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第12話

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レヴォク視点

 時間は、シーラに婚約破棄を宣言する数日前まで遡る。
 俺は父の国王に呼び出されて、部屋で話を聞き焦っていた。

「レヴォクよ、お前がソフィーと仲がいいことは知っている」

「うっっ!? 申し訳、ありません……」

 公爵令嬢シーラが婚約者なのに、俺は伯爵令嬢のソフィーを好きになってしまった。
 
 シーラは錬金魔法に優れているが、他の魔法はそこまで凄くない。
 ソフィーは特殊な魔法は使えないも錬金魔法以外の魔法はシーラ以上の実力で、俺に魔法を教えてくれた。

 シーラの錬金魔法で作られた武器は、ガルク国を繁栄させたが俺には意味がない。
 魔法を学んで話し合っている内に、俺はソフィーのことがシーラよりも好きになっている。

 城で会う回数が多すぎたから国王に知られたと考え、俺は焦っていた。
 それでも可能であればシーラとの婚約を破棄して、ソフィーを婚約者にしたいと思ってしまう。 
 とにかく謝罪すると――俺は、国王の発言に驚くこととなる。

「謝る必要はない――シーラには、消えて欲しいと考えていたところだ」

「なっ……どういう、ことですか?」

 理由を尋ねると――どうやら国王は、シーラの錬金魔法で作る武器をこれ以上は増やしたくないようだ。

 シーラの作る武器は、持主が眠って魔力を回復する際に修復されるらしい。
 今まで壊れたことがないようで、その武器をガルク国が独占したいようだ。

「数日後、俺とお前でシーラを始末する。その後ソフィーを、新しい婚約者にすればいい」

 理由は国王が考えているようで、準備もできているようだ。
 この時点で弟ゼロアが全てを知り、シーラを助けようとしていることを――俺達は知らなかった。
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