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第11話
ルグド視点
時間は前日まで遡り、俺は不安で苦しんでいる。
不眠症になる程で、原因はアイラの成績が徐々に向上しているからだ。
アイラが次の聖女になると噂を耳にすれば、俺は過呼吸に陥ってしまう。
シェムを婚約者にしたことを強く後悔して、頭痛に苛まれていた。
明日には聖女の儀式が行われて、シェムが聖女になるだろう。
それでも俺は不安になってしまうと、部屋に来たシェムが話す。
「ルグド様、明日は間違いなく私が聖女に選ばれます」
「わかっている! それでも、アイラの成績はシェムに追いつきそうだ……」
「大地から魔力を得ているのなら、私の体内に宿る魔力は減っているはずです。アイラ様の実力なのは間違いありませんが、私を超えることはないでしょう」
シェムの魔力が急成長した理由を、俺は前から知っていた。
聖女になれば加護を得て問題ないようで、シェムが聖女になると確信していたから俺は婚約者にしている。
それなのに……アイラが努力して、魔力を急激に向上させていた。
聖女について調べていたから、理由を推測して俺は呟いてしまう。
「聖女の儀式が近づくと、急に魔力が向上していく……アイラが、聖女になるのではないか?」
「ルグド殿下が不安になるのはわかりますけど、まだ私の方が上です! 私が聖女に決まっています!!」
シェムは断言して、聖女になることを確信している。
明日になれば、全てが発覚するだろう。
俺はシェムが聖女になると、信じるしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
「――アイラ様が、ムーディス国の聖女です!」
翌日になって、聖女の儀式がはじまり……他国の聖女が、会場の皆に聞こえるよう魔法道具で宣言する。
今日で不安が晴れると思っていたのに、最悪の事態になろうとしていた。
「そんな……馬鹿な……」
俺は目眩がして、頭を抱えながら呆然とするしかない。
憐れむような視線を、会場中から浴びているような気がしてくる。
今この場で注目されているのは、間違いなく聖女と宣言されたアイラだ。
それでも……俺は精神が不安定になり、立っていられなくなってしまう。
「俺が何もしなければ、婚約者が聖女だったのか……」
シェムが聖女になれなかったから、俺は頭が真っ白になっていく。
そんな中で――俺以上に、シェムが取り乱していた。
時間は前日まで遡り、俺は不安で苦しんでいる。
不眠症になる程で、原因はアイラの成績が徐々に向上しているからだ。
アイラが次の聖女になると噂を耳にすれば、俺は過呼吸に陥ってしまう。
シェムを婚約者にしたことを強く後悔して、頭痛に苛まれていた。
明日には聖女の儀式が行われて、シェムが聖女になるだろう。
それでも俺は不安になってしまうと、部屋に来たシェムが話す。
「ルグド様、明日は間違いなく私が聖女に選ばれます」
「わかっている! それでも、アイラの成績はシェムに追いつきそうだ……」
「大地から魔力を得ているのなら、私の体内に宿る魔力は減っているはずです。アイラ様の実力なのは間違いありませんが、私を超えることはないでしょう」
シェムの魔力が急成長した理由を、俺は前から知っていた。
聖女になれば加護を得て問題ないようで、シェムが聖女になると確信していたから俺は婚約者にしている。
それなのに……アイラが努力して、魔力を急激に向上させていた。
聖女について調べていたから、理由を推測して俺は呟いてしまう。
「聖女の儀式が近づくと、急に魔力が向上していく……アイラが、聖女になるのではないか?」
「ルグド殿下が不安になるのはわかりますけど、まだ私の方が上です! 私が聖女に決まっています!!」
シェムは断言して、聖女になることを確信している。
明日になれば、全てが発覚するだろう。
俺はシェムが聖女になると、信じるしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
「――アイラ様が、ムーディス国の聖女です!」
翌日になって、聖女の儀式がはじまり……他国の聖女が、会場の皆に聞こえるよう魔法道具で宣言する。
今日で不安が晴れると思っていたのに、最悪の事態になろうとしていた。
「そんな……馬鹿な……」
俺は目眩がして、頭を抱えながら呆然とするしかない。
憐れむような視線を、会場中から浴びているような気がしてくる。
今この場で注目されているのは、間違いなく聖女と宣言されたアイラだ。
それでも……俺は精神が不安定になり、立っていられなくなってしまう。
「俺が何もしなければ、婚約者が聖女だったのか……」
シェムが聖女になれなかったから、俺は頭が真っ白になっていく。
そんな中で――俺以上に、シェムが取り乱していた。
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