何も知らない物語

七瀬蓮

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俺の気持ち

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俺は、壁を目の前に息を呑んだ。俺だけの力でこんなに大きな壁を俺がどうにかできるのか…。


と一瞬弱気になったが、すぐにシオンとリンの顔が頭に浮かび、


こんな弱気になってちゃダメだ!俺が言い出した旅なのだから、率先して、2人を引っ張っていかなきゃと思い、自分に喝を入れた。


まずは、壁の外側がどうなっているのか確認する必要がある。壁の向こう側に危険があったら、一度シオンたちの元に戻って、相談する必要がある。そう思い、俺は壁の硬さを確認した上で、ロープに金具を結びつけ、勢いよく壁の向こう側に投げたが、持ってきていたロープの長さが足りなかった。


この場合どうしたらいいんだろう。……そうだ!あの方法があった。


と思い出し俺は自分の履いていた靴に細工をし始めた。
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