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第一話
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僕はどうして生まれてきてしまったのか。母は僕を産んですぐに亡くなってしまったらしい。
僕はずっと一人だ。
僕には家族と呼べるものはいない。時折現れる僕には興味がないであろう父親。
僕のことを変な目で見る兄弟たち。
今日もなにも変わり映えのない1日かとおもっていたが僕にとって忘れならない日となった。
地下室の空気はいつもより冷たかった。 いや、違う。震えているのは自分の身体だ。
石壁に背を押しつけ、息を潜めていた。 階段の上から聞こえる兄弟たちの声が、皮膚の上を這う。
兄弟たちの話し声が聞こえる。
「……今日は特別だぞ」 「綺麗にしておけ、父上に怒られる」
足音が近づくたび、心臓が痛いほど脈打つ。 喉の奥が狭くなり、息が細くなる。 自分で自分の肩を抱くようにして小さく縮こまる。
扉が開く音がした。 長兄の姿が見えた瞬間、 反射的に身体が引きつった。
「ルナ、お前の出番だ。」
なんのこと分からないがいやな予感がした。
逃げられない。 分かっているのに、足は震えて動けない。
腕を掴まれた瞬間、 冷たい電流のような恐怖が背骨を走った。
「や、……っ」
声にならない。 逃れようと力を込めても、弱った手首は簡単に掴まれてしまう。
「大人しくしろ。すぐ終わる。」
嘘だ。 兄弟の目が笑っていない。 ずっと、ずっと、ルナを“物”として見つめてきた目だ。
階段を引きずられ、光のある廊下に出る。 眩しさに目が痛み、涙が滲む。 けれどその涙を拭く余裕も許されない。
引きずられながら廊下をずっと歩いていたら重厚な扉があった。
広間の中央には祭壇。 そして父親が静かに立っていた。
滅多に顔を見ることない父親。
こちらを見る眼差しに温度はなかった。
「ルナ。お前の役割を果たす時が来た。お前が一家の繁栄のために生贄になるのだ。最後に教えてやろう。生贄のためお前の母親を誘拐し、ここまで育ててきのだ。お前の母親を守っていた父親はその場で殺したのはいい思い出だ。
残念ながら、お前を産んですぐに死んでしまったがな。美しい女だった。
お前も見た目はそっくりだな。白銀の髪に、碧い瞳。きっと悪魔様もお前のこと気にいるだろう。大丈夫さ。すぐに終わる。」
どうやら僕はこの家の子供じゃないらしい。初めて聞く事実に驚きつつも、生贄になると言うことに恐怖を抱いた。
足がすくむ。 膝が震え、崩れ落ちそうになる。 兄弟の手がさらに強く腕を締めた。
「怖がるな。すぐだ。」
その言葉が何より怖い。
喉が震え、呼吸がうまくできない。
魔法陣が描かれた祭壇に縛りつけられ、錠の音が耳についた。 鎖が冷たくて、体温が奪われていく。
魔法陣が光り始め――
その瞬間。
空気が裂け、雷のような音が響いた。
赤い光が降り立ち、そこに立っていたのは――
黒髪の悪魔。
ルナの肺がひゅっと縮まる。 呼吸が止まりそうだった。
怖い。 怖い。 怖い――けど、、この一家から感じるような汚くてドロドロした恐怖はなかった。
悪魔なのだから、もっと怖い存在であるはずなのに。
悪魔は、ルナに目を向けた瞬間、 その赤い瞳の表情を柔らかくした。
「……そんなに震えて。どれほど怖かった?」
優しい声だった。 優しい、けれど、信じられない。 優しさなんて、罠にしか感じられない。
ルナは思わず肩をすくめ、 身体をひきつらせた。
「大丈夫。俺は君に触れるときだけは……絶対に優しくする。」
悪魔はゆっくり手を伸ばす。 その仕草があまりに穏やかで、逆に心がざわつく。
触れられる。 そう思った瞬間、身体がビクッと跳ねた。
エリンの指先が鎖に触れた。 その瞬間、鎖が粉々に砕け散り――
ルナの身体は自由になった。
恐怖で後ずさる祭壇の端まで来ていたことに気が付かなかった。バランスが崩れた瞬間には遅かった。倒れる。 落ちる。 怖い――!
「大丈夫。」
落ちる前に、しっかりと抱きとめられた。
温かい腕。 優しい抱え方。 なのに、恐怖が抜けない。
息がうまく吸えず、肩が小刻みに震える。
悪魔は囁く。
「怖くしない。……私はエリンだ。俺は君の敵じゃない。」
その声だけは不思議と胸にしみて、 震えが少しずつ別の種類のものに変わっていく。
ルナは、怯えながらもに縋るしかなかった。
エリンの腕の中は、驚くほど安定していた。 けれど、ルナはまだ恐怖で呼吸が浅く、 指先が震えっぱなしだった。
エリンはその震えに気づいて、 胸に抱く腕をそっと調整する。
「大丈夫だよ。落としたりしない。」
低く、囁くような声だった。
その声だけで、ほんの少しだけ息が楽になった気がした。
でも怖い。
腕の中にいても、周りには兄弟たちの視線が刺さる。
「…あ…悪魔様、その子は気に入っていただけましたでしょうか。美しいでしょ。ぜひ我が一家に繁栄を。」
父親がエリンさまに恐る恐る声をかける。 その声を聞いた瞬間、 ルナの身体が小さく震えた。
エリンは震えを感じ取り、 ゆっくりと立ち上がる。
お姫様抱っこのまま、 ルナを守るように抱き寄せたまま――
父親と兄弟たちへ赤い吊り目を向けた。
その瞳の色が、静かに、深く、怒りで染まっていく。
「……あぁ、気に入ったさ。とてもな…。だがこの愛しい子をつらい地下室に閉じ込めていたお前らは気に入らないなぁ。」
エリンの声は低く、冷たかった。
兄弟たちは一瞬で顔色を失う。
悪魔の気配が、部屋中の空気を押しつぶすように広がったからだ。
エリンは、腕の中のルナにだけは優しげに目を落とし、
耳元で静かに囁く。
「見なくていいよ。君が怖がるから。」
その言葉と同時に、 彼はルナの顔をそっと自分の胸に押し当て、 視界を遮った。
ルナは布の匂いと、かすかな体温の中で震えながら、 父親と兄弟たちの声だけを聞く。
「や、やめろ……!近づくな……!」
「エリン様!これは、これは儀式で――」
エリンの声が重なる。
「黙れ。 君をこの子に近づけたくない。」
その瞬間、 空気がビリッと震える音がした。
ルナは見えない。 でも、エリンの腕が少し動いた。
そして――兄弟たちの苦しげな叫び。
何かにひざまずかされ、押さえつけられたような音。
エリンは淡々と言った。
「“お仕置き”だ。 この子を怯えさせた罪は、軽くない。」
声は淡々としているのに、 背筋が冷たくなるほど威圧感があった。
それなのに、 ルナに向ける声は別人のように柔らかい。
「ルナ、もう少しでここを出るよ。 怖い思いをさせてごめんね。」
胸にひしと抱き込まれたまま、 ルナはただ小さく震えながら、 その優しい声だけを必死に追った。
エリンside
また身勝手な人間どもに呼び出された。面倒でならない。全員殺してやろうか…
呼び出された場所へ行ってみると美しい男が生贄として捧げられていた。怯えているが清らかで美しい魂だ。そしてとても可愛らしい。ルナという名前だという。
ルナを腕に抱いた瞬間、 その軽さに胸が痛んだ。
怯えで強張った身体。
細い指が、必死に俺の服を握っている。 何も言えず、ただ震えている。
――可愛い。
こんな状況なのに心の底からそう思ってしまう自分に、 苦笑がもれそうになる。
「怖くないように……俺が連れていく。」
そっと囁くと、ルナはビクっと肩を揺らし、 大きな瞳に涙を滲ませた。 胸に顔を伏せる姿がいじらしくて、抱きしめる腕に自然と力がこもった。
この子をこんなふうに怯えさせた連中が、 すぐ側にいると思うだけで、血が逆流する。
「エリン……様……っ」
掠れた声。 震えているのに、俺にしがみついてくれる。
――愛おしい。
だからこそ。
こいつらを許すつもりは、微塵もない。
僕はずっと一人だ。
僕には家族と呼べるものはいない。時折現れる僕には興味がないであろう父親。
僕のことを変な目で見る兄弟たち。
今日もなにも変わり映えのない1日かとおもっていたが僕にとって忘れならない日となった。
地下室の空気はいつもより冷たかった。 いや、違う。震えているのは自分の身体だ。
石壁に背を押しつけ、息を潜めていた。 階段の上から聞こえる兄弟たちの声が、皮膚の上を這う。
兄弟たちの話し声が聞こえる。
「……今日は特別だぞ」 「綺麗にしておけ、父上に怒られる」
足音が近づくたび、心臓が痛いほど脈打つ。 喉の奥が狭くなり、息が細くなる。 自分で自分の肩を抱くようにして小さく縮こまる。
扉が開く音がした。 長兄の姿が見えた瞬間、 反射的に身体が引きつった。
「ルナ、お前の出番だ。」
なんのこと分からないがいやな予感がした。
逃げられない。 分かっているのに、足は震えて動けない。
腕を掴まれた瞬間、 冷たい電流のような恐怖が背骨を走った。
「や、……っ」
声にならない。 逃れようと力を込めても、弱った手首は簡単に掴まれてしまう。
「大人しくしろ。すぐ終わる。」
嘘だ。 兄弟の目が笑っていない。 ずっと、ずっと、ルナを“物”として見つめてきた目だ。
階段を引きずられ、光のある廊下に出る。 眩しさに目が痛み、涙が滲む。 けれどその涙を拭く余裕も許されない。
引きずられながら廊下をずっと歩いていたら重厚な扉があった。
広間の中央には祭壇。 そして父親が静かに立っていた。
滅多に顔を見ることない父親。
こちらを見る眼差しに温度はなかった。
「ルナ。お前の役割を果たす時が来た。お前が一家の繁栄のために生贄になるのだ。最後に教えてやろう。生贄のためお前の母親を誘拐し、ここまで育ててきのだ。お前の母親を守っていた父親はその場で殺したのはいい思い出だ。
残念ながら、お前を産んですぐに死んでしまったがな。美しい女だった。
お前も見た目はそっくりだな。白銀の髪に、碧い瞳。きっと悪魔様もお前のこと気にいるだろう。大丈夫さ。すぐに終わる。」
どうやら僕はこの家の子供じゃないらしい。初めて聞く事実に驚きつつも、生贄になると言うことに恐怖を抱いた。
足がすくむ。 膝が震え、崩れ落ちそうになる。 兄弟の手がさらに強く腕を締めた。
「怖がるな。すぐだ。」
その言葉が何より怖い。
喉が震え、呼吸がうまくできない。
魔法陣が描かれた祭壇に縛りつけられ、錠の音が耳についた。 鎖が冷たくて、体温が奪われていく。
魔法陣が光り始め――
その瞬間。
空気が裂け、雷のような音が響いた。
赤い光が降り立ち、そこに立っていたのは――
黒髪の悪魔。
ルナの肺がひゅっと縮まる。 呼吸が止まりそうだった。
怖い。 怖い。 怖い――けど、、この一家から感じるような汚くてドロドロした恐怖はなかった。
悪魔なのだから、もっと怖い存在であるはずなのに。
悪魔は、ルナに目を向けた瞬間、 その赤い瞳の表情を柔らかくした。
「……そんなに震えて。どれほど怖かった?」
優しい声だった。 優しい、けれど、信じられない。 優しさなんて、罠にしか感じられない。
ルナは思わず肩をすくめ、 身体をひきつらせた。
「大丈夫。俺は君に触れるときだけは……絶対に優しくする。」
悪魔はゆっくり手を伸ばす。 その仕草があまりに穏やかで、逆に心がざわつく。
触れられる。 そう思った瞬間、身体がビクッと跳ねた。
エリンの指先が鎖に触れた。 その瞬間、鎖が粉々に砕け散り――
ルナの身体は自由になった。
恐怖で後ずさる祭壇の端まで来ていたことに気が付かなかった。バランスが崩れた瞬間には遅かった。倒れる。 落ちる。 怖い――!
「大丈夫。」
落ちる前に、しっかりと抱きとめられた。
温かい腕。 優しい抱え方。 なのに、恐怖が抜けない。
息がうまく吸えず、肩が小刻みに震える。
悪魔は囁く。
「怖くしない。……私はエリンだ。俺は君の敵じゃない。」
その声だけは不思議と胸にしみて、 震えが少しずつ別の種類のものに変わっていく。
ルナは、怯えながらもに縋るしかなかった。
エリンの腕の中は、驚くほど安定していた。 けれど、ルナはまだ恐怖で呼吸が浅く、 指先が震えっぱなしだった。
エリンはその震えに気づいて、 胸に抱く腕をそっと調整する。
「大丈夫だよ。落としたりしない。」
低く、囁くような声だった。
その声だけで、ほんの少しだけ息が楽になった気がした。
でも怖い。
腕の中にいても、周りには兄弟たちの視線が刺さる。
「…あ…悪魔様、その子は気に入っていただけましたでしょうか。美しいでしょ。ぜひ我が一家に繁栄を。」
父親がエリンさまに恐る恐る声をかける。 その声を聞いた瞬間、 ルナの身体が小さく震えた。
エリンは震えを感じ取り、 ゆっくりと立ち上がる。
お姫様抱っこのまま、 ルナを守るように抱き寄せたまま――
父親と兄弟たちへ赤い吊り目を向けた。
その瞳の色が、静かに、深く、怒りで染まっていく。
「……あぁ、気に入ったさ。とてもな…。だがこの愛しい子をつらい地下室に閉じ込めていたお前らは気に入らないなぁ。」
エリンの声は低く、冷たかった。
兄弟たちは一瞬で顔色を失う。
悪魔の気配が、部屋中の空気を押しつぶすように広がったからだ。
エリンは、腕の中のルナにだけは優しげに目を落とし、
耳元で静かに囁く。
「見なくていいよ。君が怖がるから。」
その言葉と同時に、 彼はルナの顔をそっと自分の胸に押し当て、 視界を遮った。
ルナは布の匂いと、かすかな体温の中で震えながら、 父親と兄弟たちの声だけを聞く。
「や、やめろ……!近づくな……!」
「エリン様!これは、これは儀式で――」
エリンの声が重なる。
「黙れ。 君をこの子に近づけたくない。」
その瞬間、 空気がビリッと震える音がした。
ルナは見えない。 でも、エリンの腕が少し動いた。
そして――兄弟たちの苦しげな叫び。
何かにひざまずかされ、押さえつけられたような音。
エリンは淡々と言った。
「“お仕置き”だ。 この子を怯えさせた罪は、軽くない。」
声は淡々としているのに、 背筋が冷たくなるほど威圧感があった。
それなのに、 ルナに向ける声は別人のように柔らかい。
「ルナ、もう少しでここを出るよ。 怖い思いをさせてごめんね。」
胸にひしと抱き込まれたまま、 ルナはただ小さく震えながら、 その優しい声だけを必死に追った。
エリンside
また身勝手な人間どもに呼び出された。面倒でならない。全員殺してやろうか…
呼び出された場所へ行ってみると美しい男が生贄として捧げられていた。怯えているが清らかで美しい魂だ。そしてとても可愛らしい。ルナという名前だという。
ルナを腕に抱いた瞬間、 その軽さに胸が痛んだ。
怯えで強張った身体。
細い指が、必死に俺の服を握っている。 何も言えず、ただ震えている。
――可愛い。
こんな状況なのに心の底からそう思ってしまう自分に、 苦笑がもれそうになる。
「怖くないように……俺が連れていく。」
そっと囁くと、ルナはビクっと肩を揺らし、 大きな瞳に涙を滲ませた。 胸に顔を伏せる姿がいじらしくて、抱きしめる腕に自然と力がこもった。
この子をこんなふうに怯えさせた連中が、 すぐ側にいると思うだけで、血が逆流する。
「エリン……様……っ」
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