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第13話

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ルグド視点

 俺はアリザと別れたことを後悔して、どうすればいいのかわからなくなっていた。

 そして時間が過ぎて――父は、俺の新しい婚約者を決めたようだ。 
 新しい婚約者は侯爵家の令嬢シェムのようで、3歳年上と聞いている。
 別の魔法学園に通っているようで、俺は実際に会ってシェムの美しさに驚いていた。

 侯爵家の令嬢ということもあり、俺はこれからアリザのことを忘れられるかもしれない。
 応接室でシェムと対面して、俺は気になっていたことを尋ねる。

「シェムはここれほどまで美しいのに、今まで婚約を申し込んだ者がいなかったのか?」

「……はい。ですが私は、ルグド殿下と結ばれる運命だったと想っております」

「そ、そうか」

 アリザは俺が蔑んでいたことを知っていたからか、好意的な反応を今まで見せたことがない。
 笑顔を浮かべて嬉しそうなシェムを見ていると、頼みならなんでも叶えたいと思ってしまう。
 そんなことを考えてしまうと……俺の反応から、シェムは聞きたいことができたようだ。

「ルグド殿下は、まだ前の婚約者アリザ様のことを考えているのですか?」

「……どうして、わかった?」

「見ているとわかります。アリザ様を、後悔させたいと考えていますね」

 心を見透かされたように、いいや――シェムは、俺のことをわかってくれる。
 俺は今までの出来事、そしてアリザとの婚約破棄を後悔していたことを話す。
 シェムの言うとおり、俺はアリザを後悔させたいと思うようになっていた。

「シェムが婚約者になってくれたから、これからアリザのことは忘れることができそうだ」

 俺は本心を話すが、シェムは思案してから提案する。

「はい……私達の仲を見せつけて、アリザ様を後悔させましょう」

「ああ。それいいと、俺も考えていた」

 シェムの発言を聞き、俺は全て正しいと思うようになる。
 自分でも考えられないほどに心が弱っていたようで、シェムには傍にいて欲しかった。
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