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第4部 「覚醒のズメ子編」
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22話 突破口
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『これが・・・”呪怨の面“か・・』
気が付けば、三枝一真は聖川東学園中庭の呪われた祠の前に来ていた。
『まさか、学校の百葉箱が祠だったとはね』
キーィ・・・
不気味な音を立てて祠のトビラがひとりでに開いた。
『おぉ・・これが、“呪怨の面”・・!』
中には一見普通の能面が飾られていた。やがて、そのお面はカタカタと震えだし・・
ブワッッ!!!
お面は不穏なオーラを発して自ら祠を飛び出し、宙に舞う。
『うわぁっ!?』
突然動き出したお面に驚き、思わず尻餅をつく三枝。
そして、そのお面は三枝の意識の中に直接入り込み、こう告げた。
『 少年よ。 そなたはこの呪いを受け入れる覚悟があるか・・・?』
『あ、ああ』
心の準備はとうに済ませておいた。三枝に迷いはなかった。 ・・はずだ。
『よろしい。ならば今日からそなたもズメ子として人々に厄災をもたらせよ』
その能面は三枝に、自分に直接触れろと催促する。三枝は能面の指示に従い、人差し指を少し触れただけだった。
カッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!
瞬間。三枝の人差し指の先端と能面との間に莫大な光が暴発した。
そして、三枝の”人間としての意識“はここで途絶えた。
次に目が覚めた時にはすでに三枝一真は怪物
”ズメ子“ に生まれ変わっていた。
『ハッハッハッハッハッハ(おお、僕は本当に生まれ変わったんだな) ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ( 言語能力を失ってるようだが、まぁいい) ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ(目的が達成できるならこの程度の代償は厭わないさ) 』
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午前3:25分、ミッドナイト聖川東学園。
馬場コウスケを除く桐生一行は、四階の家庭科室で避難していた。
江原の巨大リュックの中に非常食のカップラーメンがちょうど4食分入っていたので、お湯を沸かしに来たのだ。
ズルズルズルズルズル!!
家庭科室のテーブルの一画で各々が麺を啜っていた。一晩中化け物に追いかけられて走り続けたのだからそりゃあ腹も減るさ。
ズルズルズルズルズル!!!
「ズルズル・・んでだ。情報を整理するとだな、ズルズル・・ズメ子は ” お面をつけた者の願いを叶えるためだけに行動する“ 仕組みになっていてだなズズズズズズズズ!!コイツを封印するには直接祠をぶっ壊すしかなぇってことだズルズル」
桐生は口に麺を放り込みつつ、ズメ子について知ってる限りの情報を伝える。
「そこまでは分かってるわよズルズルズルズル!! 私達はそのためにどうやってこの校舎から外に出るのか考えてるんじゃないズルズルズルズルズルズル」
桐生に次いで江原が話す。
「ああーもう、お前らさっきからズルズルうるせぇ!・・とか言いつつ俺もズルズル」
今度はマナトだ。
ズルズルズルズルズゴゴゴゴ。
家庭科室があっという間にカップラーメンの啜る音と匂いで包まれた。
「ああ、なんか打開策はないかなぁ・・・・・・ん?」
サファイがふと、カップラーメンから立ち込める湯気がモワモワと上昇する進路を目で追っていく。すると、4人分のラーメンの湯気が、ある一点に集中しているではないか。
「(これは、排気ダクトか!)」
「ん?どうしたサファイ。」
「みんな上を見て!」
サファイが指を指す場所。それは4人のすぐ頭上にある排気口だった。
サファイ以外の3人もその一点に注目する。
「この排気ダクトって確か校舎の屋上の煙突まで続いてるよね?このパイプの中を潜っていけばそのまま外に出られるんじゃない?」
「なるほど!でかしたぞサファイ!」
桐生がサファイの頭をクシャクシャ撫でる。
「よしじゃあさっそく・・」
「ちょっと待って!!」
テーブルの上に乗って排気ダクトに頭を突っ込もうとした桐生を江原が止める。
「その排気ダクトの幅じゃ私達全員の体は入りきらないんじゃないかしら?」
「ああ確かに。でも、幅的にはサファイ1人分くらいならギリギリいけるんじゃないか?」
発言者は栗山マナトだ。
「よし、じゃあ作戦はこうだ。最初にサファイが単身で排気ダクトを潜って屋上に脱出する。確か屋上からちょうど真下のあたりに中庭があったから、そこまで飛び降りてもらい、ついでに祠も破壊してしまう。ただ問題は、ダクトが垂直に伸びてることだな。どうやって上までのぼる?」
「大丈夫、任せて!」
ここに来て久々に”水の聖者“サファイが本領を発揮する。
ペタッペタッペタッ
サファイは自身の両手両足に水の塊でできたグローブを生成する。そして排気ダクトの壁をいとも容易くよじ登っていく。
そう、これは “ 水の表面張力 “ の力を応用したもので、サファイは水で包んだ自分の手足と排気ダクトの壁との摩擦を逆手にとっているのである。 これなら、真上に垂直に伸びるダクトを滑り落ちることなく登っていくことが可能になる。
「(くっ、僕の全体重を手と足だけで支えてるからやっぱりつらいな・・・)」
現時点では四階なので、屋上まであと10メートル程度ある。だが、このダクトを登ることができるのは”水の聖者“である自分しかいない。 サファイは、心の中でそう言い聞かせながら、ただひたすら上を目指す。
そう、全ては忌まわしき呪いの循環を制止するために!!
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『これが・・・”呪怨の面“か・・』
気が付けば、三枝一真は聖川東学園中庭の呪われた祠の前に来ていた。
『まさか、学校の百葉箱が祠だったとはね』
キーィ・・・
不気味な音を立てて祠のトビラがひとりでに開いた。
『おぉ・・これが、“呪怨の面”・・!』
中には一見普通の能面が飾られていた。やがて、そのお面はカタカタと震えだし・・
ブワッッ!!!
お面は不穏なオーラを発して自ら祠を飛び出し、宙に舞う。
『うわぁっ!?』
突然動き出したお面に驚き、思わず尻餅をつく三枝。
そして、そのお面は三枝の意識の中に直接入り込み、こう告げた。
『 少年よ。 そなたはこの呪いを受け入れる覚悟があるか・・・?』
『あ、ああ』
心の準備はとうに済ませておいた。三枝に迷いはなかった。 ・・はずだ。
『よろしい。ならば今日からそなたもズメ子として人々に厄災をもたらせよ』
その能面は三枝に、自分に直接触れろと催促する。三枝は能面の指示に従い、人差し指を少し触れただけだった。
カッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!
瞬間。三枝の人差し指の先端と能面との間に莫大な光が暴発した。
そして、三枝の”人間としての意識“はここで途絶えた。
次に目が覚めた時にはすでに三枝一真は怪物
”ズメ子“ に生まれ変わっていた。
『ハッハッハッハッハッハ(おお、僕は本当に生まれ変わったんだな) ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ( 言語能力を失ってるようだが、まぁいい) ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ(目的が達成できるならこの程度の代償は厭わないさ) 』
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午前3:25分、ミッドナイト聖川東学園。
馬場コウスケを除く桐生一行は、四階の家庭科室で避難していた。
江原の巨大リュックの中に非常食のカップラーメンがちょうど4食分入っていたので、お湯を沸かしに来たのだ。
ズルズルズルズルズル!!
家庭科室のテーブルの一画で各々が麺を啜っていた。一晩中化け物に追いかけられて走り続けたのだからそりゃあ腹も減るさ。
ズルズルズルズルズル!!!
「ズルズル・・んでだ。情報を整理するとだな、ズルズル・・ズメ子は ” お面をつけた者の願いを叶えるためだけに行動する“ 仕組みになっていてだなズズズズズズズズ!!コイツを封印するには直接祠をぶっ壊すしかなぇってことだズルズル」
桐生は口に麺を放り込みつつ、ズメ子について知ってる限りの情報を伝える。
「そこまでは分かってるわよズルズルズルズル!! 私達はそのためにどうやってこの校舎から外に出るのか考えてるんじゃないズルズルズルズルズルズル」
桐生に次いで江原が話す。
「ああーもう、お前らさっきからズルズルうるせぇ!・・とか言いつつ俺もズルズル」
今度はマナトだ。
ズルズルズルズルズゴゴゴゴ。
家庭科室があっという間にカップラーメンの啜る音と匂いで包まれた。
「ああ、なんか打開策はないかなぁ・・・・・・ん?」
サファイがふと、カップラーメンから立ち込める湯気がモワモワと上昇する進路を目で追っていく。すると、4人分のラーメンの湯気が、ある一点に集中しているではないか。
「(これは、排気ダクトか!)」
「ん?どうしたサファイ。」
「みんな上を見て!」
サファイが指を指す場所。それは4人のすぐ頭上にある排気口だった。
サファイ以外の3人もその一点に注目する。
「この排気ダクトって確か校舎の屋上の煙突まで続いてるよね?このパイプの中を潜っていけばそのまま外に出られるんじゃない?」
「なるほど!でかしたぞサファイ!」
桐生がサファイの頭をクシャクシャ撫でる。
「よしじゃあさっそく・・」
「ちょっと待って!!」
テーブルの上に乗って排気ダクトに頭を突っ込もうとした桐生を江原が止める。
「その排気ダクトの幅じゃ私達全員の体は入りきらないんじゃないかしら?」
「ああ確かに。でも、幅的にはサファイ1人分くらいならギリギリいけるんじゃないか?」
発言者は栗山マナトだ。
「よし、じゃあ作戦はこうだ。最初にサファイが単身で排気ダクトを潜って屋上に脱出する。確か屋上からちょうど真下のあたりに中庭があったから、そこまで飛び降りてもらい、ついでに祠も破壊してしまう。ただ問題は、ダクトが垂直に伸びてることだな。どうやって上までのぼる?」
「大丈夫、任せて!」
ここに来て久々に”水の聖者“サファイが本領を発揮する。
ペタッペタッペタッ
サファイは自身の両手両足に水の塊でできたグローブを生成する。そして排気ダクトの壁をいとも容易くよじ登っていく。
そう、これは “ 水の表面張力 “ の力を応用したもので、サファイは水で包んだ自分の手足と排気ダクトの壁との摩擦を逆手にとっているのである。 これなら、真上に垂直に伸びるダクトを滑り落ちることなく登っていくことが可能になる。
「(くっ、僕の全体重を手と足だけで支えてるからやっぱりつらいな・・・)」
現時点では四階なので、屋上まであと10メートル程度ある。だが、このダクトを登ることができるのは”水の聖者“である自分しかいない。 サファイは、心の中でそう言い聞かせながら、ただひたすら上を目指す。
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