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カランカランカラン
と扉が開く音がした。
「申し訳ございません。お店の方本日はお休みさせていただいております。」
と店員が伝えに行くと、黒い喪服を着た女性が立っていた。
「やぁ、、、奈津ちゃん。茂は今車置きに行ってるかな?…中に入って。ゆっくりしようか。」
と後ろからきたマスターに言われて、奈津と呼ばれる女性は、中に入っていった。
「奈津ちゃん…。ここの席に座ってください。生前…小夜さんが、毎回使っていた席なんです。」
とマスターに言われて、
「なんか…母がいる気がするので、ここの向かいの先に座らせていただきます。母は、、、毎日のようにここにきて、1人で騒いでるのは知ってたんです。今日は鷹にご馳走になったとか言ってたから。ボケてるのかなと最初思ってたんですけど、その絵を見て確信しました。母は、ここで、私たちには見えない友達と会ってたんですね…。母は、1人じゃなかったんですね。」
と泣きながら奈津は言った。
「小夜さんは1人なんかじゃないですよ。たくさんの仲間がいたんです。初めましてで、失礼します。マスターや茂さんだけじゃなく、たくさんのご友人に囲まれて、楽しんでましたよ。僕は今年の慰霊祭がきっかけで見えないお友達が見えるようになって、小夜さんとの世界が共有できるようになりました。同じ世界を通してみても、小夜さんは楽しんでたと思います。」
と店員が、言うと、
「マスター…。1週間…1週間だけここのテーブル席キープしておいてもらえませんか?」
と言うと、
「もちろん。小夜さんも生前そう言ってたよ。だから、安心して。奈津ちゃんは急な事で驚いただろうから、、、僕らもそう。ゆっくり気持ちの整理つけていこうね。」
と言うマスターの言葉がトリガーになり、店員の中に小夜が入った。
「奈津…。急に逝っちゃってごめんね。私の事ボケてるって思ってても、毎日行くの許してくれてたんだね。…そんな優しいなっちゃんが大好きよ。今までずっと…。これからも。だから、1週間で私のことはキリつけて、新しくなっちゃんを支えてくれる人を、、、見つけてほしいかな。そうしてくれたら…私は安心できるから。」
と店員の口から言葉が出ているが、店員の声ではなく、小夜の声だった。
「お母さん…。分かったよ。」
と泣きながら奈津は言った。それから、30分くらい奈津と店員が、親子水入らずの話をした。そして、
「さぁ、、、あんまり長居すると、店員くんの体に負担かかっちゃうから、そろそろ逝くね。…なっちゃんの事見守ってるから。」
と笑顔で店員の体から抜けたのか、店員は気絶した。
「え?!ちょ、、ちょっと?大丈夫?」
と慌てる奈津に、
「大丈夫。店員くんに水を用意してきたから。この間より憑依時間…少し長い時間だったけど、多分大丈夫だから。」
と言う茂さんの声で、店員が目醒めた。
「奈津さん…小夜さんとお話しできてよかったです。」
と和かに言う店員の顔は仏のようだった。
と扉が開く音がした。
「申し訳ございません。お店の方本日はお休みさせていただいております。」
と店員が伝えに行くと、黒い喪服を着た女性が立っていた。
「やぁ、、、奈津ちゃん。茂は今車置きに行ってるかな?…中に入って。ゆっくりしようか。」
と後ろからきたマスターに言われて、奈津と呼ばれる女性は、中に入っていった。
「奈津ちゃん…。ここの席に座ってください。生前…小夜さんが、毎回使っていた席なんです。」
とマスターに言われて、
「なんか…母がいる気がするので、ここの向かいの先に座らせていただきます。母は、、、毎日のようにここにきて、1人で騒いでるのは知ってたんです。今日は鷹にご馳走になったとか言ってたから。ボケてるのかなと最初思ってたんですけど、その絵を見て確信しました。母は、ここで、私たちには見えない友達と会ってたんですね…。母は、1人じゃなかったんですね。」
と泣きながら奈津は言った。
「小夜さんは1人なんかじゃないですよ。たくさんの仲間がいたんです。初めましてで、失礼します。マスターや茂さんだけじゃなく、たくさんのご友人に囲まれて、楽しんでましたよ。僕は今年の慰霊祭がきっかけで見えないお友達が見えるようになって、小夜さんとの世界が共有できるようになりました。同じ世界を通してみても、小夜さんは楽しんでたと思います。」
と店員が、言うと、
「マスター…。1週間…1週間だけここのテーブル席キープしておいてもらえませんか?」
と言うと、
「もちろん。小夜さんも生前そう言ってたよ。だから、安心して。奈津ちゃんは急な事で驚いただろうから、、、僕らもそう。ゆっくり気持ちの整理つけていこうね。」
と言うマスターの言葉がトリガーになり、店員の中に小夜が入った。
「奈津…。急に逝っちゃってごめんね。私の事ボケてるって思ってても、毎日行くの許してくれてたんだね。…そんな優しいなっちゃんが大好きよ。今までずっと…。これからも。だから、1週間で私のことはキリつけて、新しくなっちゃんを支えてくれる人を、、、見つけてほしいかな。そうしてくれたら…私は安心できるから。」
と店員の口から言葉が出ているが、店員の声ではなく、小夜の声だった。
「お母さん…。分かったよ。」
と泣きながら奈津は言った。それから、30分くらい奈津と店員が、親子水入らずの話をした。そして、
「さぁ、、、あんまり長居すると、店員くんの体に負担かかっちゃうから、そろそろ逝くね。…なっちゃんの事見守ってるから。」
と笑顔で店員の体から抜けたのか、店員は気絶した。
「え?!ちょ、、ちょっと?大丈夫?」
と慌てる奈津に、
「大丈夫。店員くんに水を用意してきたから。この間より憑依時間…少し長い時間だったけど、多分大丈夫だから。」
と言う茂さんの声で、店員が目醒めた。
「奈津さん…小夜さんとお話しできてよかったです。」
と和かに言う店員の顔は仏のようだった。
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