オッドアイの守り人

小鷹りく

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第二部 オッドアイの行方ー失われた記憶を求めて

作戦練り直し

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駅からホテルまでやっと捕まえたタクシーで戻ったが、車の窓から見る限り駅周辺の店は全て閉められていた。この騒ぎでは何が起きるか分からないのだから当然の判断だ。

 ホテルに入り、ロビーで待とうとしたがそこはゲストでいっぱいだった。恐らくこの騒ぎで電車に乗れなかった人もいるだろうし、ホテルから出るのを躊躇ったりして悩んでいる人も多いだろう。多くの人が携帯やスマホ片手に身振り手振りでホテルの窓から外を見ながら話している。私は座る席も見当たらないので、ロビーの端で二人を待つ。

 ホテルのエントランスを見つめていると東が戻ってくるのが見えた。

「東!大丈夫だったか?」

「染谷さんこそ、大丈夫でしたか?」

「私は問題ない。帰りは裏道からタクシーに遠回りして貰って帰ってきた。」

「私もです。大通りは人が多過ぎて時間が掛かるって言われました。」

「こんなに大規模なデモになるなんて、春成様にもっと詳しく聞いておくんだったな…。」

「朝ホテルを出た時は、今日はやけに人が多いなぁ、くらいだったのに…。」

「デモはどれくらい続くんだろうな…。」

「…私ちょっとフロントの人に聞いてきます。」

 東はフロントにいる現地人らしき容姿の男性に話しかけに行った。彼女と同じように情報を求める人達がフロントに集まってきている。

 待っている間に石原が走って戻ってきた。ハァハァと息を切らして、全速力で帰ってきたようだ。

「染谷様、東は⁈」
「もう帰ってきてるよ、今フロントでデモの情報を聞いている所だ。」

 そう聴くと石原も急いでフロントへ足を運んだ。東が心配だったんだろう、話している東を振り向かせて、まるで迷子を見つけた親のようにホッとしている。

 ——そうだ、武術とコミュニケーション能力に長けていると言えど女性だし、大切な恋人なんだ。さぞ心配だったのだろう…。何だか二人に申し訳ない気分になる。ちゃんと朝ニュースを見ておけば良かった。
 そして東を心配する彼を見ていて何故か自分の姿が彼に重なって見える。

 …私も始めはどんな情報でも聞けば現地へ赴いて海静様の行方を捜し求めていた。記憶をなくしたての頃はそれは必死に足を棒にして探し回ったものだった。私はいつ頃から苛立ちを覚え出したのだろう…。二人の存在を改めてありがたく思う。二人が居なければ私はまだ日本で燻っていただろうから。

 話を聞き取り終わり、二人がフロントから戻ってくる。

 東「このデモ昨日から始まったらしいですよ。容疑者引渡法の条例改正案が採決されるからそれに対して学生達が反対運動を起こしているそうです。でもいつ終わるかは見当もつかないって。」

 染「そうか、春成様はこれをご存知だったんだな…。ちょっと人が多すぎるから部屋へ戻って作戦を練り直そうか。」




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