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出会い
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目の前に現れた少年。
恐らく莫大な魔力を放った張本人だろう。
・セス
「キロス君、今のは一体、、、
それよりも、無事だったんですね。
良かった、、、、」
少し涙目のセス。
キロスと言う少年の無事を知り緊張の糸が切れたか。やはり、こいつがキロスだ。
・キロス
「通りがかりの冒険者の方が倒してくれたよ。
だからこっちの班も大丈夫。
みんな気絶はしているけど無事だよ。」
何故隠す?
悪いが俺にはわかる、他に人は居なかったはずだ。
もちろん気配を断つ術を持つ奴がいた可能性もあるが、最後に放った魔力は間違いなくキロスの物だ。
隠さなきゃいけない訳でもあるのか?
・キロス
「こちらの魔物は貴方が倒してくれたのですね。
ありがとうございました。
僕の名前はキロス。
キロス・カーティスと申します。」
丁寧な口調で自己紹介をするキロス。
どうやら良い所のお坊ちゃんらしいな。
貴族の少年が冒険者風情の俺に対して礼儀正しいのは珍しい。
・「俺の名は裕樹だ。
ここには偶然通りかかったので加勢した。
無事で何よりだった。
向こうの大型を倒したのも俺と同じような冒険者だったのか?」
・キロス
「はい、でも急いでいる様子でしたので、、、
倒した後は直ぐにどこかに行ってしまいました。」
あくまでもシラを切るつもりだな。
さて、どうしたものか、、、
実はこの少年の強さに興味がある。
色々聞きたい所だが、答えてくれるだろうか?
・「なぁ、キロス君。
少し向こうで話さないか?
2人でこの後の事について話しておきたい。
ハナとセスは生徒たちの保護と治療を頼む。」
俺の提案にハナとセスが従ってくれた。
主にハナが率先してセスを誘導。
ハナには俺のやりたい事が分かったらしい。
・キロス
「あまり詳しい事は話せませんが、、、」
キロスにも伝わったらしい。
勘の鋭い子だな。
そして、キロスと2人だけとなる。
・「悪いな、、、
出来れば教えて欲しい、君の強さはなんだ?
何故、隠そうとする?」
面倒な上に時間もない。
だからストレートに聞いてみた。
・キロス
「隠そうとしたのは、あまりにも強大な力なので。
僕みたいな生徒がこんな力を持っていると知れると面倒な事になる。
そう姉に言われました。」
なるほど、賢い姉さんだ。
力を持つ者には必ず力を求める者が群がるからな。
今の俺の様に、、、
・「そうか、、、無理にとは言わない。
だが、何か教えれるものがあるなら教えてくれ。
俺は、強くならなければならないんだ。」
俺は少年に頭を下げた。
他に、誠意を示す方法を知らないから、、、
・キロス
「あ、頭をお上げください。
一つだけ教えて下さい。
何故、力を求めるのですか?」
・「俺はつい最近、ある魔族に負けた。
運よく死ななかったが、完全に負けたんだ。
その時に思った。
このままでは大切な人も守れないと、、、
俺は、守るための力が欲しい。」
・キロス
「守るための力、、、ですか。」
そうだ、俺が力を求める理由はそれだ。
今、言葉にしてみてはっきりと分かった。
・キロス
「力は、、、、使い方を間違えると危険です。」
・「力も道具も使う奴次第って事だろ?
理解はしている。
だが、先の事は解らない。
ただ、俺は守りたい人を守れるだけの力が欲しい。
今、俺に言えるのはそれだけだ。」
暫くキロスが考える。
この子は凄いな、、、
力を持ち、尚も力の使い方を考える。
間違わない様に考え続け、努力する。
俺がガキの頃はどうだった?
力があれば自慢したいと考えたはずだ。
そう、自分の為だけに力を使ったはずだ、、、
そんな俺が、焦って掴んだ力をどう使う?
・「キロス君、忘れてくれ。
今の俺が急に力を持つことは危険かもしれない。」
少し残念だが、ここは引こう。
俺なりのやり方で少しずつ強くなればいい、、、
・???
「全く、しんき臭いったらありゃしない!
キロス!こいつに教えてやりなよ。
凄いのはアタシだってこと!!」
なんだ?
どこからか声がする。
少女の声?
いや、女性の声か?
・キロス
「ちょっとアスト、人前でしゃべっちゃダメだよ」
慌てるキロス
混乱する俺
どうなってる?
誰と話している?
・アスト
「こっちこっち!
わかる?アタシは『アストレイヤー』
キロスの使う最高級で最強の杖よ!」
杖?杖がしゃべってんのか?
てか、どんな自己紹介だよ!
傲慢としか言いようがない。
俺は杖をのぞき込む。
・アスト
「あら、なかなか良い男じゃない。
あんたなら秘密を教えちゃってもいいわよ。
あんた、異世界人でしょ?
力が必要なんでしょ?」
何故ばれた!
キロスがこっちを見て驚く。
当然だ、いきなり異世界人と言われて驚かない奴など居ない。
・キロス
「異世界の、方なのですか?
裕樹、、、まさか『勇者 裕樹様』ですか?」
知られている、、、、
まぁ、王国貴族の間では一時期話題になってたらしいからな。
・「もう勇者なんて柄じゃないけどな。
多分、その認識で間違いないと思う。」
・キロス
「こ、光栄です!
こんな所でお会いできるとは、、、」
・「悪いが、俺はそんなに凄い奴じゃない。
先日も魔族に負けて自分の弱さを実感したばかり。
それに俺は今、逃亡者でもある。
期待はずれで申し訳ないな。」
自分で言ってて情けない気持ちになる。
・キロス
「僕はそう思いません。
自身の実力を知る事は強さに繋がると聞きました。
裕樹さんはこれから強くなるんです。
初めから強い人なんていませんよ。」
慰められた、、、
この子は凄いな、もうこんな考えを持つのか。
・キロス
「ある人に言われた事なんですけどね。
僕も、その人のお陰で強くなれたんです。
出会いが人を強くする。
僕の憧れの人はそう言ってました。
ある人とは、僕の憧れの人が憧れる人です。」
なんだか、ややこしいな。
だが、良い事をいう奴が居るんだな。
出会いが人を強くするか、、、
・キロス
「裕樹さんなら力の使い方を間違えないと信じています。だって、ライルさんが言ってました。
『あいつは、裕樹は本当の勇者だ』って。」
ライルか、懐かしく感じるな。
・キロス
「すみません、あいつなんて呼んでしまって。
裕樹さんに出会えてちょっと興奮してしまいました。」
・「ライルの名が聞けて嬉しいよ。
少し、初心を思い出した。
ありがとう、キロス君。」
・キロス
「キロスと呼んでください。
裕樹さんは先程の方と旅をしているんですか?」
・「まぁな。」
・キロス
「なら、きっと力になれると思います。
これからみんなを引き連れて国境付近の町に移動します。是非とも護衛としてご同行願います。
みんなが寝静まって時間がある時に、僕が授かった力をお教えしますので。」
願ってもない申し出だった。
俺は快く受ける事にした。
少しでも強くなりたい。
ライルを、ハナを守りたいんだ。
一瞬、杖が光った気がした。
この杖の助け船のお陰だな。
・「アスト、ありがとな」
独り言のように呟き、キロスと共に動き出す。
杖は嬉しそうにもう一度ひかり、沈黙した。
変な杖だったな、、、
~数時間後~
俺達の馬車に怪我人を乗せた。
そして国境付近の町を目指す。
俺とハナ、キロスとセスがペアで馬車の左右を護衛する様に進んで行く。
馬車は生徒の一人が動かしている。
このペースだと、ここから3日程掛かるそうだ。
夜になりみんなが寝静まると、キロスがやって来て俺とハナを少し離れたところに連れていく。
驚きだった、、、
回復魔法しか使え無いと言われる回復魔法使い。
なんと攻撃魔法が使えるのだと言う。
無属性の魔法として、魔力を練り飛ばす。
やり方次第では爆発させる事も出来るらしい。
考え無かった訳じゃないが、この世界では属性が無いと攻撃魔法は使えないと、そう思い込んでいたみたいだ。
もう少し柔軟に考えなきゃな。
これで、ハナが攻撃できるようになった。
ハナは涙を流しつつ喜んでいた。
攻撃に関しては無能と言われている回復魔法使い。
歯がゆい思いをしていたのだろう。
キロス、感謝する。
そしてアストには魔力の操作を教わった。
自身に魔力を纏わせるやり方。
一カ所に集める為の効率化。
3日では覚えきれない程、濃密な時間が過ぎる。
こうして、町までの護衛は直ぐに完了した。
町に着けば護衛は必要なくなる。
ここでお別れだ。
別れ際、、、
・「キロス、いろいろとありがとう。」
・キロス
「いえ、僕も教えてもらった身なので。
後は自在に使える様に訓練してください。」
・「わかった、感謝する。」
これで、俺もハナも強くなれる。
何気なく使っていた剣気、、、
実は無属性の魔力を剣の形状にして飛ばしていた事が分かった。
俺は知らない間に使っていたのだ、、、
オーランドもそうなのだろう。
剣の奥義が無属性魔法だったなんて、笑えるよな。
・ハナ
「キロス君、本当にありがとう。
これで、私も裕樹の為に戦える。」
・アスト
「無理しないようにね、ハナっち!」
この3日でアストと驚く程仲良くなったハナ。
順応力がハンパねぇ、、、
・「最後に聞いておきたい。
言えないのなら言わなくてもいいが、、、
一体、誰に教わったんだ?
キロスの憧れの人か?」
・キロス
「僕の憧れの人は『ニュート』と言う冒険者です。
でも、戦い方を教えてくれたのは他の人です。
僕に魔力の全てを教えてくれたのは『ライオット』さんです。」
ライオット、、、、あいつか。
ハンダの『鬼殺し』はあいつが破壊したんだな。
まんまと騙されてた、、、
これで決定的だ。
ライオット、あいつはただ物じゃない。
・「ありがとう。
出会う事があれば礼を言っておくよ。
杖の瞬間移動も使えるようにしたのはライオットなのか?」
・キロス
「いえ、それは別の人です。」
あの時、キロスは本当に瞬間移動していた。
杖の持つ『目視テレポート』と言うスキルらしい。
目視出来る場所に魔力を飛ばし扉を開ける、そして亜空間を通して自身を瞬間移動させると言う。
何とも恐ろしい能力だ。
杖を手に入れた時は使えなかったらしい。
しかし、ある人が解放してくれたと言っていた。
世の中には凄い奴が沢山いるんだな。
そして、大型の魔物を消し飛ばしたあの爆発、、、
結局あの秘密は聞けなかった。
アストがやったのだと、それだけ教えられた。
杖固有の魔法なのか?
まだまだ謎が多い世界だな。
・「そうか、、、、次に出会う時は、俺も何か残せる様に強くなっておくよ。
キロス、アスト。
本当に世話になった。」
二人は固く握手をする。
俺はキロスに色々教えられた。
勿論アストにも、、、
正直、魔族と闘って自信を無くしていたんだ。
だが今は違う。
新しい可能性が見えた。
必ず強くなって見せる。
待ってろよ、ライル!
~登場人物~
・裕樹(主人公)
キロスと出会い、自信喪失から復活。
新たな可能性を模索する事となる。
・ハナ(ヒロイン)
キロスに教えられた攻撃魔法。
その存在に大いに喜ぶ。
努力を惜しまない性格の為、もの凄い勢いで特訓中
・キロス・カーティス
カーティス家跡取りの少年。
自身の魔力絶対量がずば抜けている。
それは日々の努力の賜物でもある。
・アスト(杖)
意思を持つ武器。
キロスを持ち主と認め契約する。
別名 『聖神器 アストレイヤー』
恐らく莫大な魔力を放った張本人だろう。
・セス
「キロス君、今のは一体、、、
それよりも、無事だったんですね。
良かった、、、、」
少し涙目のセス。
キロスと言う少年の無事を知り緊張の糸が切れたか。やはり、こいつがキロスだ。
・キロス
「通りがかりの冒険者の方が倒してくれたよ。
だからこっちの班も大丈夫。
みんな気絶はしているけど無事だよ。」
何故隠す?
悪いが俺にはわかる、他に人は居なかったはずだ。
もちろん気配を断つ術を持つ奴がいた可能性もあるが、最後に放った魔力は間違いなくキロスの物だ。
隠さなきゃいけない訳でもあるのか?
・キロス
「こちらの魔物は貴方が倒してくれたのですね。
ありがとうございました。
僕の名前はキロス。
キロス・カーティスと申します。」
丁寧な口調で自己紹介をするキロス。
どうやら良い所のお坊ちゃんらしいな。
貴族の少年が冒険者風情の俺に対して礼儀正しいのは珍しい。
・「俺の名は裕樹だ。
ここには偶然通りかかったので加勢した。
無事で何よりだった。
向こうの大型を倒したのも俺と同じような冒険者だったのか?」
・キロス
「はい、でも急いでいる様子でしたので、、、
倒した後は直ぐにどこかに行ってしまいました。」
あくまでもシラを切るつもりだな。
さて、どうしたものか、、、
実はこの少年の強さに興味がある。
色々聞きたい所だが、答えてくれるだろうか?
・「なぁ、キロス君。
少し向こうで話さないか?
2人でこの後の事について話しておきたい。
ハナとセスは生徒たちの保護と治療を頼む。」
俺の提案にハナとセスが従ってくれた。
主にハナが率先してセスを誘導。
ハナには俺のやりたい事が分かったらしい。
・キロス
「あまり詳しい事は話せませんが、、、」
キロスにも伝わったらしい。
勘の鋭い子だな。
そして、キロスと2人だけとなる。
・「悪いな、、、
出来れば教えて欲しい、君の強さはなんだ?
何故、隠そうとする?」
面倒な上に時間もない。
だからストレートに聞いてみた。
・キロス
「隠そうとしたのは、あまりにも強大な力なので。
僕みたいな生徒がこんな力を持っていると知れると面倒な事になる。
そう姉に言われました。」
なるほど、賢い姉さんだ。
力を持つ者には必ず力を求める者が群がるからな。
今の俺の様に、、、
・「そうか、、、無理にとは言わない。
だが、何か教えれるものがあるなら教えてくれ。
俺は、強くならなければならないんだ。」
俺は少年に頭を下げた。
他に、誠意を示す方法を知らないから、、、
・キロス
「あ、頭をお上げください。
一つだけ教えて下さい。
何故、力を求めるのですか?」
・「俺はつい最近、ある魔族に負けた。
運よく死ななかったが、完全に負けたんだ。
その時に思った。
このままでは大切な人も守れないと、、、
俺は、守るための力が欲しい。」
・キロス
「守るための力、、、ですか。」
そうだ、俺が力を求める理由はそれだ。
今、言葉にしてみてはっきりと分かった。
・キロス
「力は、、、、使い方を間違えると危険です。」
・「力も道具も使う奴次第って事だろ?
理解はしている。
だが、先の事は解らない。
ただ、俺は守りたい人を守れるだけの力が欲しい。
今、俺に言えるのはそれだけだ。」
暫くキロスが考える。
この子は凄いな、、、
力を持ち、尚も力の使い方を考える。
間違わない様に考え続け、努力する。
俺がガキの頃はどうだった?
力があれば自慢したいと考えたはずだ。
そう、自分の為だけに力を使ったはずだ、、、
そんな俺が、焦って掴んだ力をどう使う?
・「キロス君、忘れてくれ。
今の俺が急に力を持つことは危険かもしれない。」
少し残念だが、ここは引こう。
俺なりのやり方で少しずつ強くなればいい、、、
・???
「全く、しんき臭いったらありゃしない!
キロス!こいつに教えてやりなよ。
凄いのはアタシだってこと!!」
なんだ?
どこからか声がする。
少女の声?
いや、女性の声か?
・キロス
「ちょっとアスト、人前でしゃべっちゃダメだよ」
慌てるキロス
混乱する俺
どうなってる?
誰と話している?
・アスト
「こっちこっち!
わかる?アタシは『アストレイヤー』
キロスの使う最高級で最強の杖よ!」
杖?杖がしゃべってんのか?
てか、どんな自己紹介だよ!
傲慢としか言いようがない。
俺は杖をのぞき込む。
・アスト
「あら、なかなか良い男じゃない。
あんたなら秘密を教えちゃってもいいわよ。
あんた、異世界人でしょ?
力が必要なんでしょ?」
何故ばれた!
キロスがこっちを見て驚く。
当然だ、いきなり異世界人と言われて驚かない奴など居ない。
・キロス
「異世界の、方なのですか?
裕樹、、、まさか『勇者 裕樹様』ですか?」
知られている、、、、
まぁ、王国貴族の間では一時期話題になってたらしいからな。
・「もう勇者なんて柄じゃないけどな。
多分、その認識で間違いないと思う。」
・キロス
「こ、光栄です!
こんな所でお会いできるとは、、、」
・「悪いが、俺はそんなに凄い奴じゃない。
先日も魔族に負けて自分の弱さを実感したばかり。
それに俺は今、逃亡者でもある。
期待はずれで申し訳ないな。」
自分で言ってて情けない気持ちになる。
・キロス
「僕はそう思いません。
自身の実力を知る事は強さに繋がると聞きました。
裕樹さんはこれから強くなるんです。
初めから強い人なんていませんよ。」
慰められた、、、
この子は凄いな、もうこんな考えを持つのか。
・キロス
「ある人に言われた事なんですけどね。
僕も、その人のお陰で強くなれたんです。
出会いが人を強くする。
僕の憧れの人はそう言ってました。
ある人とは、僕の憧れの人が憧れる人です。」
なんだか、ややこしいな。
だが、良い事をいう奴が居るんだな。
出会いが人を強くするか、、、
・キロス
「裕樹さんなら力の使い方を間違えないと信じています。だって、ライルさんが言ってました。
『あいつは、裕樹は本当の勇者だ』って。」
ライルか、懐かしく感じるな。
・キロス
「すみません、あいつなんて呼んでしまって。
裕樹さんに出会えてちょっと興奮してしまいました。」
・「ライルの名が聞けて嬉しいよ。
少し、初心を思い出した。
ありがとう、キロス君。」
・キロス
「キロスと呼んでください。
裕樹さんは先程の方と旅をしているんですか?」
・「まぁな。」
・キロス
「なら、きっと力になれると思います。
これからみんなを引き連れて国境付近の町に移動します。是非とも護衛としてご同行願います。
みんなが寝静まって時間がある時に、僕が授かった力をお教えしますので。」
願ってもない申し出だった。
俺は快く受ける事にした。
少しでも強くなりたい。
ライルを、ハナを守りたいんだ。
一瞬、杖が光った気がした。
この杖の助け船のお陰だな。
・「アスト、ありがとな」
独り言のように呟き、キロスと共に動き出す。
杖は嬉しそうにもう一度ひかり、沈黙した。
変な杖だったな、、、
~数時間後~
俺達の馬車に怪我人を乗せた。
そして国境付近の町を目指す。
俺とハナ、キロスとセスがペアで馬車の左右を護衛する様に進んで行く。
馬車は生徒の一人が動かしている。
このペースだと、ここから3日程掛かるそうだ。
夜になりみんなが寝静まると、キロスがやって来て俺とハナを少し離れたところに連れていく。
驚きだった、、、
回復魔法しか使え無いと言われる回復魔法使い。
なんと攻撃魔法が使えるのだと言う。
無属性の魔法として、魔力を練り飛ばす。
やり方次第では爆発させる事も出来るらしい。
考え無かった訳じゃないが、この世界では属性が無いと攻撃魔法は使えないと、そう思い込んでいたみたいだ。
もう少し柔軟に考えなきゃな。
これで、ハナが攻撃できるようになった。
ハナは涙を流しつつ喜んでいた。
攻撃に関しては無能と言われている回復魔法使い。
歯がゆい思いをしていたのだろう。
キロス、感謝する。
そしてアストには魔力の操作を教わった。
自身に魔力を纏わせるやり方。
一カ所に集める為の効率化。
3日では覚えきれない程、濃密な時間が過ぎる。
こうして、町までの護衛は直ぐに完了した。
町に着けば護衛は必要なくなる。
ここでお別れだ。
別れ際、、、
・「キロス、いろいろとありがとう。」
・キロス
「いえ、僕も教えてもらった身なので。
後は自在に使える様に訓練してください。」
・「わかった、感謝する。」
これで、俺もハナも強くなれる。
何気なく使っていた剣気、、、
実は無属性の魔力を剣の形状にして飛ばしていた事が分かった。
俺は知らない間に使っていたのだ、、、
オーランドもそうなのだろう。
剣の奥義が無属性魔法だったなんて、笑えるよな。
・ハナ
「キロス君、本当にありがとう。
これで、私も裕樹の為に戦える。」
・アスト
「無理しないようにね、ハナっち!」
この3日でアストと驚く程仲良くなったハナ。
順応力がハンパねぇ、、、
・「最後に聞いておきたい。
言えないのなら言わなくてもいいが、、、
一体、誰に教わったんだ?
キロスの憧れの人か?」
・キロス
「僕の憧れの人は『ニュート』と言う冒険者です。
でも、戦い方を教えてくれたのは他の人です。
僕に魔力の全てを教えてくれたのは『ライオット』さんです。」
ライオット、、、、あいつか。
ハンダの『鬼殺し』はあいつが破壊したんだな。
まんまと騙されてた、、、
これで決定的だ。
ライオット、あいつはただ物じゃない。
・「ありがとう。
出会う事があれば礼を言っておくよ。
杖の瞬間移動も使えるようにしたのはライオットなのか?」
・キロス
「いえ、それは別の人です。」
あの時、キロスは本当に瞬間移動していた。
杖の持つ『目視テレポート』と言うスキルらしい。
目視出来る場所に魔力を飛ばし扉を開ける、そして亜空間を通して自身を瞬間移動させると言う。
何とも恐ろしい能力だ。
杖を手に入れた時は使えなかったらしい。
しかし、ある人が解放してくれたと言っていた。
世の中には凄い奴が沢山いるんだな。
そして、大型の魔物を消し飛ばしたあの爆発、、、
結局あの秘密は聞けなかった。
アストがやったのだと、それだけ教えられた。
杖固有の魔法なのか?
まだまだ謎が多い世界だな。
・「そうか、、、、次に出会う時は、俺も何か残せる様に強くなっておくよ。
キロス、アスト。
本当に世話になった。」
二人は固く握手をする。
俺はキロスに色々教えられた。
勿論アストにも、、、
正直、魔族と闘って自信を無くしていたんだ。
だが今は違う。
新しい可能性が見えた。
必ず強くなって見せる。
待ってろよ、ライル!
~登場人物~
・裕樹(主人公)
キロスと出会い、自信喪失から復活。
新たな可能性を模索する事となる。
・ハナ(ヒロイン)
キロスに教えられた攻撃魔法。
その存在に大いに喜ぶ。
努力を惜しまない性格の為、もの凄い勢いで特訓中
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カーティス家跡取りの少年。
自身の魔力絶対量がずば抜けている。
それは日々の努力の賜物でもある。
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意思を持つ武器。
キロスを持ち主と認め契約する。
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