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鑑定能力

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・セリス
「無事にダンジョン攻略だな。」

特に大きな問題もなくクリアした。
これで終わりかな。

・ミズキ
「宝箱発見です!」

周囲を警戒していたミズキから報告が入る。

・リーシュ
「どんな物が入ってるんでしょうか。」

・「ドキドキしてきた。」

・マルチ
「ワクワクするね。」

俺達は銀色の宝箱の前に立つ、思ったよりも小さいけど何が入ってるんだろう?

・セリス
「良いか?開けるぞ。」

セリスが宝箱を開ると光と共に武器やらアイテムが出て来て周辺に並べられる、本当に不思議な光景だね。

・ミズキ
「鑑定しないと解らないものも多いですが、結構な数の物が出てきましたね。」

物理的におかしいよな。
どうやって収納していたのだろうか?
アイテム袋と同じ要領か?

・「俺的にはこの箱を持って帰って調べたいね、他のアイテムは鑑定が必要なんだっけ?誰か鑑定が出来る人とか知ってる?」

・ミズキ
「王国に戻れば鑑定可能ですが。」

ふむ、一度オルドラに戻ろべきかな?
出来れば戻りたくはないけどね。
これでも一応脱獄犯ですから。

・セリス
「大きな町に行けば鑑定士ぐらい居るだろう、問題はそいつが信用できるかどうかだ。」

ん~、困ったね。

・マルチ
「ライオットが調べれば良いい。
色々とアイテムの知識が豊富だし。」

マルチさんがナイスな提案をしてくれる。
やるだけやってみるか。

・「鑑定結果が間違ってても怒らないでね。」

・セリス
「別に怒りはしないさ、どうせこのままじゃ使えない道具ばかりだしな。性能が解らないと武器も宝の持ち腐れだ。」

セリスは戦利品の杖を眺めている。
最深部で取れた武器だから良い代物かな?

・ミズキ
「とりあえず脱出しましょう。」

ミズキの一言でダンジョンからの脱出を開始、8層でがっつりLVを上げたからなのか簡単に地上まで戻る事が出来た。

・リーシュ
「ん~~、日の光が心地いい!」

久しぶりの太陽さんは暖かいね。

・セリス
「かなり長いこと居たからな。」

・ミズキ
「8日と20時間ですね。」

そんなに長くいたんだ、それにしては3回くらいしか寝た覚えがない。

・ミズキ
「徹夜作業が多かったのに全く疲れを感じていないのは本当に不思議な事ですね。」

とりあえず皆に体調不良が無いかを確認する、体の管理は大切な事です。そしてステータスのチェックも忘れない、大事な事なのでね!

ライオット レベル44
筋力 312 補正 330 計642  
知力 394 補正 420 計814 
敏捷 332 補正 150 計482

スキル
チートマップ・精神自動回復・順応力

魔法
☆風100 水79 炎81
癒しの鼓動

技能(補正値は装備時のみ発動)
剣術22 LV4 筋力8  敏捷8
杖術20 LV4 知力20
盾術21 LV4 筋力20
槍術20 LV4 筋力12 知力4
体術20 LV4 筋力10 敏捷12
射撃75 LV15 筋力30 敏捷30

特殊技能(補正値は常時発動)
採取31 LⅤ6  筋力30 知力30
☆採掘100 筋力100 敏捷100
魔装54 LV9  知力90
操舵27 LV5  敏捷50

加工技能(補正値は常時発動)
裁縫42 LV8  知力80
☆鍛冶100 筋力200
錬金24 LV4  知力40
魔生92 LV18 知力180


おお!採掘と鍛冶、更には風属性の所に☆マークが出た、確か限界値になると現れるんだったな。LV1の時に体験して以来の星マークだぜ!遂にここまで上り詰めたか。

しかし想像以上にレベルが上がった。
こんなに嬉しいことは無い。

・ミズキ
「これからどこに向かいますか?」

・「とりあえずアイテムの鑑定を試してみたいから、この辺で野営しても良いかな?みんなも少し休むと良いよ。」

俺の提案でダンジョン前の広場で野営する事となり各々で好きな事をして時間を潰す事となった、勿論俺は早速アイテム鑑定を試みる。

・マルチ
「ライオットいけそう?」

マルチが俺の補助をしてくれた、マルチは錬金術の職人さんなのでこういう時も凄く頼りになる。

・「要するにアイテムの効力を調べれば良いんだよね?アイテム袋の仕組みとか調べてた時があるから出来るとは思う。仕組みを調べる事と鑑定の違いがいまいち理解できないけどやってる事は同じだと思うよ。」

アイテムの詳細を調べれば良いんだろう?
何回もやってるから出来る筈だ。
俺は未知の武器に魔力を流す。

武器の構造や魔力の有無、そして核の有無など調べる事は沢山ある。そう言えば武器の格付けってどうやってるんだろう、適当に付けているのかな?よく激レアとか神器とか言ってるじゃん、どうやって決めているんだろうね。

・『鑑定のスキルを覚えました。』

あ、、、覚えた。
何で?
あれか?未知のアイテムを調べるのはこれが初めてだ、スキルを覚える為のトリガーがこの行為だったのかな?

・マルチ
「ライオット、何かあった?」

フリーズしている俺を見てマルチが声を掛けてくる、いきなり止まったから心配になっちゃったのかな?

・「えっと、鑑定を覚えました。」

・マルチ
「どういうこと?」

どうやって説明すればいいのだろうか?
俺はマルチに説明を試みる。

・マルチ
「わかんない、みんなを呼んでも良い?」

マルチがその場を離れてみんなを呼びに向かった、俺は皆に説明できる様に整理する事にした。

・セリス
「鑑定が出来るって本当か?」

セリスが真っ先に現れた。
俺とマルチの事が気になっていたらしく直ぐ近くの木の裏に隠れていたみたいだ、なんだかちょっと可愛いと思ってしまった。

・リーシュ
「ライオットは何でも出来るね。」

同じくリーシュも近くの木の裏でこちらの様子を伺っていたらしい、好きな事してればいいんですからね?

・マルチ
「ミズキが見つからない、、、」

暫く探してから戻ってきたマルチ。
ミズキを見つけるのは至難の業だろうね。
彼女の気配を断つ技術は半端ないし。

・ミズキ
「ここに居ます。」

・「うぉぅ!」

・マルチ
「発見!」

突然ミズキが背後に現れる。
心臓に悪いので辞めて欲しい。
一体いつからそこに居たのだろうか?

でもこれで皆がそろったね、みんなを探していたマルチが褒めて貰いそうにこちらを見ていたので頭を撫でてあげる。

・マルチ
「へへへ~。」

嬉しそうなマルチ。
ん~、和みますな。

・セリス
「んで、鑑定が出来るって本当か?」

セリスが再び聞いてくる。
さてさて説明タイムのお時間ですね。

・「さっき未知の武器を調べようとしたんだ、そしたら鑑定のスキルを覚えました。」

他には思い浮かびませんでした。
だってこれが真実なんだもの。

・ミズキ
「鑑定スキルは生まれつき備わっているレアなスキルです、それを取得するなんて聞いた事がありません。」

・セリス
「常識で計れないのがライオットだ、流石としか言いねぇ。全く頼もしい奴だぜ。」

・リーシュ
「素敵ね。」

マルチは俺に鑑定のやり方を聞いて来た、確かに職人としてのノウハウを持つマルチなら俺と同じ事が出来るだろうね。
しかし、

・マルチ
「私も同じ様に武器に魔力を流して調べてみたけど何も覚えなかった、これはライオットの特性と考えれば良いのかも、ライオットの凄さが再認識できた。」

マルチは鑑定のスキルを覚えることは無かった、スキルや特技を覚えまくるのが俺の特性なのか?

今までの事を考えると人にはそれぞれ特性があると言って良いだろう、マルチは錬金術を覚えているが鍛冶は覚えなかった。魔力加工を行う事が出来ても特技として覚えないので成功率が極端に低くそれこそ20回目で一個出来れば良い方だ。
魔力回復を持つマルチならこういう検証も出来るが普通の職人さんなら直ぐに魔力枯渇でダウンするだろう、生まれつき持っていた特性を生かして職業を選ぶ流れが出来るのも頷ける。
これは剣術などの戦闘スキルでも同じ事が言えるだろう、だが練習する事によってスキルを開花させた事例もあると聞いた。これは元々その特性を持っていたと考えれば良いのかな?それとも隠された特性もあると考えるべきなのか?

ん~、解らん。

・セリス
「とりあえず鑑定しちまおうぜ。」

セリスに言われて鑑定を始める。
鑑定スキルを使用して分かった事があった。
アイテムから色が発せられているのだ。

鑑定スキルを使うと格付けが出来るとはこういう事ね、モノによって纏っているオーラ?の色が違うのが解るから多分これで格付けをしているのだろう。

この中で一番性能が良かった物は、

・「これかな?メダリオン。」

パッと見て一番輝いて見えた。
これはダンジョン攻略の証みたいな物かな?鑑定の説明文にはそう書てあるが『???』の項目もあるね、もう少ししっかり調べれば解るのかな?

俺はメダリオンを手に取って魔力を流してみる、こうする事で仕組みが分かるようになるのだ。

・「これは発見だね。」

一番欲していた物が手に入った。
だが使い方に一癖ありそうだ。

・セリス
「何かあったか?てかメダリオンを鑑定してどうすんだ?ほら、この武器とかどうなのか教えてくれよ。」

セリスは既に良い武器を所持してるでしょう?とは言えもっと性能の良い武器を見付けたいという気持ちは解らないでもない。

・「先に他の鑑定を終わらせようか。」

俺はメダリオンを一旦置いて他の武器やアイテムの鑑定に入る、結果はそれ程いいものではなかった。

・「武器は緑色で性能はさほど良くないね、補正値が2個程ついてるけど特殊能力はない。アイテムは回復系が多いけど青色で性能的にも微妙な物が多い、オルドラ王国で売ってるのを見た事あるかも。」

・ミズキ
「補正値が2つも入っているのなら激レア武器と言って良いと思います、ライオットが私達にくれた装備品は神器を上回る性能ですので激レア武器が霞んで見えても仕方ないでしょう。」

・リーシュ
「それならどこかで売るのも手ですね。」

・セリス
「ライオットが居るとアイテムの価値が解らなくなるな、激レアと呼ばれる武器をこんなに簡単に売ってしまおうと決断できるとは思わなかった。」

どうやら俺は規格外らしい。
その気になれば高性能武器を量産して大金持ちになれそうだね、面倒だからやりたくないけど。
商売はロイヤルの件で疲れたのです。
無駄に敵を作るからやりません。

さて、あらかた鑑定は終わった。
では本命に移りたいと思います。

俺はメダリオンを手に取った。
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