鏡の中の大冒険

お迎え

転校したばかりで学校にも馴染めない。前の学校では運動もできる方だったし、クラスの大半の男子に告白されるほどだったのに転校なんて、ついてないわ。と鏡を見ながら考えていると、自分を映していた鏡はみるみるうちに暗くなって奥から見慣れない洋服を着た男性が走ってきた。そして鏡から、その男性が鏡をすり抜け、聖子の部屋に現れた。そして、鏡の中から現れた男性は聖子の前に立ち
聖子の手を取り跪くと、

「はじめまして。聖子様。私は鏡の国からの、使者のエトワールと申します。あなたは勇敢な勇者でございます。どうか我が国を救っていただけませんか？」

と言われて、聖子は、

「そんな…急に言われても…私なんてなんの取り柄もないですよ。他に勇者に相応しい方はたくさんいると思います。」

と断ろうとしたが、

「あなた様しかいないのです。どうかお力をお貸し願えませんか？」

とエトワールに頼まれて、

「そんなにいうなら…私に出来るかは分かりませんが、がんばります。」

と渋々オッケーするのであった。