19 / 78
冒険の始まり
トージローの力
しおりを挟む
訪れた風圧に、音が消えてしまったのは、それを伝えるべき空気がなくなってしまったからか。
呼吸困難に咳き込んだカレンが、空気を求めて口を開ける頃にはもう、その息苦しさはなくなっていた。
であれば、今も続くこの静寂は、きっと衝撃によって鼓膜が一時的に麻痺してしまったからだろう。
いくら咳き込んでも伝わってこなかったその音も、やがてこの耳を叩きだして、ゆっくりとその場を立ち上がった彼女は目を開く。
その先にはやはり、何もなかった。
「あぁ、良かったぁ。何とかなったんだ・・・」
それ以外の部分が全て消滅してしまった、オーガトロルの足首以外は。
「嘘だろ・・・?あのオーガトロルを一撃で?いやそれどころの話じゃ・・・おい、グルド!お前も見たよな!?」
「あ、あぁ・・・俺は、あんな化け物に喧嘩を売ってたのか・・・うぅ!?今更、震えてくらぁ」
その凄まじい光景を目にしたのは、何もカレンだけではない。
彼女と同じようにその光景を目にしたタックスは、いつの間にか目を覚ましていたグルドへと呼び掛けている。
彼らは目の前の光景に呆気に取られ、自分達が一体どれ程やばい存在に喧嘩を売っていたのかと、改めて思い知ると静かに身体を震わせていた。
「のぅ、そこの人や。わしの飯がどこにあるか知らんかのぅ?さっきもうすぐじゃって聞いたんじゃが・・・」
そんな彼らの下に、トージローがぼんやりとした表情でふらふらと近づいてくる。
彼はその手にした剣を邪魔だと放り捨てると、グルド達の方へと真っ直ぐに向かう。
その身体には、返り血一つ浴びていなかった。
「ひぃぃぃぃ!!?生意気なこと言って申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!!お許しを、どうかお許しを!!トージロー様ぁぁぁ!!!」
こちらへと真っ直ぐに近づいてくるトージローの姿は、彼らには悪魔にも大魔王にも見える。
オーガトロルにボコボコにされ、まともに動ける状態でなかったにも拘らず、グルドは素早い動きで体勢を整えると、トージローの目の前で全力で土下座している。
彼の背後には、彼の仲間達も慌ててそれに加わり、皆で必死にトージローへ許しを請うていた。
「・・・腹が空いたのぅ」
そんな彼らの姿をトージローは呆けた顔で見下ろすと、お腹の辺りを押さえてはぼそりと呟いている。
「っ!!?お、お腹がお空きなのですか!?で、でしたら・・・おい!何か持ってきてないのか!?」
「何かって・・・あいつらにやり返すんだって、ここに来ることを急に決めたのはグルド、てめぇじゃねぇか!!そんなの用意してる訳ねぇだろ!?」
「あぁ?俺が悪いってのか!?タックスてめぇ、後で憶えてろよ!!」
その呟きを耳にした、グルド達の反応は劇的だ。
彼らは弾かれたように顔を上げると、必死に自らの身体を弄っては何か食べられるものはないかと探し始めている。
しかし中々見つからないそれに、彼らはやがて仲間割れまでしてしまう始末であった。
「・・・何もないんかのぅ?」
そんな彼らの姿を、トージローは無関心な表情で見下ろしている。
その表情は、彼を恐れているものからすれば、虫けらを見下すような無慈悲な表情に見えていた。
「っ!?ト、トージロー様!その、もう少々お待ちを・・・あ!?ありました!!これを、これをどうぞお納めください!!」
トージローの冷たい、無関心な瞳にびくりと肩を震わせたグルドは、焦った表情でさらに身体を弄っている。
そして何とかどこかのポケットの奥から保存食の欠片を見つけ出した彼は、それをトージローに恭しい仕草で差し出していた。
「・・・美味しくないのぅ」
携帯用に特化した保存食は、保存性と携帯性を重視するあまり味については考慮に入れていない。
それは当然、決して美味しいとは呼べない味をしており、それを一口齧ったトージローは顔を顰めると、そのままどこかへとふらふら歩いていってしまう。
「・・・ゆ、許されたのか?」
「そ、そうなんじゃないか?」
始めからグルド達などに何の関心もないトージローは、差し出された不味い保存食を一口に飲み込むと、そのままどこかへと去っていく。
そんな彼の姿に、グルドとタックスは顔を見合わせると、許されたのかと確認し合っていた。
「ふーーー!!助かったぁ・・・へっ、俺のお陰だぞ、お前ら!俺があれを残してなかったら・・・感謝しろよ?」
「はぁ?そもそもこんな事になったのもグルド、お前が言い出したからだろ!?大体さっきのだって、いつの奴の残りなんだよ!?いい加減、食べ残しをポケットにしまうの止めろって言ってるだろ!!ガキじゃあるまいし!」
ふらふらとどこかへと去っていくトージローの姿に、グルドは腰を抜かすようにへたり込むと深々と息を吐いている。
そうして緊張を吐き出した彼は、タックスへと自らの成果を誇っていた。
しかしそれは結果的に、彼の責任をより浮き彫りにさせる結果となってしまっていた。
「あぁ?いいんだよ、別に!!大体、今回はそのお陰で助かったじゃねぇか!!」
「それは偶々だろ!?そんなこと繰り返してたら、いつ腹を壊すか分かったもんじゃ・・・ちょっと待て?何か聞こえないか?」
「おい、話を逸らしてんじゃ・・・確かに、何か聞こえんな?何だこいつは・・・どっかで聞いたことがある気がすんな?何だったか・・・」
責任の擦り付け合いは、いつしかくだらない口論へとすり替わって、終わりの見えない様相を呈していた。
しかしその最中に、何やら怪しげなしゅーしゅーという異音が聞こえてくれば、事情も変わる。
彼らは途端に冒険者の顔へと切り替わると、冷静に周囲の音へと耳を澄ませ始めている。
「これはもしかして・・・おい、あれを見てみろ!!」
「何だよ・・・っ!?不味い!!」
その音は、足首だけになったオーガトロルの身体から響いてくるものだった。
その足首からは何やら怪しげな煙が立ち上っており、見ればその身体は先ほどよりも大きく、まるで再生しているかのようだった。
「おい、やべぇぞ!!火だ、火ぃ持ってこい!!早くしろ、再生しちまうぞ!!」
「ガッド、松明だ!すぐに火をつけられるか!?」
「任せろ、すぐに持っていく!」
オーガトロルは、オーガの破壊力とトロルの再生能力を併せ持つ魔物だ。
そうその魔物は、トロルの再生能力も有しているのだ。
つまりはそんな状態からでも、再生することが可能なのであった。
「あーぁ、なーにやってんだか・・・」
始めからそんなつもりなどないトージローに対して、全力で土下座をするというグルド達の茶番を眺めていたカレンは、続く今の騒動にも呆れたような表情を見せるばかり。
彼女はそれにもはや関係ないと言わんばかりに脇へと逸れると、トージローが放り出してしまった彼の剣を拾い上げていた。
「うわぁ、折角綺麗だったのに汚れちゃってんじゃんこれ・・・結構高かったんだから、もっとちゃんと扱ってよね。分かった、トージロー?」
「ほぁ?それよりお嬢ちゃん、飯はまだかいのぅ?」
「はいはい、分かったから。もうちょっと待っててね、お爺ちゃん」
圧倒的な力によって振るわれた剣は、彼の身体と同じように返り血一つ浴びていなかった。
しかし適当に放り出されていたそれは、周囲の地面に広がった血に塗れて、その表面を汚してしまっている。
それを拾い上げたカレンは、顔を顰めてはその扱いに対しトージローに文句を言っていた。
しかしそんな彼女の言葉にも、トージローはぼんやりと的外れな言葉を返すばかり。
「うわっ!?よく見たら、私も血塗れじゃない!?あー・・・これ、帰ったら洗濯地獄だなぁ」
トージローの胡乱な態度に諦めるように首を振ったカレンは、自らの身体を見下ろすとその有り様に驚きの声を上げる。
そこにはオーガトロルの返り血を浴び、真っ赤に染まった自らの身体があった。
それを目にして、カレンは俯くと深々と溜め息を吐く。
「はぁ・・・まぁでも、ようやく終わったんだな」
吐いた息も白く霞み、見上げた空には星が瞬いてる。
そんな景色を目にしながら、カレンはようやく初めての冒険が終わったことを噛みしめていた。
彼女が見上げる空の下では、グルド達が必死に松明を振るってはオーガトロルの再生を阻止しようと頑張っていた。
「おい、お前ら大丈夫か!?」
森を凄まじい勢いで駆け抜けた大剣を担いだ眼帯の男は、その木々の間を抜けて開口一番にそう叫ぶ。
しかし彼が、その先に目にした光景が予想もしないものであった。
「・・・何だ?一体、何が起きたんだ・・・?」
眼帯の冒険者が目にしたのは、彼が追っていた魔物オーガトロルの死体と、その前で佇む金色の髪の少女の姿だった。
「まさか・・・あの女の子が、あれを倒した・・・のか?」
眼帯の冒険者は目にする、オーガトロルの死体の前に佇む少女を。
そして明らかにその返り血に浴びた彼女の姿と、その手が握りしめている血塗れの剣を。
呼吸困難に咳き込んだカレンが、空気を求めて口を開ける頃にはもう、その息苦しさはなくなっていた。
であれば、今も続くこの静寂は、きっと衝撃によって鼓膜が一時的に麻痺してしまったからだろう。
いくら咳き込んでも伝わってこなかったその音も、やがてこの耳を叩きだして、ゆっくりとその場を立ち上がった彼女は目を開く。
その先にはやはり、何もなかった。
「あぁ、良かったぁ。何とかなったんだ・・・」
それ以外の部分が全て消滅してしまった、オーガトロルの足首以外は。
「嘘だろ・・・?あのオーガトロルを一撃で?いやそれどころの話じゃ・・・おい、グルド!お前も見たよな!?」
「あ、あぁ・・・俺は、あんな化け物に喧嘩を売ってたのか・・・うぅ!?今更、震えてくらぁ」
その凄まじい光景を目にしたのは、何もカレンだけではない。
彼女と同じようにその光景を目にしたタックスは、いつの間にか目を覚ましていたグルドへと呼び掛けている。
彼らは目の前の光景に呆気に取られ、自分達が一体どれ程やばい存在に喧嘩を売っていたのかと、改めて思い知ると静かに身体を震わせていた。
「のぅ、そこの人や。わしの飯がどこにあるか知らんかのぅ?さっきもうすぐじゃって聞いたんじゃが・・・」
そんな彼らの下に、トージローがぼんやりとした表情でふらふらと近づいてくる。
彼はその手にした剣を邪魔だと放り捨てると、グルド達の方へと真っ直ぐに向かう。
その身体には、返り血一つ浴びていなかった。
「ひぃぃぃぃ!!?生意気なこと言って申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!!お許しを、どうかお許しを!!トージロー様ぁぁぁ!!!」
こちらへと真っ直ぐに近づいてくるトージローの姿は、彼らには悪魔にも大魔王にも見える。
オーガトロルにボコボコにされ、まともに動ける状態でなかったにも拘らず、グルドは素早い動きで体勢を整えると、トージローの目の前で全力で土下座している。
彼の背後には、彼の仲間達も慌ててそれに加わり、皆で必死にトージローへ許しを請うていた。
「・・・腹が空いたのぅ」
そんな彼らの姿をトージローは呆けた顔で見下ろすと、お腹の辺りを押さえてはぼそりと呟いている。
「っ!!?お、お腹がお空きなのですか!?で、でしたら・・・おい!何か持ってきてないのか!?」
「何かって・・・あいつらにやり返すんだって、ここに来ることを急に決めたのはグルド、てめぇじゃねぇか!!そんなの用意してる訳ねぇだろ!?」
「あぁ?俺が悪いってのか!?タックスてめぇ、後で憶えてろよ!!」
その呟きを耳にした、グルド達の反応は劇的だ。
彼らは弾かれたように顔を上げると、必死に自らの身体を弄っては何か食べられるものはないかと探し始めている。
しかし中々見つからないそれに、彼らはやがて仲間割れまでしてしまう始末であった。
「・・・何もないんかのぅ?」
そんな彼らの姿を、トージローは無関心な表情で見下ろしている。
その表情は、彼を恐れているものからすれば、虫けらを見下すような無慈悲な表情に見えていた。
「っ!?ト、トージロー様!その、もう少々お待ちを・・・あ!?ありました!!これを、これをどうぞお納めください!!」
トージローの冷たい、無関心な瞳にびくりと肩を震わせたグルドは、焦った表情でさらに身体を弄っている。
そして何とかどこかのポケットの奥から保存食の欠片を見つけ出した彼は、それをトージローに恭しい仕草で差し出していた。
「・・・美味しくないのぅ」
携帯用に特化した保存食は、保存性と携帯性を重視するあまり味については考慮に入れていない。
それは当然、決して美味しいとは呼べない味をしており、それを一口齧ったトージローは顔を顰めると、そのままどこかへとふらふら歩いていってしまう。
「・・・ゆ、許されたのか?」
「そ、そうなんじゃないか?」
始めからグルド達などに何の関心もないトージローは、差し出された不味い保存食を一口に飲み込むと、そのままどこかへと去っていく。
そんな彼の姿に、グルドとタックスは顔を見合わせると、許されたのかと確認し合っていた。
「ふーーー!!助かったぁ・・・へっ、俺のお陰だぞ、お前ら!俺があれを残してなかったら・・・感謝しろよ?」
「はぁ?そもそもこんな事になったのもグルド、お前が言い出したからだろ!?大体さっきのだって、いつの奴の残りなんだよ!?いい加減、食べ残しをポケットにしまうの止めろって言ってるだろ!!ガキじゃあるまいし!」
ふらふらとどこかへと去っていくトージローの姿に、グルドは腰を抜かすようにへたり込むと深々と息を吐いている。
そうして緊張を吐き出した彼は、タックスへと自らの成果を誇っていた。
しかしそれは結果的に、彼の責任をより浮き彫りにさせる結果となってしまっていた。
「あぁ?いいんだよ、別に!!大体、今回はそのお陰で助かったじゃねぇか!!」
「それは偶々だろ!?そんなこと繰り返してたら、いつ腹を壊すか分かったもんじゃ・・・ちょっと待て?何か聞こえないか?」
「おい、話を逸らしてんじゃ・・・確かに、何か聞こえんな?何だこいつは・・・どっかで聞いたことがある気がすんな?何だったか・・・」
責任の擦り付け合いは、いつしかくだらない口論へとすり替わって、終わりの見えない様相を呈していた。
しかしその最中に、何やら怪しげなしゅーしゅーという異音が聞こえてくれば、事情も変わる。
彼らは途端に冒険者の顔へと切り替わると、冷静に周囲の音へと耳を澄ませ始めている。
「これはもしかして・・・おい、あれを見てみろ!!」
「何だよ・・・っ!?不味い!!」
その音は、足首だけになったオーガトロルの身体から響いてくるものだった。
その足首からは何やら怪しげな煙が立ち上っており、見ればその身体は先ほどよりも大きく、まるで再生しているかのようだった。
「おい、やべぇぞ!!火だ、火ぃ持ってこい!!早くしろ、再生しちまうぞ!!」
「ガッド、松明だ!すぐに火をつけられるか!?」
「任せろ、すぐに持っていく!」
オーガトロルは、オーガの破壊力とトロルの再生能力を併せ持つ魔物だ。
そうその魔物は、トロルの再生能力も有しているのだ。
つまりはそんな状態からでも、再生することが可能なのであった。
「あーぁ、なーにやってんだか・・・」
始めからそんなつもりなどないトージローに対して、全力で土下座をするというグルド達の茶番を眺めていたカレンは、続く今の騒動にも呆れたような表情を見せるばかり。
彼女はそれにもはや関係ないと言わんばかりに脇へと逸れると、トージローが放り出してしまった彼の剣を拾い上げていた。
「うわぁ、折角綺麗だったのに汚れちゃってんじゃんこれ・・・結構高かったんだから、もっとちゃんと扱ってよね。分かった、トージロー?」
「ほぁ?それよりお嬢ちゃん、飯はまだかいのぅ?」
「はいはい、分かったから。もうちょっと待っててね、お爺ちゃん」
圧倒的な力によって振るわれた剣は、彼の身体と同じように返り血一つ浴びていなかった。
しかし適当に放り出されていたそれは、周囲の地面に広がった血に塗れて、その表面を汚してしまっている。
それを拾い上げたカレンは、顔を顰めてはその扱いに対しトージローに文句を言っていた。
しかしそんな彼女の言葉にも、トージローはぼんやりと的外れな言葉を返すばかり。
「うわっ!?よく見たら、私も血塗れじゃない!?あー・・・これ、帰ったら洗濯地獄だなぁ」
トージローの胡乱な態度に諦めるように首を振ったカレンは、自らの身体を見下ろすとその有り様に驚きの声を上げる。
そこにはオーガトロルの返り血を浴び、真っ赤に染まった自らの身体があった。
それを目にして、カレンは俯くと深々と溜め息を吐く。
「はぁ・・・まぁでも、ようやく終わったんだな」
吐いた息も白く霞み、見上げた空には星が瞬いてる。
そんな景色を目にしながら、カレンはようやく初めての冒険が終わったことを噛みしめていた。
彼女が見上げる空の下では、グルド達が必死に松明を振るってはオーガトロルの再生を阻止しようと頑張っていた。
「おい、お前ら大丈夫か!?」
森を凄まじい勢いで駆け抜けた大剣を担いだ眼帯の男は、その木々の間を抜けて開口一番にそう叫ぶ。
しかし彼が、その先に目にした光景が予想もしないものであった。
「・・・何だ?一体、何が起きたんだ・・・?」
眼帯の冒険者が目にしたのは、彼が追っていた魔物オーガトロルの死体と、その前で佇む金色の髪の少女の姿だった。
「まさか・・・あの女の子が、あれを倒した・・・のか?」
眼帯の冒険者は目にする、オーガトロルの死体の前に佇む少女を。
そして明らかにその返り血に浴びた彼女の姿と、その手が握りしめている血塗れの剣を。
0
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる