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初めてのお客様
シーサーペントとの戦い 3
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「ちっ、松明が・・・もうこれしかない、今度は失くすなよ!」
「またかよ!?っとと・・・これ、何の意味があるんだ?」
炎が消えてしまっただけではなく、火をつける部分を切り落とされてしまった松明に、舌打ちを漏らしたハロルドは、荷物から新たな松明を取り出すとそれに火をつける。
これが最後だと言いながらそれを放ってきたハロルドに、クリスは文句を言いながらもそれを受け止めていた。
「あれも魚の一種なら、それほど目は良くない筈。でも、狙いはやけに正確だ。なら別のもので狙いをつけているんだと思う。それが音なのか、熱なのか・・・もっと別のものなのかは分からないけど」
「あん?それじゃ、俺は囮かよ!?」
再三、松明を渡してくるハロルドに、クリスはその意図を尋ねていた。
その問いに、ハロルドはシーサーペントの生体についての推測を述べていた。
彼の解説に頷きを返していたクリスも、その言葉の終りまで聞けば、自らを囮にしようとしているハロルドの意図に気づくことも出来る。
「これしかないんだ、仕方ないだろ!!大体、君が湖ではしゃぐからこうなったんだぞ!!」
「はいはい、悪うございましたね!悪いがなぁ、こちとらそんな事憶えてねぇんだよ!!」
囮にされたことに不満の声を上げるクリスに、ハロルドは君が原因なんだからそれぐらいしろと叫んでいる。
彼の指摘にも、クリスの不満が治まることはない。
何故なら、彼にはその時の記憶など失ってしまっているのだから。
「囮なら、私がやる!!」
いがみ合う彼らに、痺れを切らしたようにアイリスが声を上げていた。
彼女はその杖で強く地面を叩くと、それをシーサーペントへと向けている。
その瞳には、はっきりとした闘志が漲っていた。
「駄目だ、アイリス!君は下がってろ!!」
「で、でも・・・」
戦う意思を見せるアイリスに、ハロルドはすぐさま否定の言葉を告げていた。
彼の強い口調に気圧される様子を見せたアイリスは、それでもその場から退こうとはしなかった。
「君がやられたら、誰が僕達を癒す!?君は生き残るのが仕事なんだ!ここは僕達に任せてくれ!!」
「それは・・・うぅ、分かった、分かったよ!二人とも、死なないでね!!」
何としてもアイリスを下がらせたいハロルドは、自分達の命を人質に彼女を言い包める。
ハロルドの言葉に反論を見つけられないアイリスは、悔しそうに言葉を飲み込むと涙ながらに頷いていた。
彼女はクリス達が散らかした荷物を掻き集めると、そのまま通路へと向かって駆け出していく。
「・・・あれの攻撃を食らったら、アイリスの回復魔法なんて意味ないだろ?」
「・・・直撃じゃなければ、生き残る可能性は上がる。別に嘘はついてないだろ!」
「はいはい」
強力すぎるシーサーペントの攻撃は、彼らの命など一撃で奪ってしまうだろう。
それを考えればアイリスを避難させた所で、何の意味もない。
そう指摘するクリスに、ハロルドは無理のある言い訳で対抗しようとしていた。
そんなハロルドの様子にクリスは肩を竦めて見せていたが、別に彼もその判断に反対だった訳ではないだろう。
「またかよ!?っとと・・・これ、何の意味があるんだ?」
炎が消えてしまっただけではなく、火をつける部分を切り落とされてしまった松明に、舌打ちを漏らしたハロルドは、荷物から新たな松明を取り出すとそれに火をつける。
これが最後だと言いながらそれを放ってきたハロルドに、クリスは文句を言いながらもそれを受け止めていた。
「あれも魚の一種なら、それほど目は良くない筈。でも、狙いはやけに正確だ。なら別のもので狙いをつけているんだと思う。それが音なのか、熱なのか・・・もっと別のものなのかは分からないけど」
「あん?それじゃ、俺は囮かよ!?」
再三、松明を渡してくるハロルドに、クリスはその意図を尋ねていた。
その問いに、ハロルドはシーサーペントの生体についての推測を述べていた。
彼の解説に頷きを返していたクリスも、その言葉の終りまで聞けば、自らを囮にしようとしているハロルドの意図に気づくことも出来る。
「これしかないんだ、仕方ないだろ!!大体、君が湖ではしゃぐからこうなったんだぞ!!」
「はいはい、悪うございましたね!悪いがなぁ、こちとらそんな事憶えてねぇんだよ!!」
囮にされたことに不満の声を上げるクリスに、ハロルドは君が原因なんだからそれぐらいしろと叫んでいる。
彼の指摘にも、クリスの不満が治まることはない。
何故なら、彼にはその時の記憶など失ってしまっているのだから。
「囮なら、私がやる!!」
いがみ合う彼らに、痺れを切らしたようにアイリスが声を上げていた。
彼女はその杖で強く地面を叩くと、それをシーサーペントへと向けている。
その瞳には、はっきりとした闘志が漲っていた。
「駄目だ、アイリス!君は下がってろ!!」
「で、でも・・・」
戦う意思を見せるアイリスに、ハロルドはすぐさま否定の言葉を告げていた。
彼の強い口調に気圧される様子を見せたアイリスは、それでもその場から退こうとはしなかった。
「君がやられたら、誰が僕達を癒す!?君は生き残るのが仕事なんだ!ここは僕達に任せてくれ!!」
「それは・・・うぅ、分かった、分かったよ!二人とも、死なないでね!!」
何としてもアイリスを下がらせたいハロルドは、自分達の命を人質に彼女を言い包める。
ハロルドの言葉に反論を見つけられないアイリスは、悔しそうに言葉を飲み込むと涙ながらに頷いていた。
彼女はクリス達が散らかした荷物を掻き集めると、そのまま通路へと向かって駆け出していく。
「・・・あれの攻撃を食らったら、アイリスの回復魔法なんて意味ないだろ?」
「・・・直撃じゃなければ、生き残る可能性は上がる。別に嘘はついてないだろ!」
「はいはい」
強力すぎるシーサーペントの攻撃は、彼らの命など一撃で奪ってしまうだろう。
それを考えればアイリスを避難させた所で、何の意味もない。
そう指摘するクリスに、ハロルドは無理のある言い訳で対抗しようとしていた。
そんなハロルドの様子にクリスは肩を竦めて見せていたが、別に彼もその判断に反対だった訳ではないだろう。
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