鈴木も良いんだけど、一年生の王子君も有力な彼氏候補じゃない?」
「王子君?あー、生徒会の一年か。漣だっけ?」
「ああ、成瀬、仲良いもんな」
「幼馴染ってとこがポイント高いよね」
「じゃあ漣が鈴木のライバルかぁ」
「え、何そのアツい展開」
「燃えるわー」
いや何もアツくねーし燃えんわ!!!!
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というか、
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なんて返し、その結果俺の文句は瞬殺される。
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こいつらほんとに……つか、なんで俺にBL展開求めてんだよ。俺はどちらかというと見る専だし、颯斗が真澄以外とくっつくのは地雷でしかない。まして俺とか論外である。爽やか王子様×純粋が一番なんだよ、ほらみんな俺に続け。
推しカプが1番、俺はそのために生きてる。目指せ颯斗の人間化。思い出せ2人の尊さ。目に焼き付けろ颯斗のかっこよさ。
俺が心の仲で推しカプを思い浮かべて辛うじて平常心を保っていると、これまで黙って俺達を興味深そうに見ていたタッキーが目を細めた。唐突に呟く。
「俺はむしろ歓迎だけどな、彼氏候補」
「よし分かったお前が黒幕だな」
お前がそんなグレーなこと言ってるからこうなるんじゃねぇかよっ!!!
俺は男共を4人まとめて締め上げた。ギブギブ!!とか聞こえるけど知らない。中身23歳男性を舐めるなよお前ら。この中じゃ一番精神年齢高いんだからな!あんまり大人をからかうんじゃありません。
結局チャイム鳴るまで締め上げたった。いぇい。
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