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応接室に入って来た四名は、先に青笹さんと錦織さんが下の方に避け、森田が挨拶をする様子だったので、俺も席を立って挨拶に応じる態勢をとった。
「ご無沙汰しております。協会本部の森田です。本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。こちらは協会の理事を務めております石飛と申します」
森田は挨拶をすると、横に立っている中年オヤジの紹介をして来た。
「君が桜ダンジョンの黒級か。私は協会本部理事の横澤だ。君には色々と聞きたい事があったのでわざわざ本部から出向いて来た。まっ座りたまえ」
見た目通り肩書きも態度もかなり偉そうである。
言われるがまま座り、協会側も錦織さんを残して着席した。
まず初めに口を開いたのは青笹さんだった。
「昨日はイレギュラー対応に向かっていただきありがとうございました。安達さんが一人で迎撃に向かってくださったお陰で、探索者や職員に一人の怪我人も出さずに事態を収束させる事が出来ました」
青笹さんがそう言い終わると、横澤を除いた三名が一斉に頭を下げて来た。
そして青笹さんの話は続く。
「本来であれば報酬の条件を先にお話しさせていただかなければなりませんでしたが、緊急性が高く先に迎撃に向かっていただく事になってしまいました。報酬の話が後出しになってしまって申し訳ないのですが、今回のイレギュラー迎撃の報酬として、1000万円お支払いさせていただきます。決して多くはないのですが、なにぶん協会で規定されている報酬金額ですので、ご理解とご納得いただけると・・・」
金額は問題ではない。
今回は戦闘も無く、逆に新たな従魔を獲得したので、本音を言えば報酬は無くても良かった。
「その額で構いません。ありがとうございます」
俺がそう答えると、横澤が口を挟んで来た。
「まだ成人もしていない若僧に1000万円もくれてやるんだ。こんな若僧には十分過ぎる金だろう。本人もそれで良いと言ってるんだから、早く報酬の支払いを済ませてくれ。私も彼には大切な話があるからな」
横澤はそう言うと、錦織さんに支払い処理をさせる為に部屋から出る様、手で合図をした。
錦織さんが退室すると、横澤が話を始めた。
「まず君には協会として謝罪をしなければならない。先日本部の職員が君に失礼をしたと聞いている。その件については申し訳なかった」
横澤がそう言うと、横澤を除いた二名が頭を下げて来た。
あれ?このオヤジは頭を下げないの?
俺がそう思っていると、横澤は話を続けて来た。
「だが君も本部の職員からの質問に答えないのはどうかと思うぞ。君が臍を曲げた事で、私の娘が処分を受ける事になってしまったからな。その件について私から君に賠償を求めたいが、まだまだ若い君には多額の賠償金は支払えないだろう?ここは一つ取引をしよう」
ダンジョン内で俺のスキルを聞いて来た本部職員の名前は確か横澤だった。
そして目の前にいるのも横澤・・・、そうか親子だったのか。
「取引内容は、これから君がダンジョン内で入手した、スキルオーブや特Sアイテムを全て私に差し出す事だ。代わりに私が君の後ろ盾になってやろう。協会本部の理事である私が後ろ盾になるのだ。悪い話ではないだろう」
横澤が訳の分からない事を言っているが、青笹さんも森田も黙って下を向いている。
協会本部の理事はそれだけの権力を持っているのだろうか?
「俺がその提案に乗ったとして、いくらで買い取ってくれるんですか?もちろん相場以上の金額を支払って貰えるんですよね?」
俺がそう言うと、横澤は大声で笑いだし、ひとしきり笑うと再び訳の分からない事を言い出す。
「何を言ってるのかね君は。これは娘と私への賠償だ。金など払う訳ないだろうが。君は賠償の意味を分かっているのかね?君のせいで娘は処分を受けて、キャリアに傷が付いた訳だ。娘のキャリアに傷が付くと、父親である私の出世にも響いて来る。それの償いを君がするのに、君に金など払う訳ないだろう!だが寛容な私は君の後ろ盾になってやると言っているのだ。君は黙って私にスキルオーブや特Sアイテムを差し出し続ければ良いのだ」
全くもって理解が出来ない。
探索者が秘密を明かさないのは、協会として認めている事だ。
それを横澤の娘に明かさなかった事で、俺が横澤親子に賠償をしなければならない意味が理解出来ない。
「君も探索者を続けたいのだろう?それであれば黙って私の言う事を聞いておく事だな。私に逆らうのなら、もしかすると明日には緑級にランクダウンしてるかもしれんぞ。それでも逆らうのかね?」
今度は脅して来た。
俺は青笹さんと森田を一度見てから、横澤の言葉に答えた。
「それが探索者協会の総意であるのなら、今回のお話しはお断りさせていただきます。俺からはこれ以上話す事もありませんし、これ以上貴方の話を聞くつもりもありません。ランクダウンをさせたいのならばご自由に。青笹さんや森田さんも横澤さんと同類だった様ですね。これ以上お話しする事はありませんので失礼させていただきます」
俺はそう言って席を立つと、横澤は俺を引き止める為「待ちたまえ!」と言っていたが、こんな理不尽な話を聞く為に協会関係者に時間を使いたくなかった。
俺は応接室を出る前に一言だけ横澤に言葉を残した。
「この会話、全て録音してありますから」と・・・。
イライラしたまま退室し、出口に向かって歩いていると、青笹さんと森田が追い掛けて来た。
二人とも「話を聞いてくれ」とか「あんな話だとは思っていなかった」、とか言って来たが俺には関係無い。
二人の事を無視して歩いていると、二人は受付カウンターが見える位置に差し掛かると、俺を引き止めるのを諦めた。
俺は受付カウンターに立ち寄り受付嬢に、「今後協会からの連絡は誰からであろうと受付ない」と青笹さんと錦織さんに伝える様頼んでからダンジョンゲートに向かう事にした。
八つ当たりも兼ねて、このダンジョンの探索記録を塗り替える為だ。
現在俺が到達しているのは7階層へと繋がる6階層階段室まで、そして桜ダンジョンの探索記録は9階層だ。
イライラ全開のバトルモードになっている俺は、ダンジョンショップで低級・中級・上級の回復薬を各5本購入し、ダンジョンゲートを潜った。
ダンジョン内に入ってからある程度歩いて周囲に人気が無くなると、俺は転移のスキルを使って6階層の階段室まで転移し、7階層へと降りて行った。
7階層に出現するモンスターは、スカイフィッシュ・魔イカ・デビルスカラップの3種類だそうだ。
スカイフィッシュと魔イカは既に登場しているので、説明不要だと思うが、デビルスカラップは初登場だ。
【デビルスカラップ:直径が50cmある巨大な貝型モンスター。ホタテを巨大にした様な見た目で、頑強な殻が持つ高い防御力と、高圧で吐き出す水流を推進力に使った体当たり攻撃をしてくる厄介なモンスター。ドロップ品はデビルスカラップが姿でドロップされる。焼き、刺身、炊き込みご飯と楽しみ方は無限大!】
例のサイト曰く、巨大な帆立貝の様だ。
ホタテは嫌いじゃない・・・、むしろ大好物だ!
今夜はホタテで晩御飯と決めた俺は、7階層を攻略する為に足を踏み出した。
「ご無沙汰しております。協会本部の森田です。本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。こちらは協会の理事を務めております石飛と申します」
森田は挨拶をすると、横に立っている中年オヤジの紹介をして来た。
「君が桜ダンジョンの黒級か。私は協会本部理事の横澤だ。君には色々と聞きたい事があったのでわざわざ本部から出向いて来た。まっ座りたまえ」
見た目通り肩書きも態度もかなり偉そうである。
言われるがまま座り、協会側も錦織さんを残して着席した。
まず初めに口を開いたのは青笹さんだった。
「昨日はイレギュラー対応に向かっていただきありがとうございました。安達さんが一人で迎撃に向かってくださったお陰で、探索者や職員に一人の怪我人も出さずに事態を収束させる事が出来ました」
青笹さんがそう言い終わると、横澤を除いた三名が一斉に頭を下げて来た。
そして青笹さんの話は続く。
「本来であれば報酬の条件を先にお話しさせていただかなければなりませんでしたが、緊急性が高く先に迎撃に向かっていただく事になってしまいました。報酬の話が後出しになってしまって申し訳ないのですが、今回のイレギュラー迎撃の報酬として、1000万円お支払いさせていただきます。決して多くはないのですが、なにぶん協会で規定されている報酬金額ですので、ご理解とご納得いただけると・・・」
金額は問題ではない。
今回は戦闘も無く、逆に新たな従魔を獲得したので、本音を言えば報酬は無くても良かった。
「その額で構いません。ありがとうございます」
俺がそう答えると、横澤が口を挟んで来た。
「まだ成人もしていない若僧に1000万円もくれてやるんだ。こんな若僧には十分過ぎる金だろう。本人もそれで良いと言ってるんだから、早く報酬の支払いを済ませてくれ。私も彼には大切な話があるからな」
横澤はそう言うと、錦織さんに支払い処理をさせる為に部屋から出る様、手で合図をした。
錦織さんが退室すると、横澤が話を始めた。
「まず君には協会として謝罪をしなければならない。先日本部の職員が君に失礼をしたと聞いている。その件については申し訳なかった」
横澤がそう言うと、横澤を除いた二名が頭を下げて来た。
あれ?このオヤジは頭を下げないの?
俺がそう思っていると、横澤は話を続けて来た。
「だが君も本部の職員からの質問に答えないのはどうかと思うぞ。君が臍を曲げた事で、私の娘が処分を受ける事になってしまったからな。その件について私から君に賠償を求めたいが、まだまだ若い君には多額の賠償金は支払えないだろう?ここは一つ取引をしよう」
ダンジョン内で俺のスキルを聞いて来た本部職員の名前は確か横澤だった。
そして目の前にいるのも横澤・・・、そうか親子だったのか。
「取引内容は、これから君がダンジョン内で入手した、スキルオーブや特Sアイテムを全て私に差し出す事だ。代わりに私が君の後ろ盾になってやろう。協会本部の理事である私が後ろ盾になるのだ。悪い話ではないだろう」
横澤が訳の分からない事を言っているが、青笹さんも森田も黙って下を向いている。
協会本部の理事はそれだけの権力を持っているのだろうか?
「俺がその提案に乗ったとして、いくらで買い取ってくれるんですか?もちろん相場以上の金額を支払って貰えるんですよね?」
俺がそう言うと、横澤は大声で笑いだし、ひとしきり笑うと再び訳の分からない事を言い出す。
「何を言ってるのかね君は。これは娘と私への賠償だ。金など払う訳ないだろうが。君は賠償の意味を分かっているのかね?君のせいで娘は処分を受けて、キャリアに傷が付いた訳だ。娘のキャリアに傷が付くと、父親である私の出世にも響いて来る。それの償いを君がするのに、君に金など払う訳ないだろう!だが寛容な私は君の後ろ盾になってやると言っているのだ。君は黙って私にスキルオーブや特Sアイテムを差し出し続ければ良いのだ」
全くもって理解が出来ない。
探索者が秘密を明かさないのは、協会として認めている事だ。
それを横澤の娘に明かさなかった事で、俺が横澤親子に賠償をしなければならない意味が理解出来ない。
「君も探索者を続けたいのだろう?それであれば黙って私の言う事を聞いておく事だな。私に逆らうのなら、もしかすると明日には緑級にランクダウンしてるかもしれんぞ。それでも逆らうのかね?」
今度は脅して来た。
俺は青笹さんと森田を一度見てから、横澤の言葉に答えた。
「それが探索者協会の総意であるのなら、今回のお話しはお断りさせていただきます。俺からはこれ以上話す事もありませんし、これ以上貴方の話を聞くつもりもありません。ランクダウンをさせたいのならばご自由に。青笹さんや森田さんも横澤さんと同類だった様ですね。これ以上お話しする事はありませんので失礼させていただきます」
俺はそう言って席を立つと、横澤は俺を引き止める為「待ちたまえ!」と言っていたが、こんな理不尽な話を聞く為に協会関係者に時間を使いたくなかった。
俺は応接室を出る前に一言だけ横澤に言葉を残した。
「この会話、全て録音してありますから」と・・・。
イライラしたまま退室し、出口に向かって歩いていると、青笹さんと森田が追い掛けて来た。
二人とも「話を聞いてくれ」とか「あんな話だとは思っていなかった」、とか言って来たが俺には関係無い。
二人の事を無視して歩いていると、二人は受付カウンターが見える位置に差し掛かると、俺を引き止めるのを諦めた。
俺は受付カウンターに立ち寄り受付嬢に、「今後協会からの連絡は誰からであろうと受付ない」と青笹さんと錦織さんに伝える様頼んでからダンジョンゲートに向かう事にした。
八つ当たりも兼ねて、このダンジョンの探索記録を塗り替える為だ。
現在俺が到達しているのは7階層へと繋がる6階層階段室まで、そして桜ダンジョンの探索記録は9階層だ。
イライラ全開のバトルモードになっている俺は、ダンジョンショップで低級・中級・上級の回復薬を各5本購入し、ダンジョンゲートを潜った。
ダンジョン内に入ってからある程度歩いて周囲に人気が無くなると、俺は転移のスキルを使って6階層の階段室まで転移し、7階層へと降りて行った。
7階層に出現するモンスターは、スカイフィッシュ・魔イカ・デビルスカラップの3種類だそうだ。
スカイフィッシュと魔イカは既に登場しているので、説明不要だと思うが、デビルスカラップは初登場だ。
【デビルスカラップ:直径が50cmある巨大な貝型モンスター。ホタテを巨大にした様な見た目で、頑強な殻が持つ高い防御力と、高圧で吐き出す水流を推進力に使った体当たり攻撃をしてくる厄介なモンスター。ドロップ品はデビルスカラップが姿でドロップされる。焼き、刺身、炊き込みご飯と楽しみ方は無限大!】
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