物の声が聞こえると言っても信じず婚約破棄するのなら、信じてくれた人と幸せになります

天宮有

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第11話

 私がカインと婚約してから、半年が過ぎていた。

 ドルクが指輪を売却して、それを購入した私が直せたことは有名になっている。
 婚約を破棄したドルクの評判は落ちていき、家族やエイダからも蔑まれていたようだ。

 精神的に追い詰められたドルクは家を出ていき、行方不明となっている。
 貴族でなくなったドルクが生きていけるとは思えないけど、もう私には関係ないことだ。

 今日は自室にカインが来てくれて、楽しい時間を過ごせている。
 学園の出来事や今後の予定を話していると、カインが私に尋ねる。

「俺とミモザが婚約してから半年か……ミモザに、聞いておきたいことがある」

「なんでしょうか?」

「どうして俺を、ここまで信じてくれたんだ?」

 私が物の声を聞こえると、カインだけが信じてくれた。
 それだけで十分信じられて、婚約したいと思えたけど……カインとしては、他に理由があるのではないかと考えているようだ。

「カイン様が私を信じてくれたからというのが一番の理由ですが、他にも理由はあります」

「そうか。教えてもらえないだろうか?」

「カイン様の聖剣から、私について話していると聞いていました」

 話しながら、私はカインと婚約する前の出来事を思い出す。

 ドルクと婚約していた時に、カインは私を心配して何かできないか悩んでいる。
 その時の独り言を聖剣が聞き、物の声が聞こえる私に伝えていた。

「……なるほど。俺の好意は、聖剣を通じて前からミモザに知られていたということか」

 私の発言に、カインは納得してくれる。 
 これからも私は、私を信じてくれたカインと一緒だから幸せだ。

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