断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません

天宮有

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第2話

 時間を戻す魔法を使い、私は屋敷のベッドで目覚める。
 家族から日時を聞くと一年前に戻ることができて、私は安堵していた。

 数日が経ち――私は馬車に乗って、時間を戻す魔法を教えてくれた公爵令息レオンの屋敷に向かっている。
 とにかく私は、レオンに聞きたいことがあった。
 ここ数日間で起きたことを、私は誰もいない馬車の中で呟く。

「レオン様の言うとおり、時間を戻す魔法は2度と使えないようですね」

 使える人は歴史上でもいないようだけど、誰にも教えていないだけで数人はいるはずとレオンは言っていた。
 それより気になることは、時間が戻っても私の魔力が変わらないということだった。

「魔力を宿すのは魂と聞いていますけど、時間を戻しても魂が同じということでしょうか?」

 魂についてはよくわかっていないから、現状から推測しているだけだ。
 とにかく膨大な魔力は隠し通そうと考えながら、今後のことを考えている。

「ゼノラス殿下はまだ婚約者……今から半年後、私に膨大な魔力を得させようと実験を強要してくるはず」

 今の私は実験が成功した後だから、無意味だと思う。
 問題はその実験の方法が世界的に禁止されている手段で、発覚したら処刑されるということだ。

「それがバレてから、ゼノラス殿下は全て私のせいにした……時間を戻せたから、今度は同じ目に合いません!」

 復讐を決意して、更に今後の行動について考えていく。
 膨大な魔力を得ているし、人生を楽しむことができそう。
 とにかくゼノラスに復讐してから、私は楽しく生きようと決意していた。

■◇■◇■◇■◇■

 レオンのいるハルロス公爵家の屋敷に到着して、私は応接室に案内されていた。
 短い金髪の美少年――レオンと対面した私は、来た理由を話す。

「私はレオン様から、時間を戻す魔法を教わりました」

 ゼノラスによって私が魔力を得た時、レオンがやって来る。
 そして今の私なら、時間を戻せる魔法が使えるかもしれないと言って魔法を伝授した。

 時間を戻せたら、屋敷に来て戻した理由を話せば力になると約束している。
 それでも今のレオンにはその記憶がないから、信じてもらえるのかがわからない。
 不安になってしまうけど、レオンは私に微笑んで話す。

「そうでしたか……ルリサ様は、それ程の魔力を得ることができたのですね」

「えっと、私の発言を信じてくださるのですか?」

 いきなり時間が戻って来たなんて、普通は信じないと思う。
 それでもハルロス家の魔法だからか、レオンは信じてくれるようだ。

「はい。時間を戻した理由はわかりませんけど、未来の俺がルリサ様に魔法を教えた理由はわかっていますから」

「それは、なんですか?」

「今なら言っても問題ないでしょう――俺は、ルリサ様のことが好きです」

 時間を戻す魔法を教えてくれた理由を聞くと、私はレオンに告白されていた。
 困惑している私に対して、レオンが詳しく話してくれる。
 
「今まではゼノラス王子が婚約者だから、諦めていました。それでも未来の俺がルリサ様に魔法を伝授したということは、時間を戻さなければならない理由があったのでしょう」

 レオンは私が好きだから、助けるためにハルロス公爵家に伝わる魔法を伝授したようだ。

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