婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有

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第26話

ルドノス視点

 発言が録音されていると知り、俺は動揺していた。

 それでも仮面の聖女を諦めたくなくて、マウロに向かって俺は叫ぶ。

「マウロ王子はランアス国の状況を理解しているだろう!? お前よりも俺の方が仮面の聖女が必要なんだ!!」

「ルドノスの婚約者キサラが聖女の生まれ変わりと公表して、数日で聖なる魔法が使えなくなったことだろう。自業自得だ」

 マウロに言い返すことができず、何を言っても無意味だろう。
 それなら仮面の聖女を説得するべきで、俺は相手を変えて叫ぶ。

「うっっ……俺は仮面の聖女と結婚してもいいと考えている! 平民が王子である俺の妻になれるのだから、これ以上に嬉しいことはないだろう!!」

「嫌に決まっています。今までの言動から、好きになれる要素は皆無です」

「そ、それは――」

「――いい加減にしろ。諦めて帰り、今後関わらないと約束するのなら今日の出来事は公表しないでおこう」

「本当か!」

 マウロの発言を聞き、俺は安堵する。
 最悪の事態は避けられそうだが、マウロの発言に俺は苦しむこととなる。

「仮面の聖女に関わらないことが条件だ……どうする?」

「……わ、わかった」

 マウロの発言を聞き、俺は頷くしかない。
 この場で一番強いのは間違いなく仮面の聖女だから、捕らえることを諦めていた。

 それでもキサラが起こした問題を解決する方法は、仮面の聖女を利用する以外にない。
 別の方法を考えることにして――俺は、更に後悔することとなる。

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