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『[あれ]とはなんの事でしょう?』
不死族の長からの質問に出て来たワード、[あれ]の事が何か分からず答えに困っていると、竜族の長が助け舟を出してくれた。
『不死族の長、あめり主様がお困りになる様な事を申してはいけません。あれは魔王様達がお戻りにならなければお教えする事が出来ませんので、魔王様のお戻りを待ちましょう』
竜族の長はそう言って不死族の長を窘めてくれるが、あれの正体が分からない俺は悶々としていた。
そもそも戦闘力も魔力も俺よりも遥かに高い魔族の、それも魔王や魔王軍四天王と呼ばれる傑物達が俺の従魔になっている事がおかしい。
カミュはたまたま弱っていた時に出会って、カミュとの戦いになんとか勝つ事が出来て従魔にした。
ウメちゃんは・・・、うん、魔王様の名誉の為にも触れずにおこう。
童子はウメちゃんに会う為に俺の従魔になったけど、オカンの料理と親父と酌み交わす酒に胃袋を掴まれて、従魔になり続ける事を選んだ。
・・・振り返って見ても[あれ]が何かが分からない。
潔く思考を止めた俺は、ウメちゃん達が戻るのを待つ事にした。
考える事を捨てた俺は手持ち無沙汰になったので、収納からテーブルセットを取り出して休憩する事にした。
そしてカセットコンロでお湯を沸かし、コーヒーを入れる用意をする。
「良かったらお二方も一緒にお茶にしませんか?」
竜族と不死族の長に声を掛けると、竜族は嬉しそうにこちらに小走りでやって来て、不死族は愚者が逃げない様に配下を呼び出して、愚者を拘束して監視させてからこちらにやって来た。
俺は人数分のコーヒーを入れ、コンビニで買っておいたコンビニスイーツを袋から出して、使い捨ての紙皿に乗せて二人の前に出した。
二人ともコーヒーもコンビニスイーツも初めてだった様で、コーヒーの香りに感動し、コーヒーの苦味に驚き、コンビニスイーツの美味しさに驚愕していた。
『不死族の長、これが[あれ]の一部です。ほんの一部ですが、いかがですか?』
竜族の長は不死族の長に、軽く[あれ]の説明をしてから質問をした。
『いやはやこれは凄いですね・・・。この様な甘い物は初めて食します。向こうの世界では甘い物は高級品、四天王と言えどここまで甘い物を食す事などありえません。そんな貴重な甘味をなんの躊躇いもなく振る舞ってくださる主様の器の大きさ、この不死族の長感服いたしました!』
コンビニスイーツを振る舞ったくらいで感動されても、正直困る。
だが不死族の長の言葉を聞いて、竜族の長は何度も頷いている。
それからは、竜族の長と不死族の長に色々と話を聞いて時間を潰した。
竜族の長は、エンシェントドラゴンと呼ばれる種族で、あちらの世界の全ての竜の頂点に立つ、それはそれは偉~い方らしい。
そして不死族の長は、ヴァンパイアの始祖と呼ばれる存在らしく、全ての不死族(ヴァンパイア、リッチ、ゴースト、その他諸々不気味な奴)の頂点に立つ存在であると。
ちなみにご本人は死なないだけで、まだ死んではいないナマモノとの事。
そんな凄い人達と同じテーブルに着き、コーヒータイムを楽しんでいると空間が切り裂かれて、その中から魔王とカミュと童子が出て来た。
「主様戻りました。人族には、宣戦布告を受け魔王軍と人族は戦争状態に突入したと伝えてきました。今ごろ対策に追われているのではないでしょうか?そもそも偉大なるお方が、焼け野原になった人族の国を復興させる為に力になって欲しいと言われて、主様の暮らされている日本にダンジョンゲートを出した事が全ての始まりでした」
魔王は戦争状態に突入した事を俺に告げ、それから日本にダンジョンが現れた背景と、何故ダンジョンを封鎖したのかを話始めた。
度重なる空襲と核兵器の使用により、焼け野原になってしまった日本。
追い打ちをかける様に、他国の者に占領され、日本の国力だけでは復興もままならなかった。
復興もままならないまま、占領統治を止めて他国の者は日本を去ったが、その後に残されたのは、一部復興はしているが、まだ瓦礫の多い街並みと、空腹に身を捩らせる国民の姿だった。
それを偶然見てしまった[偉大な方]は、その日本を不憫に思い、魔王にダンジョンゲートを日本に出現させる様相談を持ち掛けた。
魔王は[偉大な方]に委託されて、全てのダンジョンを支配し管理をしていたので、[偉大な方]の恩に報いる為にも、ダンジョンゲートを日本に出現させる事を引き受けた。
そのお陰で日本はダンジョン資源を独占し、復興を遂げる事が出来たのだが、いつの間にかダンジョンの管理者を日本政府と探索者協会が名乗る様になる。
しかしその様な小さい事を魔王は気にしていなかった。
平和的に且つ魔族に迷惑が掛からなければ、勝手に管理者を名乗らせても痛くも痒くもないからだ。
そもそもダンジョンは10階層を超えなければ、旨味は無いのだ。
浅い階層は魔族の子供が[おつかい]に行くレベルの、魔族的には難易度が低く安全な場所だからだ。
その安全な場所までは人族の自由にさせていた。
それ以降は10階層に配置した、ゲートキーパーに認められるか、倒さなければ進む事は出来なくしていた。
桜ダンジョンの10階層で出会った竜人族がソレだ。
だから人族がダンジョンの本当の深部に到達する可能性は限りなく低く、魔王サイドも人族の事など気にもとめていなかった。
だが、人族は一線を超えてしまった。
魔王と魔王軍の関係者である俺に危害を加えてしまったのだ。
それに怒った魔王軍四天王は、ダンジョンを封鎖した。
ダンジョン封鎖は魔王も認め、ダンジョンは正式な管理者であり支配者でもある、魔王の名のもとに封鎖された。
そして今に至る。
政府と探索者協会がどう動くのかは分からないが、いたずらに探索者を拘束するべきではないと考えた俺は、桜ダンジョン内に残っている探索者を地上に戻す事を魔王に伝えてみる事にした。
「ねぇウメちゃん。このダンジョンの中に残っている、俺とそこの愚者以外を地上に戻す事は出来るかな?このまま残しておくと、先々の交渉で面倒な事になりそうだし、邪魔にもなるでしょ?だから戻して貰えないかな?」
「構いませんよ。ですが条件があります!」
多くて数百人の命の代償はなんだ?
俺はウメちゃんの言葉で緊張してしまっている。
人一人の命でも、対価は莫大な物になる今の世の中、少なくて数十人、多くて数百人の命だ。
その対価は莫大な物になるだろう・・・。
俺はウメちゃんの次の言葉を待った・・・。
「不死族や竜族が食べた物と、ファントムナイトや奇人族が食べた物を作っていただけますか?先程地上から戻って来た時に、甘くて香ばしい香りが漂っていました。それに、ファントムナイトや鬼人族だけでなく、プライドの高い竜族までもが屈服した主様の手料理、私も食べて見たいです。叶えてくださるのなら、ダンジョン内に残った、有象無象の人族を地上に戻します」
どうやら料理とコンビニスイーツで、ダンジョン内に残った人族を地上に返してくれる様だ。
対価としては安過ぎる様に感じるが、日本政府は民間人に被害が出ると、無駄に逆上せる傾向があるから、戻しておいたに越した事は無い。
俺はウメちゃんの要望を受け入れ、手料理とコンビニスイーツを振る舞う事を決めた。
「分かったよ。用意するから、戻して貰ってもいい?戻しておけばこの先の交渉でも有利になるから」
俺がそう答えるとウメちゃんは、嬉しそうな笑顔で頷いて、何かをブツブツ呟いてから俺に話しかけて来た。
「主様、有象無象は地上に戻しました。お手伝いしますので、料理を始めましょう!」
やはり魔王軍御一行様は食い意地が張っていると思いながら、料理の準備を始める事にした。
不死族の長からの質問に出て来たワード、[あれ]の事が何か分からず答えに困っていると、竜族の長が助け舟を出してくれた。
『不死族の長、あめり主様がお困りになる様な事を申してはいけません。あれは魔王様達がお戻りにならなければお教えする事が出来ませんので、魔王様のお戻りを待ちましょう』
竜族の長はそう言って不死族の長を窘めてくれるが、あれの正体が分からない俺は悶々としていた。
そもそも戦闘力も魔力も俺よりも遥かに高い魔族の、それも魔王や魔王軍四天王と呼ばれる傑物達が俺の従魔になっている事がおかしい。
カミュはたまたま弱っていた時に出会って、カミュとの戦いになんとか勝つ事が出来て従魔にした。
ウメちゃんは・・・、うん、魔王様の名誉の為にも触れずにおこう。
童子はウメちゃんに会う為に俺の従魔になったけど、オカンの料理と親父と酌み交わす酒に胃袋を掴まれて、従魔になり続ける事を選んだ。
・・・振り返って見ても[あれ]が何かが分からない。
潔く思考を止めた俺は、ウメちゃん達が戻るのを待つ事にした。
考える事を捨てた俺は手持ち無沙汰になったので、収納からテーブルセットを取り出して休憩する事にした。
そしてカセットコンロでお湯を沸かし、コーヒーを入れる用意をする。
「良かったらお二方も一緒にお茶にしませんか?」
竜族と不死族の長に声を掛けると、竜族は嬉しそうにこちらに小走りでやって来て、不死族は愚者が逃げない様に配下を呼び出して、愚者を拘束して監視させてからこちらにやって来た。
俺は人数分のコーヒーを入れ、コンビニで買っておいたコンビニスイーツを袋から出して、使い捨ての紙皿に乗せて二人の前に出した。
二人ともコーヒーもコンビニスイーツも初めてだった様で、コーヒーの香りに感動し、コーヒーの苦味に驚き、コンビニスイーツの美味しさに驚愕していた。
『不死族の長、これが[あれ]の一部です。ほんの一部ですが、いかがですか?』
竜族の長は不死族の長に、軽く[あれ]の説明をしてから質問をした。
『いやはやこれは凄いですね・・・。この様な甘い物は初めて食します。向こうの世界では甘い物は高級品、四天王と言えどここまで甘い物を食す事などありえません。そんな貴重な甘味をなんの躊躇いもなく振る舞ってくださる主様の器の大きさ、この不死族の長感服いたしました!』
コンビニスイーツを振る舞ったくらいで感動されても、正直困る。
だが不死族の長の言葉を聞いて、竜族の長は何度も頷いている。
それからは、竜族の長と不死族の長に色々と話を聞いて時間を潰した。
竜族の長は、エンシェントドラゴンと呼ばれる種族で、あちらの世界の全ての竜の頂点に立つ、それはそれは偉~い方らしい。
そして不死族の長は、ヴァンパイアの始祖と呼ばれる存在らしく、全ての不死族(ヴァンパイア、リッチ、ゴースト、その他諸々不気味な奴)の頂点に立つ存在であると。
ちなみにご本人は死なないだけで、まだ死んではいないナマモノとの事。
そんな凄い人達と同じテーブルに着き、コーヒータイムを楽しんでいると空間が切り裂かれて、その中から魔王とカミュと童子が出て来た。
「主様戻りました。人族には、宣戦布告を受け魔王軍と人族は戦争状態に突入したと伝えてきました。今ごろ対策に追われているのではないでしょうか?そもそも偉大なるお方が、焼け野原になった人族の国を復興させる為に力になって欲しいと言われて、主様の暮らされている日本にダンジョンゲートを出した事が全ての始まりでした」
魔王は戦争状態に突入した事を俺に告げ、それから日本にダンジョンが現れた背景と、何故ダンジョンを封鎖したのかを話始めた。
度重なる空襲と核兵器の使用により、焼け野原になってしまった日本。
追い打ちをかける様に、他国の者に占領され、日本の国力だけでは復興もままならなかった。
復興もままならないまま、占領統治を止めて他国の者は日本を去ったが、その後に残されたのは、一部復興はしているが、まだ瓦礫の多い街並みと、空腹に身を捩らせる国民の姿だった。
それを偶然見てしまった[偉大な方]は、その日本を不憫に思い、魔王にダンジョンゲートを日本に出現させる様相談を持ち掛けた。
魔王は[偉大な方]に委託されて、全てのダンジョンを支配し管理をしていたので、[偉大な方]の恩に報いる為にも、ダンジョンゲートを日本に出現させる事を引き受けた。
そのお陰で日本はダンジョン資源を独占し、復興を遂げる事が出来たのだが、いつの間にかダンジョンの管理者を日本政府と探索者協会が名乗る様になる。
しかしその様な小さい事を魔王は気にしていなかった。
平和的に且つ魔族に迷惑が掛からなければ、勝手に管理者を名乗らせても痛くも痒くもないからだ。
そもそもダンジョンは10階層を超えなければ、旨味は無いのだ。
浅い階層は魔族の子供が[おつかい]に行くレベルの、魔族的には難易度が低く安全な場所だからだ。
その安全な場所までは人族の自由にさせていた。
それ以降は10階層に配置した、ゲートキーパーに認められるか、倒さなければ進む事は出来なくしていた。
桜ダンジョンの10階層で出会った竜人族がソレだ。
だから人族がダンジョンの本当の深部に到達する可能性は限りなく低く、魔王サイドも人族の事など気にもとめていなかった。
だが、人族は一線を超えてしまった。
魔王と魔王軍の関係者である俺に危害を加えてしまったのだ。
それに怒った魔王軍四天王は、ダンジョンを封鎖した。
ダンジョン封鎖は魔王も認め、ダンジョンは正式な管理者であり支配者でもある、魔王の名のもとに封鎖された。
そして今に至る。
政府と探索者協会がどう動くのかは分からないが、いたずらに探索者を拘束するべきではないと考えた俺は、桜ダンジョン内に残っている探索者を地上に戻す事を魔王に伝えてみる事にした。
「ねぇウメちゃん。このダンジョンの中に残っている、俺とそこの愚者以外を地上に戻す事は出来るかな?このまま残しておくと、先々の交渉で面倒な事になりそうだし、邪魔にもなるでしょ?だから戻して貰えないかな?」
「構いませんよ。ですが条件があります!」
多くて数百人の命の代償はなんだ?
俺はウメちゃんの言葉で緊張してしまっている。
人一人の命でも、対価は莫大な物になる今の世の中、少なくて数十人、多くて数百人の命だ。
その対価は莫大な物になるだろう・・・。
俺はウメちゃんの次の言葉を待った・・・。
「不死族や竜族が食べた物と、ファントムナイトや奇人族が食べた物を作っていただけますか?先程地上から戻って来た時に、甘くて香ばしい香りが漂っていました。それに、ファントムナイトや鬼人族だけでなく、プライドの高い竜族までもが屈服した主様の手料理、私も食べて見たいです。叶えてくださるのなら、ダンジョン内に残った、有象無象の人族を地上に戻します」
どうやら料理とコンビニスイーツで、ダンジョン内に残った人族を地上に返してくれる様だ。
対価としては安過ぎる様に感じるが、日本政府は民間人に被害が出ると、無駄に逆上せる傾向があるから、戻しておいたに越した事は無い。
俺はウメちゃんの要望を受け入れ、手料理とコンビニスイーツを振る舞う事を決めた。
「分かったよ。用意するから、戻して貰ってもいい?戻しておけばこの先の交渉でも有利になるから」
俺がそう答えるとウメちゃんは、嬉しそうな笑顔で頷いて、何かをブツブツ呟いてから俺に話しかけて来た。
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