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閑話14
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アジアの経済大国、日本の国会議事堂や、ダンジョン探索の拠点となっている探索者協会の施設が、魔王軍と名乗る勢力による攻撃を受けた。
国会議事堂は不運にも国会の会期中で、登院していた全ての国会議員とその関係者、全ての議事堂の関係者が攻撃を受け負傷する事態となり、一時的ではあるが、政治的空白を生じさせる事になった。
日本の友好国や周辺各国は独自に情報収集を行い、日本に起きている事態を把握する事に務めた。
断片的にではあるが、情報を入手した各国の動きは様々であった。
友好国であり、日本を実質的に占領した事のあるアメリカは、在日米軍に戦闘待機命令を出し、友好国の支援態勢を整えると共に、水面下で魔王軍との接触をする様に命令を受けたアメリカ政府関係者が、日本に向かってワシントンを飛び立った。
ダンジョンは莫大な利益を生み出す宝の山だ。
アメリカ政府は、この宝の山を手中にする為に動き出した。
お隣の中華人民共和国は、息のかかった総理大臣岸破に連絡を取るも、魔王軍による国会議事堂襲撃で負傷した様で、連絡が取れずにいた。
そこで下した判断は、人民解放軍の工作員を日本に送り込み、魔王軍と接触して、魔王軍と協調し日本を占領するという事だった。
歴史を歪曲し、日本を自国の一部だと思い込んでいる中国政府は、日本を占領して数千年振りに自国の一部に併合するという事を選んだ。
既に日本国内に入っている工作員に加え、本国から身分を偽った工作員が多数日本に向かう飛行機へと搭乗して行った。
そして人民解放軍には非常呼集がかかり、全力待機を命じられた。
遠く離れたEU諸国の盟主であり、日本との交流が深いイギリスは、今回起きた事態を静観する事を決めた。
内情の分からない事に対して、支援をするにも政府関係者との連絡が取れず、情報が少な過ぎるからだ。
万が一に備え、イギリス陸軍特殊部隊[SAS]に出動待機命令を出し、事態の流れを見守っていた。
そしてもう一つのお隣である大韓民国は、日本が魔王軍を名乗る勢力による攻撃を受けたとの報を受け、官民問わずお祭り騒ぎになっていた。
これを機に日本を韓国の一部にするべきだと、意気込んだ韓国政府は、情報収集もせずに日本へ軍事進行する命令を全軍へと通達する。
そして韓国軍は日本に向けて進行する準備に入った。
忘れてはならない、北の国。
北の国は「魔王軍は偉大なる将軍様が遣わした、将軍様の眷属であり、我が国の剣である!」と声明を出し、祝砲と言わんばかりにミサイルを日本海へと発射しまくった。
そして人民解放軍に日本進行の命令を下し、工作員にはこれを機に日本人を拉致しまくる様にと命令を出した。
一方で魔王軍は次の攻撃目標を、探索者協会本部と、全国にある探索者協会支部に定め、それを完遂する為の軍議を開いていた。
戦力的には魔王軍が圧倒的に優勢で、負ける要素は無い。
だが、無用な殺生はしない様にと魔王から厳命されている為、殺さずに無力化する手間をどの様にクリアするかの議論が中心となっていた。
そんな議論をしている中、地上に派遣した不死族の諜報員が入手した情報が、軍議を開いているテントの中に齎された。
『日本の周辺国が、この混乱に乗じて軍事行動をする模様』と・・・。
だがこんな事で動じる魔王軍ではない。
今回の戦争における魔王軍の敵は、日本政府や探索者協会ではなく、人族だからだ。
魔王軍にとっては、反抗勢力が増えただけであり、戦闘範囲が広がるだけの事である。
魔王は軍事行動をしようとしている国に、諜報員を派遣する様命じると、魔王城から自分の護衛をしている魔族を新たに呼び寄せた。
魔王に呼ばれた魔族は、魔王の主である人族の探索者の護衛をする様命じられ、命令を受けた魔族は護衛対象の人族の元へと急いだ。
そして軍議は続けられ、探索者協会支部の破壊と、新たな反抗勢力の情報収集並びに駆逐が命じられた。
理不尽な主張をし、愚かにも欲を出した探索者協会理事 横澤が日本に齎した混乱は、世界を巻き込む大きな戦火へと拡大しそうになってしまった。
ーーーーーーーーーー
その頃、渦中の探索者であるシンは、政府関係者への接触前の腹拵えの為にテントの外に出て、11階層で収穫して来たアッポルをアルミホイルで包んで焚き火に放り込み[焼きリンゴ]を作っていた。
アッポルが焼ける甘い香りに誘われて、シンの周りには多数の魔族が集まっている。
そしてシンは、アッポルをアルミホイルで包み、「焚き火でゆっくり火を通すと美味しくなるよ」と説明しながら、アルミホイルで包んだアッポルを集まった魔族に配っていた。
そんな光景を眺めながら、『この人族を護衛するのか・・・』と憂鬱になっている魔族が居た。
魔王が魔王城からシンの護衛の為に呼び寄せた魔族、[リリス]である。
リリスは焼きリンゴを作りながら、魔族にアッポルを配っているシンに近付き声を掛けた。
『魔王様から護衛を命じられましたリリスと申します。あなた様は何をされているのですか?』
「護衛?なんかすいません。お手数お掛けしますね・・・。この後やる事があるので、その前の腹拵えの為にアッポルで焼きリンゴを作ってます。良かったらリリスさんも食べます?」
こんな事態の中、なんとも緊張感の無い返答を返されたリリスは、正直この人族を護衛しなければならないのか・・・、と憂鬱になってしまった。
そんなリリスの憂鬱さを無視するかの様に、目の前の人族は焼きあがった焼きリンゴを「熱いうちに食べましょう」と手渡して来る。
魔王直々に護衛をする様言われた相手だ。
失礼な態度は取れない。
思うところがありありだったが、手渡された焼きリンゴを受け取り、食べてみると、魔界では食べた事が無い味がする。
思わず『美味しい・・・』と呟いてしまったリリスに向かって、「美味しいでしょう?皆で食べるから更に美味しいんですよ」と言って来た。
魔王に大切にされていたリリスではあったが、こんな胸の奥が温かくなる様な事を言われたのは初めてだった。
『魔王様がお護りする様に言われたのがわかる気がする・・・』
そう呟きながら、焼きリンゴを作ってくれた人族の横顔を見つめるリリスの頬は、ほんのりピンクに色付いてあた。
その後、匂いを嗅ぎ付けた魔王や四天王が襲来して来たのは言うまでも無い。
国会議事堂は不運にも国会の会期中で、登院していた全ての国会議員とその関係者、全ての議事堂の関係者が攻撃を受け負傷する事態となり、一時的ではあるが、政治的空白を生じさせる事になった。
日本の友好国や周辺各国は独自に情報収集を行い、日本に起きている事態を把握する事に務めた。
断片的にではあるが、情報を入手した各国の動きは様々であった。
友好国であり、日本を実質的に占領した事のあるアメリカは、在日米軍に戦闘待機命令を出し、友好国の支援態勢を整えると共に、水面下で魔王軍との接触をする様に命令を受けたアメリカ政府関係者が、日本に向かってワシントンを飛び立った。
ダンジョンは莫大な利益を生み出す宝の山だ。
アメリカ政府は、この宝の山を手中にする為に動き出した。
お隣の中華人民共和国は、息のかかった総理大臣岸破に連絡を取るも、魔王軍による国会議事堂襲撃で負傷した様で、連絡が取れずにいた。
そこで下した判断は、人民解放軍の工作員を日本に送り込み、魔王軍と接触して、魔王軍と協調し日本を占領するという事だった。
歴史を歪曲し、日本を自国の一部だと思い込んでいる中国政府は、日本を占領して数千年振りに自国の一部に併合するという事を選んだ。
既に日本国内に入っている工作員に加え、本国から身分を偽った工作員が多数日本に向かう飛行機へと搭乗して行った。
そして人民解放軍には非常呼集がかかり、全力待機を命じられた。
遠く離れたEU諸国の盟主であり、日本との交流が深いイギリスは、今回起きた事態を静観する事を決めた。
内情の分からない事に対して、支援をするにも政府関係者との連絡が取れず、情報が少な過ぎるからだ。
万が一に備え、イギリス陸軍特殊部隊[SAS]に出動待機命令を出し、事態の流れを見守っていた。
そしてもう一つのお隣である大韓民国は、日本が魔王軍を名乗る勢力による攻撃を受けたとの報を受け、官民問わずお祭り騒ぎになっていた。
これを機に日本を韓国の一部にするべきだと、意気込んだ韓国政府は、情報収集もせずに日本へ軍事進行する命令を全軍へと通達する。
そして韓国軍は日本に向けて進行する準備に入った。
忘れてはならない、北の国。
北の国は「魔王軍は偉大なる将軍様が遣わした、将軍様の眷属であり、我が国の剣である!」と声明を出し、祝砲と言わんばかりにミサイルを日本海へと発射しまくった。
そして人民解放軍に日本進行の命令を下し、工作員にはこれを機に日本人を拉致しまくる様にと命令を出した。
一方で魔王軍は次の攻撃目標を、探索者協会本部と、全国にある探索者協会支部に定め、それを完遂する為の軍議を開いていた。
戦力的には魔王軍が圧倒的に優勢で、負ける要素は無い。
だが、無用な殺生はしない様にと魔王から厳命されている為、殺さずに無力化する手間をどの様にクリアするかの議論が中心となっていた。
そんな議論をしている中、地上に派遣した不死族の諜報員が入手した情報が、軍議を開いているテントの中に齎された。
『日本の周辺国が、この混乱に乗じて軍事行動をする模様』と・・・。
だがこんな事で動じる魔王軍ではない。
今回の戦争における魔王軍の敵は、日本政府や探索者協会ではなく、人族だからだ。
魔王軍にとっては、反抗勢力が増えただけであり、戦闘範囲が広がるだけの事である。
魔王は軍事行動をしようとしている国に、諜報員を派遣する様命じると、魔王城から自分の護衛をしている魔族を新たに呼び寄せた。
魔王に呼ばれた魔族は、魔王の主である人族の探索者の護衛をする様命じられ、命令を受けた魔族は護衛対象の人族の元へと急いだ。
そして軍議は続けられ、探索者協会支部の破壊と、新たな反抗勢力の情報収集並びに駆逐が命じられた。
理不尽な主張をし、愚かにも欲を出した探索者協会理事 横澤が日本に齎した混乱は、世界を巻き込む大きな戦火へと拡大しそうになってしまった。
ーーーーーーーーーー
その頃、渦中の探索者であるシンは、政府関係者への接触前の腹拵えの為にテントの外に出て、11階層で収穫して来たアッポルをアルミホイルで包んで焚き火に放り込み[焼きリンゴ]を作っていた。
アッポルが焼ける甘い香りに誘われて、シンの周りには多数の魔族が集まっている。
そしてシンは、アッポルをアルミホイルで包み、「焚き火でゆっくり火を通すと美味しくなるよ」と説明しながら、アルミホイルで包んだアッポルを集まった魔族に配っていた。
そんな光景を眺めながら、『この人族を護衛するのか・・・』と憂鬱になっている魔族が居た。
魔王が魔王城からシンの護衛の為に呼び寄せた魔族、[リリス]である。
リリスは焼きリンゴを作りながら、魔族にアッポルを配っているシンに近付き声を掛けた。
『魔王様から護衛を命じられましたリリスと申します。あなた様は何をされているのですか?』
「護衛?なんかすいません。お手数お掛けしますね・・・。この後やる事があるので、その前の腹拵えの為にアッポルで焼きリンゴを作ってます。良かったらリリスさんも食べます?」
こんな事態の中、なんとも緊張感の無い返答を返されたリリスは、正直この人族を護衛しなければならないのか・・・、と憂鬱になってしまった。
そんなリリスの憂鬱さを無視するかの様に、目の前の人族は焼きあがった焼きリンゴを「熱いうちに食べましょう」と手渡して来る。
魔王直々に護衛をする様言われた相手だ。
失礼な態度は取れない。
思うところがありありだったが、手渡された焼きリンゴを受け取り、食べてみると、魔界では食べた事が無い味がする。
思わず『美味しい・・・』と呟いてしまったリリスに向かって、「美味しいでしょう?皆で食べるから更に美味しいんですよ」と言って来た。
魔王に大切にされていたリリスではあったが、こんな胸の奥が温かくなる様な事を言われたのは初めてだった。
『魔王様がお護りする様に言われたのがわかる気がする・・・』
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