大人になっても断れない私

七瀬蓮

文字の大きさ
20 / 242
四年後の再会

4月の告白

しおりを挟む
一月に菜乃華カップルに会った3日後私は同じカフェを紫音ちゃんと後輩の由美ちゃんとも訪れていた。朝の10時半に母校の高校前で集合し店へと向かった。
詩音ちゃんは懐かしさと店がなくなることへの寂しさを募らせていたが、由美ちゃんは、その感情に加えて、
「未来先輩。菜乃華先輩と会ったんですよね。どうでした?」
と、詩音ちゃんがトイレに席を外す度聞いてきた。私は菜乃華が彼氏を連れてきたこと、菜乃華が中田さんに私の性癖私がバイセクシャルな事を勝手に公言していた事、彼氏さんが私にセクハラ紛いな言動をしても、菜乃華は死にそうな顔して、
「未来が海斗さんとしたいなら全然いいよ。」
と言ってきたこと、勝手に連絡先を交換させられたことなどを詩音ちゃんがトイレで席を立つ合間に全て話した。
詩音ちゃんは菜乃華と私を引き合わせてくれたが、その後、菜乃華との関係がギクシャクしだしたので、あまり詩音ちゃんの前で菜乃華の話題は出せないのを由美ちゃんは分かってくれていたので、詩音ちゃんの前ではその話はしなかった。
その後、近くのハンバーガー店に行き、ハンバーガーを食べ、詩音ちゃんは大学生で次の日の課題が終わってないとの理由で、15時に帰っていった。詩音ちゃんをバス停まで見送り、私は由美ちゃんを家まで送り届ける事にした。というよりそういう表向きの理由をつけて、本当は話を聞いて欲しかった。由美ちゃんは私の話を真剣に聞いてくれて、
「もう、菜乃華先輩は死んだと思った方が未来先輩は幸せになれると思います。高校時代の先輩方の出会いの話は前に聞いて知ってますけど、菜乃華先輩は根がいい人なので関係を切ろうと考えると未来先輩が苦しくなっちゃいます。」

と自分のことのように考えて言ってくれた。
さらには、
「本当に必要なご縁なら、切ってもまたどこかでつながりますよ。…とはいえ未来先輩は情に流されやすいですからね。一度菜乃華先輩の彼氏さん抜きで2人で女子会という名目で会ってみたらいいんじゃないですか?…それで話が通じなかったら縁を切って未来先輩、幸せになってください!!」
といい、私が話した事を菜乃華に伝わるようにまとめてくれた。

そして、菜乃華にたまには女子だけで話そうぜと言うメッセージを送り、そして、4月5日の土曜日に菜乃華と2人で5区にあるパンケーキ屋さんに行った。パンケーキを注文して、私は本題に入った。

「この間言ってくれたこと(親友以上恋人未満)嬉しかった。
私も同じように思ってるからこれかも本気の付き合いしたいので、今まで言えなかった事言いたくて誘いました。
そもそも私が魔女予備軍なのがダメなんだけど
■セクハラ発言(やるやらん、私と菜乃華の歳による煽り、胸のサイズ、菜乃華に言わなきゃいいし、ネカフェとかで待たせとけばいいみたいな考え、2人の夜の話、教えるのはタダだし、タダで抱ければ俺もいいし、ホテル代出すし経験しといた方がいいから相手になる、結婚したらそういう事も協力できないし、あと一年ぐらいだから、言ってくれたら協力するから考えておいて)初回冗談だと思ってた。
2回目でガチ…(未来も、俺らの家に来て泊まって家ですれば、いいし、その間菜乃華にコンビニにお使い頼めばいいし!、外だと菜乃華が酔っちゃうから家飲みみんなでしよー)は?って思ったし優しさの方向間違ってる気がする。私はめちゃ上の彼氏さんとの間合いがいまだに分からないので笑ってごまかしちゃってごめんけど、
そういう話してる時の菜乃華の顔二回とも死んでたけど、それに気づかずその話を延々としてるところ
■毎回私の性癖いじってくる割には話膨らまんし、話題出すなら美味しくしてって思う。へーとしか俺は思わない→で?何?
2回目ぎこちなくなっちゃったけど、菜乃華との仲が壊れるぐらいなら私は魔女になってもいいと思ってる。
■タバコも一声菜乃華がかけとったけど、もう三十なら、自分から言わないかんのじゃないの?
2回目も私ら待たせて、店の中でタバコ吸ってるのも疑問に思った
■初回から呼び捨てするけど、私はなんで呼んでいいか分からん、
■何話していいか分からん
■大っぴらにできん関係
カップル+1人→私って側からみたら邪魔じゃない?
★3人であうのが当たり前になってるけど、気を使うので私は彼氏さんと会うのは気が進まないし、菜乃華と2人で会いたいので、もしまた、連れてくるならもう菜乃華とも会わないからそのつもりでいて」
と菜乃華カップルに対して思っている事を全てぶつけた。すると、菜乃華は泣き出し
「未来がそんなこと思ってたなんて知らなかった。ごめん…私配慮が足りなかったよね。でも、未来から本音を聞けて嬉しい。未来が私のこと大事に思ってるってことだよね」
と聞かれたので
「もちろん。菜乃華は私の王子様だもん。」
「あの時は泣きっ面のヒーロでしたね」

と私の思いは伝わり、菜乃華は全て受け止めてくれた。和解できた喜びが私の脳内を駆け巡った。

その後、5区のデパートのパスタ屋で夕飯を一緒に食べ、菜乃華を駅まで送った。
「菜乃華。愛してる。」
と私は菜乃華に抱きついた。
すると菜乃華も
「私も好きだよ」
といい、私たちの関係は丸く収まったと思っていた。




しかし、その後菜乃華からメッセージが届くことはなく、私がメッセージを送っても既読すらつかなかった。
それから菜乃華との繋がりは切れてしまった。そこから96連絡が来ることはなかった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...