上 下
22 / 50

第22話

しおりを挟む
ルグド視点

 俺は魔法学園で、禁止されている魔法薬を飲むという不正が発覚してしまう。
 城の大広間に呼び出されて、父が激怒していた。

「学園で魔法薬を飲むとは何を考えている!? 他の王子達も不正を疑われているのだぞ!!」

「そ、それは……申し訳ありません」

「今回は初犯だから謹慎程度で済んだが、次に似たようなことをしてみろ……今度は家族の縁を切る!」

 俺は罰として謹慎処分を受けるが、これは王子という立場と初犯だからのようだ。
 次からは王子だとしても退学がありえるようで、もう不正をすることはできなくなってしまう。

「わかりました……申し訳、ありませんでした」

 俺は謝罪しているが、内心ではアリザに対する憎しみが増していた。

■◇■◇■◇■◇■

 父に怒られて憔悴した俺が部屋に戻ると、シェムが宥めてくれた。

 黙っていたことも許してくれて、今度からは話して欲しいと言われる。
 俺は反省して、シェムに従うべきだと考えるようになっていた。

「もう不正はしない方がいいでしょう。これから徐々に、アリザ様を後悔させていけばいいだけです」

「そうだな……シェムの評判も落としてしまった」

「私は気にしていません……今度から、行動を起こす時は必ず私に話してください」

「ああ。その方がよさそうだ」

 シェムの話を聞き、俺は本心を話す。
 何か気になっているようだが、俺は気のせいだと思うようになっていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:22,446pt お気に入り:1,353

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14,549pt お気に入り:3,343

愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:3,719

拝啓お父様。今日も私は元気です

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:32

ある公爵令嬢の生涯

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,452pt お気に入り:16,126

処理中です...