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女子更衣室の前での出来事
しおりを挟むユウは女子更衣室の外で腕時計を見つめながら、内側から聞こえる笑い声やおしゃべりを無視しようと努めていた。運動会の開始が迫る中、カナデが「体操服姿を見てほしい」と insistし、最初は断ったものの、彼女の真剣で興味津々な瞳に負けてしまったのだ。
ユウ(心の中で): どうしていつもこういう状況に巻き込まれるんだろう?
更衣室のドアが開き、ユウが顔を上げると、ちょうどカナデが出てきたところだった。彼女は少し落ち着かない様子でブラウスを整えている。学校指定の体操服、白い半袖シャツに青いライン、そしてダークカラーのショートパンツは、彼女のスラリとした体型と長い脚を際立たせていた。その姿に、ユウは一瞬息を飲んだ。
カナデ(少し眉をひそめて): この服、変な感じがする。なんか、キツいような気がするわ。(ブラウスを軽く引っ張る)
ユウは返事をしようとしたが、言葉がうまく出てこない。ただ顔がどんどん赤くなり、視線をカナデの顔だけに固定しようと必死だった。
カナデ(少し身を乗り出して): どう?ユウ、私似合ってる?
その仕草に耐えられなくなったユウは一歩後ずさりし、どうしようもない緊張感を隠せなかった。
ユウ(どもりながら): え、えっと… うん、似合ってると思う。
カナデは首をかしげ、ユウが視線をそらして顔を赤くしているのをじっと見ていた。そして、彼女の唇に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
カナデ(からかうように): ユウ、なんだか居心地悪そうね。そんなに赤くなって… もしかして、私のこと…魅力的だと思ってるの?
ユウは耳まで真っ赤になり、カナデが腰に手を当て、軽くポーズをとりながら振り向いたのを見てさらに動揺した。
ユウ(顔を手で覆いながら): や、やめろよ!変なことするなって!
カナデは小さく笑いながらも、ユウが不意に口にした言葉に驚いた。
ユウ(思わず): 本当に… すごく似合ってるよ。きっと、みんな君のことを注目すると思う。
その言葉は不器用ながらも誠実で、カナデはしばらく反応できなかった。彼女の顔にも徐々に赤みが差し、照れたようにくるりと背を向けた。
カナデ(小声で): そ、そう…ありがとう、ユウ。
ユウ(視線を逸らしながら): なんであんなこと言っちゃったんだ?余計に気まずくなるだけなのに…
---
障害物競走のスタートラインで
校庭は生徒や先生たちの声援で活気にあふれていた。クラスごとの応援団がカラフルな旗や横断幕を掲げる中、誰もが障害物競走に参加するカナデに注目していた。
観客席では、ユウとヒカリが並んで座っていた。ヒカリは星柄の旗を振りながら、カナデの姿に目を輝かせていた。
ヒカリ: 見てよ!カナデ、めっちゃカッコいいよ!まるでアニメのヒロインみたい!
ユウは少しイライラしながら、その言葉に心の中で小さな嫉妬を感じた。注目されるカナデを見て、自分の気持ちを整理しようと努力した。
ユウ: あんまり目立たないでくれればいいんだけどな…。
ヒカリ(ニヤニヤしながら): 目立たない?ユウ、それは無理だって。カナデはどんなことをしても目立っちゃうんだから。むしろ、ちょっと派手なことしてみれば?面白くなるかもよ!
ユウ: いや、絶対にダメだ。そんなことしたら、余計に目をつけられるかもしれないだろ。
ヒカリ(肩をすくめて): ユウってほんと真面目だよね。でもまあ、カナデは特別な力を使わなくても、十分目立つんだから大丈夫でしょ。
スタートラインに立つカナデは、ちらりと観客席を振り返り、ユウとヒカリに向かって小さく手を振った。その笑顔は、いつもよりも自信に満ちていた。
ヒカリ(大声で): カナデー!最高だよ!見せつけちゃえー!
ユウはため息をつきながらも、手を振り返した。
ユウ(心の中で): 頼むから、普通でいてくれよ…。今だけでも。
スタートの合図が響くと、フィールドは一瞬で静まり返った。カナデは前傾姿勢になり、全力で挑む準備をしていた。ヒカリとユウは、これから何が起きるかを静かに見守っていた――期待と不安が入り混じる中で。
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