物の声が聞こえると言っても信じず婚約破棄するのなら、信じてくれた人と幸せになります

天宮有

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第10話

 私は魔法道具の指輪を直して、魔法学園で使うことにした。

 魔法を扱う授業で好成績を出すことができたけど、授業で使えば本来の実力ではない。
 これは大切に保管して、必要な時に使うべきで……指輪も本来の使い方だから、保管してくれた方が嬉しいようだ。

 授業が終わり放課後になると、元婚約者ドルクが私の席までやって来る。
 明らかに激怒している様子で、私は尋ねることにした。

「ドルク様は、何か言いたいことがありそうですね」

「ふざけるな! どうしてお前が俺の指輪を使っている!?」

 壊れた後に売却したというのに、ドルクは自分の物だと言い出す。
 激怒して叫ぶけど、カインが私の元へ来てくれた。

「お前の方がふざけているな。俺の父が購入した指輪で証明もできるのに、どうしてドルクは自分の物だと主張する?」

「そ、それは……間違えて売ってしまったから返して欲しい!!」

「断る。指輪はお前のことが嫌いで、主をミモザに決めたからだ」

 カインの返答に、ドルクは唖然としながら私を眺める。
 どうやらカインを説得するのは諦めて、私に頼み込むつもりのようだ。

「今までのことは悪かった! ミモザが物の声が聞こえると信じるから、俺に指輪を返してくれ!!」

 頭を下げて叫ぶ辺り、成績が落ちたことが堪えているようだ。
 推測はできるけど、私の考えは変わらない。

「返すわけないでしょう。ドルク様が私のスキルを信じても、今は何も意味がありません」

 指輪も私を主と認めているし、ドルクとは関わりたくないらしい。
 私の発言を聞き、ドルクは諦めたようで教室から出て行く。
 ようやくドルクは物の声が聞こえると信じたけど、私にとってはどうでもいいことだ。

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