婚約破棄を謝っても、許す気はありません

第３１話

　私は現状から、ルドノの処罰は軽くなりそうだと考えてしまう。

　ルドノは陛下に話して、全てザノークのせいにしている。

「カルラ様を魔法で攻撃したのもザノークです。私はザノークの命令を聞き、立場から動くしかありませんでした！」

　ルドノ自身が関わった部分は、ザノークに命令されて仕方なくということにするらしい。

　行動したのだから処罰は受けそうだけど、このままだと魔法学園の謹慎程度になりそうな気がする。

　その間にルドノは私とリック様に対して報復を考えそうで、それが怖くもある。

「一番危険なルドノを、なんとかしないと――」

　そう考えて呟いてしまった時――私の隣で、暴風を受けてルドノが吹き飛んでいた。

「――えっ？」

　すぐに後ろを振り向くと、ルドノが床に何度も叩きつけられて転がる。
　
　城の大広間が騒ぎになって――床に叩きつけられた悲痛そうなルドノを眺めて、この場にいる１人以外は唖然としていた。

　その１人は――ルドノに杖を向けて、全力の魔法を繰り出したザノークだ。