婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有

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第25話

ルドノス視点

 治療院に到着して、俺は仮面の聖女に話しかける。
 提案を拒まれたことは信じられないが、最悪の事態は想定していた。

 兵士達が仮面の聖女を取り囲み、捕らえてしまえばいい。
 院長がマウロを連れて来たことには驚くが、排除するだけだ。

 仮面を外したマウロに対して、俺は全てを話すことにした。

「仮面の聖女を捕らえて、キサラの代わりに働いてもらう。貴様等は口封じに消すとしよう!」

 もうマウロは消えるのだから、話して構わないだろう。
 目論見通りになると確信していたのに、捕らえようとした兵士達が倒れていた。

 仮面の聖女の手が白く光っている辺り、魔法を使ったと推測はできる。
 一瞬の出来事に恐怖していると、その手を向けられ動揺した俺は倒れてしまった。

 数ヶ月前の出来事を思い出して――俺は、ミレナを魔法で突き飛ばした。
 まさか自分が同じ目に合うとは思わず、同じなら攻撃されると焦り叫ぶ。

「こ、この俺を魔法で攻撃すれば、後悔することになるぞ!?」

「先に俺達を消すよう指示を出したのはお前だろう……お前の発言は、全て魔法道具で録音している」

 魔法による攻撃はないが、マウロの発言に俺は驚愕する。
 どうやらマウロが現れてからの発言は、全て録音されていたようだ。

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