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第10話
屋敷に戻ると、カインが応接室に来ていると報告を受ける。
シェムのせいで少し遅くなってしまったけど、帰宅する頃合いを見てきてくれたようだ。
カインは明日の儀式で何をするか、私に話す。
「アイラ様は聖女になることは知らない風を装い、話を聞くだけで問題ありません」
「はい……あの、私が聖女に選ばれるのは間違いないんですよね? 私ではなく、他の人が聖女になる可能性はあるのでしょうか?」
明日の儀式について話を聞くけど、私はカインに尋ねてしまう。
今日のシェムの話を聞くと、本当に聖女になれるのか少しだけ不安だった。
そんな私を眺めて、カインは真剣な表情で話してくれる。
「普通ならわからないようですが、今回は他の2人が聖女の素質がありませんでした」
「聖女の素質ですか?」
「はい――聖女をとして加護を受け入れる意志と、聖女として行動できる能力が必要となります」
冒険者の聖女候補は、聖女になりたくないと考えている。
そしてシェムの行動は、聖女として絶対にやってはいけなかったようだ。
カインから話を聞き、私が聖女になるのは間違いないと確信する。
明日が不安になっていたけど、話を聞いて安堵することができていた。
■◇■◇■◇■◇■
翌日になって、聖女の儀式がはじまろうとしている。
私達はコロシアムの中央に立ち、これから誰が聖女になるか宣言されるようだ。
コロシアムは魔法による大会が行われたりする場所で、儀式をするのによかったらしい。
中央の舞台には聖女候補の私達、国王や王子達、賢者の人と他国の聖女がいる。
聖女の歴史や行動について、声を会場に伝える魔法道具で話していく。
マイクを経由して、スピーカから賢者の人が聖女の魔法について語っていた。
私は事前に聞いていたけど……隣で、シェムが話しかけてくる。
「今まで私に言い返してきましたけど、聖女になれば聖女候補は補佐となります」
補佐は1人でいいようで、冒険者の聖女候補は辞退していた。
これは聖女に選ばれてもならないと約束して、陛下が認めたことだ。
会場の人達も知っていて、私かシェムのどちらかが聖女となる。
最近は私の成績も向上しているから、どちらが聖女になってもおかしくないと噂されていた。
「もし私が聖女になれば、シェム様が私のために動くのかが不安です」
「そんな未来は絶対にありえません。後数分もすればわかることでしょう」
「シェム様はそう思っていても、ルグド殿下は違うようですね」
そう言って私は、少し離れた場所にいるルグドを眺める。
どちらが聖女になってもおかしくないと噂を聞き、一番焦っているのはルグドだ。
全身を震わせて目を閉じ、最悪の事態を想像している様子だ。
そして儀式が進行して――私が、ムーディス国の聖女に決まった。
シェムのせいで少し遅くなってしまったけど、帰宅する頃合いを見てきてくれたようだ。
カインは明日の儀式で何をするか、私に話す。
「アイラ様は聖女になることは知らない風を装い、話を聞くだけで問題ありません」
「はい……あの、私が聖女に選ばれるのは間違いないんですよね? 私ではなく、他の人が聖女になる可能性はあるのでしょうか?」
明日の儀式について話を聞くけど、私はカインに尋ねてしまう。
今日のシェムの話を聞くと、本当に聖女になれるのか少しだけ不安だった。
そんな私を眺めて、カインは真剣な表情で話してくれる。
「普通ならわからないようですが、今回は他の2人が聖女の素質がありませんでした」
「聖女の素質ですか?」
「はい――聖女をとして加護を受け入れる意志と、聖女として行動できる能力が必要となります」
冒険者の聖女候補は、聖女になりたくないと考えている。
そしてシェムの行動は、聖女として絶対にやってはいけなかったようだ。
カインから話を聞き、私が聖女になるのは間違いないと確信する。
明日が不安になっていたけど、話を聞いて安堵することができていた。
■◇■◇■◇■◇■
翌日になって、聖女の儀式がはじまろうとしている。
私達はコロシアムの中央に立ち、これから誰が聖女になるか宣言されるようだ。
コロシアムは魔法による大会が行われたりする場所で、儀式をするのによかったらしい。
中央の舞台には聖女候補の私達、国王や王子達、賢者の人と他国の聖女がいる。
聖女の歴史や行動について、声を会場に伝える魔法道具で話していく。
マイクを経由して、スピーカから賢者の人が聖女の魔法について語っていた。
私は事前に聞いていたけど……隣で、シェムが話しかけてくる。
「今まで私に言い返してきましたけど、聖女になれば聖女候補は補佐となります」
補佐は1人でいいようで、冒険者の聖女候補は辞退していた。
これは聖女に選ばれてもならないと約束して、陛下が認めたことだ。
会場の人達も知っていて、私かシェムのどちらかが聖女となる。
最近は私の成績も向上しているから、どちらが聖女になってもおかしくないと噂されていた。
「もし私が聖女になれば、シェム様が私のために動くのかが不安です」
「そんな未来は絶対にありえません。後数分もすればわかることでしょう」
「シェム様はそう思っていても、ルグド殿下は違うようですね」
そう言って私は、少し離れた場所にいるルグドを眺める。
どちらが聖女になってもおかしくないと噂を聞き、一番焦っているのはルグドだ。
全身を震わせて目を閉じ、最悪の事態を想像している様子だ。
そして儀式が進行して――私が、ムーディス国の聖女に決まった。
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