何も知らない物語

七瀬蓮

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旅をしないか?

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な?まぁ、いいや。


「あ~……その、なんだ」




「ん?」



俺が声を掛けると、こっちを向く二人。


「二人とも、おかえり」



「うん! ただいま!」


「ただいまです……」


笑顔で返事をするリンと、少し照れくさそうに答えるシオンさん。

「それでさっきの話の続きだけど……」


「はい」


「私もお兄ちゃんと一緒に旅に出たいと思ってるんだ!」


「えっ!?」


「だって、この世界を見てみたいし、いろんな人にも会ってみたいからね!」 


「そっか……」


「ダメかな?」


上目遣いで聞いてくるリン。そんな目で見つめられたら断れるわけないだろ……。
「わかったよ。一緒に行こうか。」


「やったー!!」 


と、飛び跳ねて、はしゃぐリン。可愛いけど、こんなんで大丈夫なのかなぁ。


「それじゃあ、早速出発しようよ!」


「今すぐ行くんですか?」


「そうだね。早い方がいいと思う。」

「わかりました。」

と言い旅支度をすぐに始めた。
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