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勇者がダンジョンにやってくる!
勇者リタ・エインズリー 3
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「お、おいリタ!?どこに行くんだ!?」
「逃げるよ、マーカス!早くしないと、置いてっちゃうよー!!」
脈絡もなく突然逃亡を開始したリタの姿に、それを望んでいたのにもかかわらず、男は訳が分からずに戸惑ってしまっている。
気づけば、マーカスと呼ばれたその若い神官の横をリタは通り過ぎていた。
彼女が通り過ぎた後からは、怒り狂った様子の魔物達が大挙して押し寄せてくる。
「・・・は?マジで?」
気楽な様子で駆けていくリタは、物凄いスピードで遠ざかっていっている。
後に残されたのは、ぽかんとした表情で佇んでいるマーカスと、リタに逃げられてしまった怒りを彼にぶつけようとしている魔物達だけであった。
「っ!?マジかよぉぉぉぉぉ、ひぃぃぃぃぃぃっっ!!?」
もはや目の前へと迫りつつある魔物達の姿に、流石に状況を理解したマーカスは悲痛な叫び声を上げると全速力で逃げ出し始める。
その速度は意外な事に、先に進むリタに勝るとも劣らない。
それは命の危機に、リミッターが外れたゆえの速度だろうか。
その両目から涙を流しながら駆けている彼は、気づけばリタのすぐ後ろにまで追いついていた。
「あははっ!凄い凄い!!マーカス、やれば出来るじゃん!!」
「ひぃぃぃぃっ、もうやだぁあぁあぁぁぁ!!!」
マーカスがリタに追いついたのは、彼女がその足を緩めたからだろう。
彼の隣へと並んで並走を開始したリタは、マーカスの思わぬ身体能力に笑顔で賞賛の言葉を掛けている。
しかし彼はそれ所ではないようで、この世の絶望を嘆くような声を上げながら、全力で走り続けていた。
「これぐらい、いっつも出来たらなぁ・・・よい、しょっと」
気を抜けば置いていかれてしまいそうなマーカスのスピードに、リタは残念そうに溜め息をついている。
彼女は後ろを振り返ると、その手に握った大剣を振り上げていた。
それを振り上げると共に大きく飛び上がった彼女は、それで通路の天井を切り裂いてみせる。
新鮮なバターのように切り裂かれた天井は、すぐに崩れ落ちて彼女達へと続く道を塞いでいる。
その下には、彼女達へと迫ろうとしていた足の速い魔物達が数匹、押し潰されてしまっていた。
「ごめんね、ボクはここで死ぬ訳にはいかないんだ」
直接戦う事もなく命を奪ってしまった魔物達の姿に、リタは僅かに悲しそうに目を伏せていた。
その呟いた言葉からは、何か強い使命のようなものが感じられた。
「ボクは・・・ボクは勇者だから」
その手に聖剣アストライアを握る少女、リタ・エインズリーはそう静かに呟いていた。
彼女はその肩に聖剣を担ぎ直すと、もはや彼女の事を省みもせずに駆けていったマーカスの後を追って駆け出していく。
そうして勇者リタ・エインズリーの冒険は、今日も失敗に終わってしまっていた。
「逃げるよ、マーカス!早くしないと、置いてっちゃうよー!!」
脈絡もなく突然逃亡を開始したリタの姿に、それを望んでいたのにもかかわらず、男は訳が分からずに戸惑ってしまっている。
気づけば、マーカスと呼ばれたその若い神官の横をリタは通り過ぎていた。
彼女が通り過ぎた後からは、怒り狂った様子の魔物達が大挙して押し寄せてくる。
「・・・は?マジで?」
気楽な様子で駆けていくリタは、物凄いスピードで遠ざかっていっている。
後に残されたのは、ぽかんとした表情で佇んでいるマーカスと、リタに逃げられてしまった怒りを彼にぶつけようとしている魔物達だけであった。
「っ!?マジかよぉぉぉぉぉ、ひぃぃぃぃぃぃっっ!!?」
もはや目の前へと迫りつつある魔物達の姿に、流石に状況を理解したマーカスは悲痛な叫び声を上げると全速力で逃げ出し始める。
その速度は意外な事に、先に進むリタに勝るとも劣らない。
それは命の危機に、リミッターが外れたゆえの速度だろうか。
その両目から涙を流しながら駆けている彼は、気づけばリタのすぐ後ろにまで追いついていた。
「あははっ!凄い凄い!!マーカス、やれば出来るじゃん!!」
「ひぃぃぃぃっ、もうやだぁあぁあぁぁぁ!!!」
マーカスがリタに追いついたのは、彼女がその足を緩めたからだろう。
彼の隣へと並んで並走を開始したリタは、マーカスの思わぬ身体能力に笑顔で賞賛の言葉を掛けている。
しかし彼はそれ所ではないようで、この世の絶望を嘆くような声を上げながら、全力で走り続けていた。
「これぐらい、いっつも出来たらなぁ・・・よい、しょっと」
気を抜けば置いていかれてしまいそうなマーカスのスピードに、リタは残念そうに溜め息をついている。
彼女は後ろを振り返ると、その手に握った大剣を振り上げていた。
それを振り上げると共に大きく飛び上がった彼女は、それで通路の天井を切り裂いてみせる。
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その下には、彼女達へと迫ろうとしていた足の速い魔物達が数匹、押し潰されてしまっていた。
「ごめんね、ボクはここで死ぬ訳にはいかないんだ」
直接戦う事もなく命を奪ってしまった魔物達の姿に、リタは僅かに悲しそうに目を伏せていた。
その呟いた言葉からは、何か強い使命のようなものが感じられた。
「ボクは・・・ボクは勇者だから」
その手に聖剣アストライアを握る少女、リタ・エインズリーはそう静かに呟いていた。
彼女はその肩に聖剣を担ぎ直すと、もはや彼女の事を省みもせずに駆けていったマーカスの後を追って駆け出していく。
そうして勇者リタ・エインズリーの冒険は、今日も失敗に終わってしまっていた。
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