何も知らない物語

理由

「南の方面は治安がいいと言われてるから、明かされてる部分も多いと思う。でも、北の方面はまだまだ解明されてない部分が多いから、俺が…俺たちで解明したくなったんだ。南の方面と実際問題治安の良さは変わらないかもしれない。」



と、俺はユイに説明をした。もちろん嘘の説明だ。


「でも…カイト様は小さな妹さんを連れてまで南を選ばないのはなぜですか。」


と問われた。



「俺の好奇心とシオンの身体能力があればどうにかなると思ってるんだ。依然の北に旅立った生徒たちのリストを見てたんだけど、みんな似たり寄ったりの力のグループで出発して行方をくらませてる。俺は、頭脳派で、最適な指示をすぐに出せるし，シオンは、しっかりしてるし、身体能力もずば抜けてる。ここに妹のリンを連れて行っても、問題ないと俺は思ってる。」


と言うと、


「カイト様の…答えの中に…私と旅をしてくださると言う選択肢はなかったのですね．」


と寂しそうに言うユイを見て俺は心が痛くなった。



言えるわけねぇよな…。俺とシオンは、親同士の再婚で血は繋がってないけど，兄妹なんて…。その親から生まれたリンを大切にしたいなんて。
そして親は探検とハネムーンを兼ねて北西の方へ旅に出て行方知れずなんて。


でも、俺は、旅の自由が与えられる今年のうちに出発支度ったのである。