婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有

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第38話

 城に到着して、門番の人はマウロ王子に驚いていた。

 城門でマウロ王子が話すと、城に入る許可が出ている。
 最初は応接室に案内させる予定だったけど、キサラの部屋に向かいたいと告げた。

 私がキサラと公表しているから、ミレナの部屋に行くのは問題ない。
 そのことを話すと報告に行った兵士が戻って来て、キサラの部屋まで案内してくれるようだ。

 廊下を歩きながら、私は隣にいるマウロと話す。

「呪いを解かせたくないから拒む可能性もありましたが、問題ありませんでしたね」

「王家は仮面の聖女がキサラと公表している。拒む理由が思いつかなかったのかもしれないな」

 私をキサラと思わせたのだから、それを利用して行動する。

 王家が提案を受け入れたのは、私がキサラを治しても問題ないと考えているのかもしれない。
 目覚めたキサラには、自分がミレナと認める可能性が高そうだ。

 私達がキサラの部屋に入ると、そこにはルドノスと宰相と国王の姿が見える。
 この3人は真相を知っていそうだから、私は仮面を外すことにした。

 キサラと同じ顔――ミレナの顔を見せて、私は告げる。

「お久しぶりです――どうしてキサラが、私ということになっているのでしょうか?」

 理由はわかっているけど、あえて私はルドノスに尋ねる。
 マウロ以外が私の正体に驚いているけど、後悔させるのはこれからだ。

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