上 下
23 / 48

第23話

しおりを挟む
 私達がバ―レツ国に来て、半年が経っている。
 平和で幸せな生活を送っていて、今日は家に客人が来ていた。

 私の隣にはゼロアがいて、テーブル越しには鎧を着た青年が座っている。
 バーレツ国の冒険者ギルドで一番強い人らしく、ギルドマスターと呼ばれているようだ。

「シーラの作る魔法道具によって、バーレツ国の冒険者達は助かっている……本当にありがとう」

「冒険者ギルドが、魔法道具作りに必要となる魔石を提供してくれるからです。私の方こそ、ありがとうございます」

 頭を下げるギルドマスターに対して、私もお礼を伝えた。
 
 ギルドマスターの紹介は前に受けていて、何度かこの家で会っている。
 私の作る魔法道具を内密に取引してくれて、魔石の提供もしていた。
 それによって冒険者ギルドは助かり、私達も多額の報酬を貰っている。

「錬金魔法についても、ギルドマスターが調べてくれました」

 ゼロアの話を聞いて、私は納得する。
 ギルドマスターは私の作る武器も知っているから、魔法道具を作れることにも納得しているようだ。

「シーラの武器についても知っている……そのことで、話したいことがあって来た」

 そう言って、ギルドマスターがテーブル越しに私達を眺める。
 どうやらギルドマスターは、私達に話したいことがあるようだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

可笑しなお菓子屋、灯屋(あかしや)

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:766pt お気に入り:1

異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,450pt お気に入り:4,744

【完結】君は星のかけらのように・・・

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:128

あなたの世界で、僕は。

BL / 連載中 24h.ポイント:1,662pt お気に入り:54

処理中です...