大人になっても断れない私

21歳の底無し沼

トッピー④

それから3日後

「今月の中旬までしか東京にいないんだけど、空いてる日ある？最後に未来ちゃんに会いたいと思って」

とトッピーさんから連絡が来た。この人は鋼のメンタルなのか？と思いながらも、私は学生時代、

「自分の欠点を面と向かって言ってくれる人は、大切にしなさい。それは言い辛い事だけど、あなたをよくするために言ってくれているのだから。」

と言う先生からの教えを胸に刻んで生きてきたから、トッピーさんの事は、何となく信用はしていないが、信頼はしていた。私の口調を聞いて怒ってるように聞こえると言ってくれた後、優しいとは思うとフォローをしてくれたから、きっといい人なのだろう。

そこでたまたま空いていた４月８日の水曜日に会うことになった。

「今回は前回出した候補の中で僕が行きたいお店にしていい？」

とトッピーさんに聞かれたので、

「はい。どこにしましょう？」

と自分に決定権がないことに少し安堵していた。トッピーさんが選んだのは私が前回候補で提案した店の中の一件だった。

その日も5区の駅で待ち合わせ、おやつでチーズケーキを食べることになった。

そして待ち合わせ時間に合流し、お店へと向かった。

そのお店は私は高校時代に友達に連れてきてもらったことあるなーと思いながら、お店へと向かった。

そしてチーズケーキとカフェオレを注文し、食べ始めた時トッピーさんが

「この間、人脈広げたいって言ってたやん？俺が最近始めたコミュニティーに一緒に参加してみない？そこに人たちいい人ばかりだから、きっと未来ちゃんも気にいると思う！あ、帰ったらURL送るから今度試験で俺とテレビ通話してみようよ」

と一方的に話を進められ、私は急展開すぎて頭が追いつかず、
「はい。」

と答えてしまった。

お店を出た後、また小腹が減ったから、という理由で５区の商店街に来て、唐揚げ話を食べた。座って唐揚げを食べていたら、

「あの鳩みて！あの鳩だけ、脚が一本ないよ」

と言われたので見てみると、確かに足の先が片足だけ2本になっていた。

「本当ですね。どうしたんだろう。」

と私が言うと、

「義足とか作ってあげたいよね」

と言うトッピーさんの言葉を聞いて、

「そうですね。」

と返した。が、動物が大好きな私はトッピーさんの一言で人としてトッピーさんの事が好きだと思ってしまった。

隣にいたヤンキーらしき3人組も、片足が2本の鳩のことを話していたが、可哀想としか言っていなかった。

その日は唐揚げを食べ、駅まで送ってもらって解散となった。