何も知らない物語

紹介

「ユイ。おはよう。こっちは、妹のリンだよ。来年からここの学校に通うから、見学したいって聞かなくて。シオンは今日は講義を取ってないから、もう少ししたらシオンにリンを預けて、学校に行くよー。」


と言っている間にシオンが遠くから駆けてきた。


「支度済ませてきましたよー。３人分も私に任せるなんて、…もう。イジメですか！私はもう昨日の時点で、書類を提出したので、カイトも今日中には提出して受理をしてもらってきてねっ！…あ、ユイ。おはよう。」


と小柄なユイの存在をカイトの間から確認すると、バツの悪い顔をした。


「…カイト様。シオン様と旅に出られるんですか？」


とユイの目からは涙が今にも溢れそうになっていた。


これだから、知られないうちに旅に出たかったんだよなー。まぁ、俺が、学校へ提出書類を怠ったからなんだけど。そんな顔で俺をみないでくれよ…。


と俺は思いながらも、


「うん。色んな世界を見てみたくなって、シオンとリンと旅に出てくる。」



と、俺は堪忍してそう言った。