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第5部 「東西学園闘争編」
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25話 茜さす君
「・・・・ん・・・」
とある病院の一室にて。1人の少女が目を覚ました。
点滴を腕に付けてピンク色の病衣を着た少女はベッドからゆっくりと上体を起こし、目を少しこすった。
カラカラ・・・
「久しぶり」
病室のドアが開くと同時に1人の男性の声が聞こえた。そしてその声が耳に入った途端、少女の心拍数は上がった。
「う、瓜生さん!? 久しぶり・・です・・」
少女は頰をわずかに赤らめ、どこかソワソワした素振りを隠せない。
「これ、お見舞いだよ」
瓜生は見舞い用のフルーツバスケットを少女に手渡した。
「ありがとう、ございます」
少女は両手でフルーツバスケットを受け取りつつも、恥ずかしさからか瓜生からはプイッと目を逸らしてしまう。
「えぇと・・・」
瓜生は何から話せばいいのやらと自分のこめかみを人差し指でぽりぽりと掻いた。
「いやぁびっくりしたよ。あれだけの傷を負って生き延びれたなんて。」
瓜生は感心した様子で少女に言った。
「正確には、あの時点で” 私は死にました“。
もっと正確に言うと、『冥王』としての人格・精神と言ったものだけがこの肉体から消失しただけなんです。」
少女は瓜生とは目を合わせず、俯きながらフルーツバスケットのりんごを手に取って見つめた。
「なるほどね」
「だから今の私にかつての能力は行使出来ません。ただのいたいけな少女です。 それに、確かにあの時私は銃弾をモロに喰らいました。しかし幸い急所はギリギリ外れていて致命傷には至らなかったんです。」
「なるほどね」
少女の説明に瓜生が頷く。
「ねぇ、瓜生さん」
「ん?」
この時少女は片目に涙を浮かべていた。
「私・・なんでまだ生きているのかな・・」
ポツリ、ポツリと目から溢れた雫が少女の右手に握られたリンゴの上に滴る。
「茜ちゃん・・」
「 全く違う別人格の自分がやったこととはいえ、この手で友達を傷付けてしまった・・。この手が友達の1人を殺してしまったんだ」
ひっくひっくと肩を震わせてしゃくり上げる少女、白石茜の背中を瓜生は慰めるように優しくさすった。
「茜ちゃんは悪くなんかないさ。俺の『義弟』も言ってたろう? ” 冥王だろうが何だろうがお前はお前だ “ って。茜ちゃんは世界でたった1人の茜ちゃんなんだよ」
だが、瓜生の励ましの言葉が茜の涙腺を余計に刺激してしまう。
「う、うぅ・・うぇっ、うわぁああああん!うわぁあああああん!!」
白石茜は感情を抑えきれずに瓜生に抱きついてひたすら泣きじゃくった。
「あ、茜ちゃん。そんなに泣かなくても・・」
瓜生はやれやれと言った感じで茜の背中を引き続きさすってやった。
病室に泣き声が響くこと10分。
「もう泣き止んだ?」
「なんかごめんなさい。いきなり大泣きしてはしたない姿見せちゃって・・」
「いやいや。泣きたい時は思いっきり泣く方が体にいいんだよ。」
「そう・・ですね。あはは・・」
思う存分泣いたからか茜の顔からは何かアクのようなものが抜けたような感じがした。再びその表情には、チャームポイントでもある笑顔が戻る。
「うん、その方がいい。笑ってる茜ちゃんの方が茜ちゃんらしいよ。」
「ありがとうございます。ところで瓜生さん」
「なにかな」
「その、桐生は今元気ですか?」
自分の義弟(おとうと)であるその名前を聞いた瓜生は突如険しい顔になった。 茜は、え?と言わんばかりに首を傾げる。
「瓜生さん?」
「茜ちゃん。桐生に会いたいっていう気持ちはよく分かるけど・・・今は多分やめた方がいいかもしれない・・」
「え、どういうことですか?」
そして瓜生は苦い表情のまま茜に返した。
「最近のあいつは・・・どこか様子がおかしい」
「・・・・ん・・・」
とある病院の一室にて。1人の少女が目を覚ました。
点滴を腕に付けてピンク色の病衣を着た少女はベッドからゆっくりと上体を起こし、目を少しこすった。
カラカラ・・・
「久しぶり」
病室のドアが開くと同時に1人の男性の声が聞こえた。そしてその声が耳に入った途端、少女の心拍数は上がった。
「う、瓜生さん!? 久しぶり・・です・・」
少女は頰をわずかに赤らめ、どこかソワソワした素振りを隠せない。
「これ、お見舞いだよ」
瓜生は見舞い用のフルーツバスケットを少女に手渡した。
「ありがとう、ございます」
少女は両手でフルーツバスケットを受け取りつつも、恥ずかしさからか瓜生からはプイッと目を逸らしてしまう。
「えぇと・・・」
瓜生は何から話せばいいのやらと自分のこめかみを人差し指でぽりぽりと掻いた。
「いやぁびっくりしたよ。あれだけの傷を負って生き延びれたなんて。」
瓜生は感心した様子で少女に言った。
「正確には、あの時点で” 私は死にました“。
もっと正確に言うと、『冥王』としての人格・精神と言ったものだけがこの肉体から消失しただけなんです。」
少女は瓜生とは目を合わせず、俯きながらフルーツバスケットのりんごを手に取って見つめた。
「なるほどね」
「だから今の私にかつての能力は行使出来ません。ただのいたいけな少女です。 それに、確かにあの時私は銃弾をモロに喰らいました。しかし幸い急所はギリギリ外れていて致命傷には至らなかったんです。」
「なるほどね」
少女の説明に瓜生が頷く。
「ねぇ、瓜生さん」
「ん?」
この時少女は片目に涙を浮かべていた。
「私・・なんでまだ生きているのかな・・」
ポツリ、ポツリと目から溢れた雫が少女の右手に握られたリンゴの上に滴る。
「茜ちゃん・・」
「 全く違う別人格の自分がやったこととはいえ、この手で友達を傷付けてしまった・・。この手が友達の1人を殺してしまったんだ」
ひっくひっくと肩を震わせてしゃくり上げる少女、白石茜の背中を瓜生は慰めるように優しくさすった。
「茜ちゃんは悪くなんかないさ。俺の『義弟』も言ってたろう? ” 冥王だろうが何だろうがお前はお前だ “ って。茜ちゃんは世界でたった1人の茜ちゃんなんだよ」
だが、瓜生の励ましの言葉が茜の涙腺を余計に刺激してしまう。
「う、うぅ・・うぇっ、うわぁああああん!うわぁあああああん!!」
白石茜は感情を抑えきれずに瓜生に抱きついてひたすら泣きじゃくった。
「あ、茜ちゃん。そんなに泣かなくても・・」
瓜生はやれやれと言った感じで茜の背中を引き続きさすってやった。
病室に泣き声が響くこと10分。
「もう泣き止んだ?」
「なんかごめんなさい。いきなり大泣きしてはしたない姿見せちゃって・・」
「いやいや。泣きたい時は思いっきり泣く方が体にいいんだよ。」
「そう・・ですね。あはは・・」
思う存分泣いたからか茜の顔からは何かアクのようなものが抜けたような感じがした。再びその表情には、チャームポイントでもある笑顔が戻る。
「うん、その方がいい。笑ってる茜ちゃんの方が茜ちゃんらしいよ。」
「ありがとうございます。ところで瓜生さん」
「なにかな」
「その、桐生は今元気ですか?」
自分の義弟(おとうと)であるその名前を聞いた瓜生は突如険しい顔になった。 茜は、え?と言わんばかりに首を傾げる。
「瓜生さん?」
「茜ちゃん。桐生に会いたいっていう気持ちはよく分かるけど・・・今は多分やめた方がいいかもしれない・・」
「え、どういうことですか?」
そして瓜生は苦い表情のまま茜に返した。
「最近のあいつは・・・どこか様子がおかしい」
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