別れたいようなので、別れることにします

第１５話

　私がカインと婚約したことが、元婚約者のルグドは許せないようだ。

　ルグドは教室で、新しい婚約者となったシェムの自慢話をしている。
　教室に私がいる時には、聞こえるように取り巻きと話していた。

「ここ最近、俺の成績が向上しているのはシェムのお陰だ。アリザは教えることができなかったからな」

　そう言って、私と比較した発言ばかりしている。
　シェムの自慢をしていると流れで、比較相手として私を侮辱したいようだ。

　私が教えることができないと言っているけど、実際のルグドは教わろうとしなかった。
　今ルグドの成績が向上しているのは事実で、シェムの指導は気になってしまう。

「シェムは美しく、アリザと違って俺を敵視しない。婚約者に選んでよかった」

　私を間接的に蔑むことにしたようだけど、どうでもいいと本心から思っている。
　ルグドは時々私を眺めて、明らかに苛立っている様子だ。

　どうやら私が悔しがると思ったようだけど、何も思うことはない。
　ルグドとしては、そんな私が気に入らないようだ。