大人になっても断れない私

七瀬蓮

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21歳の底無し沼

講師

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「お見かけしない顔ですね。お名前伺ってもよろしいですか?」

とまたもや尋ねられた。聞いてきたスーツの男性を見ながらくどい!という感情を抱きながらも、

「一般の未来です。」

とノノさんが毎度していた挨拶を自らした。もう何度も聞かされて覚えてしまった。すると、他の人とは違う回答が返ってきた。

「一般の人かよ!何しにきやがったんだ!…ってのは冗談で、誰かの紹介かな?」

と笑いながらも前半は本音だろうなと感じていた。するとノノさんが

「僕が紹介して連れてきました。」

と言い、それを聞いたスーツの男性は、

「ナンパかなんかされたの?」

と聞かれて、

「そうなんですよ~!ノノさんにナンパされちゃいました~!」

と冗談ぽくスーツの男性に伝えると、

「ハハハ。それは申し訳なかったね。じゃあ、迷惑をかけたお詫びにこれをあげよう!本当は僕のお昼になる予定だったやつだけど!うちの生徒が迷惑かけたから!」

と財布から手渡されたのは黄色い帯状のものだった。それを見た他の剛さん、華さんが、

「え!いいな!僕たちにもくださいよ!」

と言っていた。手に渡されたのはマクロナルドのビックバーガーの引換券と書かれていた。

「未来さん。こちらの方は講師の先生ですごくお偉い方なんですよ!」

と紹介された。

「そうなんですね!券ありがとうございます。」

とバカっぽく言ったが、内心はお偉いさんということは、ノノさんや他の方の説明からすると、先程の女性は四十万稼いでるとやノノさんが言っていたがそれ以上稼いでるということになる。そんな人がこんな券でご飯を済ませるなんて、学生じゃないんだから…。と思う私だった。
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