私は他のアバターとの戦いで神のアバターとして選ばれました

RexxsA

文字の大きさ
2 / 27
El Renacer de Quetzalcóatl

第2章: 火と蛇

しおりを挟む
炎に照らされた広場は、まるで悪夢から抜け出したような光景だった。アレックスはまだ膝をついて息を切らしながら、ゆっくりと近づいてくる戦士から目を離せなかった。彼の一歩一歩が枝を折り、周囲の空気を熱くしていく。

「お前は誰だ?」アレックスは、額に汗をかきながら冷静さを保とうとした。

カエルは冷笑を浮かべ、まるで侮辱するかのような自信を見せた。 「私はカエル、インティのアバター、太陽の神だ。そして、お前は…ただ私の前に立ちふさがる虫だ。」

アレックスは一歩後退り、頭の中で素早く思考を巡らせた。数分前までは普通の少年だったはずなのに、今では腕に不思議なシンボルが刻まれ、神とつながり、武装した男に命を狙われている。

「何が欲しいんだ?」アレックスは、時間を稼ごうと再度問いかけた。

カエルは炎の剣を高く掲げ、アレックスを指差した。 「個人的なことじゃない。ただ他のアバターを排除し、インティの恩恵に値することを証明したいだけだ。」

アレックスが何かを返す前に、カエルは一気に突進してきた。その動きは素早く、まるで炎そのものが彼を推し進めているかのようだった。アレックスは何とか地面に転がって攻撃を避けたが、剣の熱でジャケットの袖が焦げてしまった。

「動け、少年!」ケツァルコアトルの声がアレックスの頭に響き、強く命令するように言った。

「それができればいいんだが!」アレックスは叫びながら、地面を転がって再び攻撃を避けた。

カエルは容赦なく、回避不可能な炎の攻撃を次々と繰り出してきた。アレックスは走り、転び、木の後ろに隠れようとしたが、木さえも燃え始めていた。

「逃げ続けることはできないぞ。私に立ち向かえ!」カエルは剣を空に掲げ、炎の球体をその先端に作り始め、急速に大きくなっていった。

アレックスは心臓が激しく鼓動するのを感じ、恐怖が彼を支配した。 「これに勝てるわけがない!」

「どうする、諦めるのか?」ケツァルコアトルの声は挑戦的な調子で響いた。 「私が与えた力を使え!周りの風を感じ、その力を武器に変えろ。」

アレックスは目を閉じ、一瞬心を落ち着けようとした。周りの葉っぱが増していく風に揺れ、ささやき声が聞こえた。目を開けたとき、腕のシンボルが光り、体中にエネルギーが流れ始めた。

「行くぞ!」アレックスは本能的に両手を上げた。

カエルが炎の球体を放った瞬間、アレックスは腕を伸ばし、その手のひらから風の突風が発生し、攻撃を逸らした。爆風が広場を揺らしたが、アレックスはその場にしっかりと立っていた。体はかすかなエメラルド色のオーラに包まれていた。

「それは…?」カエルはその成果に驚き、つぶやいた。

アレックスは少し自信を持ちながら笑った。 「どうやってやったのか分からないが、どうやら何か隠し持っているようだな。」

カエルは再び突進してきた。今度は剣がさらに激しく燃えている。アレックスは逃げずに立ち向かうことに決めた。ケツァルコアトルの言葉を思い出し、風を有利に使いながら攻撃をかわし、横に飛び、蛇のような防御壁を作って一部の攻撃を防いだ。

戦いは数分間続き、アレックスは徐々に自分の能力を習得していった。しかし、カエルは依然として優位に立っていた。最後に、カエルは正確な一撃を放ち、アレックスを倒した。その肩には焼けた傷が残った。

「お前には可能性があるな、少年。しかし、まだ足りない。」カエルは剣を振り上げ、最後の一撃を放とうとした。

その瞬間、はるかに強い風が広場を吹き抜け、カエルを後ろに押しやった。アレックスは地面に倒れたままで、体が本能的に動き、腕を伸ばした。その手の中に蛇の形をした槍が現れ、アレックスはそれをカエルに向けて構えた。

「まだ終わっていない。」

カエルはその様子を見て、計算しながら一歩引いた。 「今は命を助けてやる。お前がどこまでやるか見てみたい。ケツァルコアトルのアバター、アレックス。ただし、次は容赦しない。」

そう言うと、カエルは炎の中に消え去った。アレックスは広場に一人取り残され、疲れ果てて膝をついた。

「いったい、何が起こったんだ?」アレックスは自分の腕にあるシンボルを見つめながら呟いた。

「これはまだ始まりに過ぎない、アレックス。」ケツァルコアトルの声が再び響き、その中には警告の色も感じられたが、どこか誇らしげな響きもあった。

アレックスは夜空を見上げ、星々がこれまで以上に遠く感じられるのを感じた。彼は生き残ったが、彼の人生が二度と元に戻ることはないと知っていた。

第2章 終わり
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界配信中。幼馴染みに捨てられた俺に、神々(視聴者)がコメントしてくるんだが。

葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。 だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。 突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。 これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...