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ハロルドは意地を貫き通す 2
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(僕が使える魔法、その中でも威力が高いものは何だ?風の魔法で切り裂く?駄目だ、相手は骨だけの存在だぞ?風の刃で切りつけても大してダメージがあるとも思えない。水の力で押し流すか?いやそれも難しい。まともに照準をつけられない今の状態じゃ水流が散逸するばかりで、十分な威力を出せはしないさ)
自らの扱える魔法の中から最も有効なものを選択しようとする、ハロルドの思考は短い。
それはその間にも、スケルトンの攻撃が彼の身体を叩き続けているからだ。
「ハロルド!!この、このぉ!!こっち向けよぉ!!」
「アイリス!そんな事より僕を癒してくれ、痛みで集中出来ない!!」
覚悟を決めたハロルドを説得できないと悟ったアイリスは、それでもスケルトンの注意を少しでもこちらに向けようと、杖を振るい続ける。
彼女のそんな行動に、ハロルドが掛けた声はその本心から出たものか、それとも彼女へとスケルトンの意識を向かわせないためか。
少なくとも長い時間殴られ続けた彼の痛覚は、とっくに麻痺してしまっていた。
「で、でもっ!!」
「・・・頼むよ、アイリス」
「う、う゛ん・・・わがった、わがったよぅ」
ハロルドの願いに躊躇いを見せたアイリスは、彼の縋るような表情に涙ながらに頷いていた。
誰かを殴るためではなく握る手は、その杖をそっと包み込む。
目蓋を閉じたアイリスが握った杖からはうっすらと光が漏れ始め、それはハロルドへと伸びていく。
傷が癒え、痛みが引いてようやく、ハロルドはその麻痺した感覚を思い出していた。
(痛てて・・・あぁ、でも暖かいな。君の魔法は、優しいね。そんな君を・・・傷つけさせはしない)
その痛みは、生存を伝える感覚か。
握った手の平に力が戻っていく感覚は、痛みが奔った後にやってくる。
ハロルドはその痛みに身体を震わさせながら、彼女を守って見せると改めて覚悟を強くしていた。
(炎の魔法はどうだ?アンデッドは火に弱いと聞いたことがある、スケルトンもそうだろうか。こんな骨だけの身体に、火が有効?信じていいのか・・・?くそっ、知識だけを憶えても実践となればこれだっ!)
アンデッドが火に弱いというは、いつか本で読んだことがある。
その知識を思い出したハロルドはしかし、目の前の骨だけの存在に本当にそれが正しいのかと逡巡してしまっていた。
「ハロルド!まだかっ!?もう・・・持たないぞ!!」
ハロルドが迷っている間にも、状況は悪化していっている。
二体のスケルトンを組み敷いていた筈のクリスは、いつかその立場を逆転されており、苦しそうな表情で助けを求めていた。
彼を組み敷いているスケルトンは一体だけだ。
得物を失った彼は大して脅威ではないと判断したのか、もう一体のスケルトンはゆっくりとハロルド達の方へと向かい始めていた。
自らの扱える魔法の中から最も有効なものを選択しようとする、ハロルドの思考は短い。
それはその間にも、スケルトンの攻撃が彼の身体を叩き続けているからだ。
「ハロルド!!この、このぉ!!こっち向けよぉ!!」
「アイリス!そんな事より僕を癒してくれ、痛みで集中出来ない!!」
覚悟を決めたハロルドを説得できないと悟ったアイリスは、それでもスケルトンの注意を少しでもこちらに向けようと、杖を振るい続ける。
彼女のそんな行動に、ハロルドが掛けた声はその本心から出たものか、それとも彼女へとスケルトンの意識を向かわせないためか。
少なくとも長い時間殴られ続けた彼の痛覚は、とっくに麻痺してしまっていた。
「で、でもっ!!」
「・・・頼むよ、アイリス」
「う、う゛ん・・・わがった、わがったよぅ」
ハロルドの願いに躊躇いを見せたアイリスは、彼の縋るような表情に涙ながらに頷いていた。
誰かを殴るためではなく握る手は、その杖をそっと包み込む。
目蓋を閉じたアイリスが握った杖からはうっすらと光が漏れ始め、それはハロルドへと伸びていく。
傷が癒え、痛みが引いてようやく、ハロルドはその麻痺した感覚を思い出していた。
(痛てて・・・あぁ、でも暖かいな。君の魔法は、優しいね。そんな君を・・・傷つけさせはしない)
その痛みは、生存を伝える感覚か。
握った手の平に力が戻っていく感覚は、痛みが奔った後にやってくる。
ハロルドはその痛みに身体を震わさせながら、彼女を守って見せると改めて覚悟を強くしていた。
(炎の魔法はどうだ?アンデッドは火に弱いと聞いたことがある、スケルトンもそうだろうか。こんな骨だけの身体に、火が有効?信じていいのか・・・?くそっ、知識だけを憶えても実践となればこれだっ!)
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その知識を思い出したハロルドはしかし、目の前の骨だけの存在に本当にそれが正しいのかと逡巡してしまっていた。
「ハロルド!まだかっ!?もう・・・持たないぞ!!」
ハロルドが迷っている間にも、状況は悪化していっている。
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彼を組み敷いているスケルトンは一体だけだ。
得物を失った彼は大して脅威ではないと判断したのか、もう一体のスケルトンはゆっくりとハロルド達の方へと向かい始めていた。
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