30 / 96
閑話5
しおりを挟む
とある大人達の会話
「うちの子達が、ダンジョンの中で若い探索者を襲って捕まったのはご存知だと思いますが、なんとか処罰を受けないで社会復帰する事は出来ないでしょうか?」
「難しいですね。今回お子さん達が立件された事は、殺人未遂、強盗未遂、銃刀法違反の3つですが、被害者の方が被害届けを出されたのではなく、迷宮機動隊の目の前で罪を犯されています。探索者の犯罪は発覚した時点で懲役が決まる現行の法制度は、探索者になる際に講習で習うのですが、お子さん達もそれを知った上での犯行で、しかも現行犯逮捕です。守り様がありません」
中年女性の投げ掛けに、スーツを着た中年男性は答えた。
どうやら中年女性は、ダンジョン犯罪を犯した容疑者の母親の様で、スーツを着た中年男性は弁護士の様だ。
「魔が刺したとは言え、大学生だった子達が10年以上も服役をしないといけないのは親として見過ごせません」
ワイドショーやドラマで良く見る、加害者の身内が被害者ぶるあの光景だ。
「そう言われても、迷宮機動隊の目の前での犯行に加え、犯行の一部始終を迷宮機動隊が撮影していて、証拠も残っています。こちらとしましても、減刑を働きかける事が精一杯です。その減刑すら認められるかは定かでは無いですが・・・」
弁護士はそう答えた。
弁護士としては私選弁護案件として受けたのは良かったが、100%負け戦になる争いは避けたい所だった。
「被害者の方に金銭で賠償するので、なんとか穏便に済ませて貰う様言って貰えませんか?未来のあるうちの子や、未来のあるうちの子の友人達がこんな事で将来を棒に振るのは納得出来ません!」
弁護士は思った、『こいつモンスターペアレントだ・・・』と。
「そう言われましても、お子さん達が『殺す』と言って命を奪おうとした被害者の方にも明るい未来があったんですよ?被害者の方に歩み寄らずに、自分の子どもやその友人達の将来だけを心配されるのですか?」
弁護士はイラ立っていた。
「それでも我が子を守りたいのです!被害者の方がうちの子の言う事を受け入れていれば、こんな事にはならなかったはずです。そう考えたら、本当の被害者はうちの子達です!」
この母親、話が通じない。
「わかりました。職務として、被害者の方に減刑、もしくは罰しないで欲しいと嘆願して貰える様に交渉はします。ですが、期待はしないでください。今回の件は、こちらの道理を通せる立場ではありません。それをご理解いただけるであれば、被害者の方と交渉をさせていただきます」
弁護士は母親にそう伝えた。
母親は渋々了承し、弁護士に追加で動いて貰う為に、裁判の弁護に加えて子ども達の減刑の為の仕事を依頼したのであった。
「うちの子達が、ダンジョンの中で若い探索者を襲って捕まったのはご存知だと思いますが、なんとか処罰を受けないで社会復帰する事は出来ないでしょうか?」
「難しいですね。今回お子さん達が立件された事は、殺人未遂、強盗未遂、銃刀法違反の3つですが、被害者の方が被害届けを出されたのではなく、迷宮機動隊の目の前で罪を犯されています。探索者の犯罪は発覚した時点で懲役が決まる現行の法制度は、探索者になる際に講習で習うのですが、お子さん達もそれを知った上での犯行で、しかも現行犯逮捕です。守り様がありません」
中年女性の投げ掛けに、スーツを着た中年男性は答えた。
どうやら中年女性は、ダンジョン犯罪を犯した容疑者の母親の様で、スーツを着た中年男性は弁護士の様だ。
「魔が刺したとは言え、大学生だった子達が10年以上も服役をしないといけないのは親として見過ごせません」
ワイドショーやドラマで良く見る、加害者の身内が被害者ぶるあの光景だ。
「そう言われても、迷宮機動隊の目の前での犯行に加え、犯行の一部始終を迷宮機動隊が撮影していて、証拠も残っています。こちらとしましても、減刑を働きかける事が精一杯です。その減刑すら認められるかは定かでは無いですが・・・」
弁護士はそう答えた。
弁護士としては私選弁護案件として受けたのは良かったが、100%負け戦になる争いは避けたい所だった。
「被害者の方に金銭で賠償するので、なんとか穏便に済ませて貰う様言って貰えませんか?未来のあるうちの子や、未来のあるうちの子の友人達がこんな事で将来を棒に振るのは納得出来ません!」
弁護士は思った、『こいつモンスターペアレントだ・・・』と。
「そう言われましても、お子さん達が『殺す』と言って命を奪おうとした被害者の方にも明るい未来があったんですよ?被害者の方に歩み寄らずに、自分の子どもやその友人達の将来だけを心配されるのですか?」
弁護士はイラ立っていた。
「それでも我が子を守りたいのです!被害者の方がうちの子の言う事を受け入れていれば、こんな事にはならなかったはずです。そう考えたら、本当の被害者はうちの子達です!」
この母親、話が通じない。
「わかりました。職務として、被害者の方に減刑、もしくは罰しないで欲しいと嘆願して貰える様に交渉はします。ですが、期待はしないでください。今回の件は、こちらの道理を通せる立場ではありません。それをご理解いただけるであれば、被害者の方と交渉をさせていただきます」
弁護士は母親にそう伝えた。
母親は渋々了承し、弁護士に追加で動いて貰う為に、裁判の弁護に加えて子ども達の減刑の為の仕事を依頼したのであった。
33
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
東京ダンジョン物語
さきがけ
ファンタジー
10年前、世界中に突如として出現したダンジョン。
大学3年生の平山悠真は、幼馴染の綾瀬美琴と共に、新宿中央公園ダンジョンで探索者として活動していた。
ある日、ダンジョン10階層の隠し部屋で発見した七色に輝く特殊なスキルストーン。
絶体絶命の危機の中で発動したそれは、前代未聞のスキル『無限複製』だった。
あらゆる物を完全に複製できるこの力は、悠真たちの運命を大きく変えていく。
やがて妹の病を治すために孤独な戦いを続ける剣士・朝霧紗夜が仲間に加わり、3人は『無限複製』の真の可能性に気づき始める。
スキルを駆使して想像を超える強化を実現した彼らは、誰も到達できなかった未踏の階層へと挑んでいく。
無限の可能性を秘めた最強スキルを手に、若き探索者たちが紡ぐ現代ダンジョンファンタジー、ここに開幕!
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます――
金さえあれば人生はどうにでもなる――
そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。
交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。
しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。
だがその力は、本来存在してはいけないものだった。
知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。
その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在――
「世界を束ねる管理者」
神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。
巻き込まれたくない。
戦いたくもない。
知里が望むのはただ一つ。
金を稼いで楽して生きること。
しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。
守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。
金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる
巻き込まれ系異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる