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第19話

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 私が提案した翌日の夕方には、ゼロアは魔法道具作りに必要な魔石を持ってきてくれた。
 テーブルには様々な形の魔力が籠った石――魔石が並んでいて、ゼロアが話す。

「これで、魔法道具作りができますね」

「はい。ありがとうございます……あの、行動が迅速ですね」

 ゼロアがすぐに動いてくれたのは嬉しいけど、もう試せることに驚いてしまう。
 思わず尋ねてしまうと、ゼロアが微笑みを浮かべて話す。

「シーラにやりたいことができたのなら、僕は全力で協力するだけです」

「そ、そうですか……ありがとうございます」

 どうやって集めたのかが気になってしまうけど、それよりもゼロアの気遣いが嬉しかった。

 どうやら私は、バーレツ国に来てやることがなくなり不安だったのかもしれない。
 魔法道具を作りたいと思ったのも、私にできることをしたくなったからだ。

「様々な魔石を組み合わせて、イメージを籠めた魔力を流して力を得るとされていますけど……魔法道具を作る人は、直感で作っているようです」

 ゼロアは魔法道具について調べてくれたようで、作り方を話してくれた。

 魔法道具は、錬金魔法でなくとも作れる。
 私は作ったことがないけど……錬金魔法を使えば、私でも魔法道具が作れそうな気がしていた。
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