【完結】お隣さんの恋

あい

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夏祭り

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果父「お!いいじゃないか!浴衣なかなか似合ってるぞ!お母さんの昔を思い出すなぁ~。」
果「そ~?」
果父「昔も可愛かったけど、お母さんは今でもずっと変わらず可愛いけどな!」
果母「も~お父さんってばぁ~。」
果「はいはい。」
果母「そろそろ健斗君来るんじゃない?」
果「うん。」
健「こんにちは~!」
果母「お父さんちょっと玄関出て~。」
果父「は~い!お!健斗君も浴衣かぁ!いいね~!益々かっこいい!」
健「ありがとうございます!果奈は?」
果「お待たせ!」
健「…おう!」
果母「じゃ~お母さん達はお庭で一杯やってるから気をつけていってらっしゃ~い!」
健父「お土産よろしく~!」
果「は~い!」
健「なんか結局屋台の食べ物買って来いっていうぱしりじゃん!」
果「いいじゃん!あたしお祭り好き~!」
健「ま、いっか!」
果「うん!」

健斗の浴衣姿見れただけであたしは満足です。
お祭りに感謝。
浴衣も似合うなぁ。さすがなんでも完璧男子。

「あ!あれ健斗君じゃない?」
「ホントだ!浴衣だ!」
「かっこいい~!」

女の子達が話してる声が聞こえる。
やっぱり健斗は人気者なんだなぁ。
あたし大丈夫かなぁ。
可愛い子いっぱいいるし…かなわない気がしてきた。

健「果奈何食べる?俺すでにお腹減ってきた。」
果奈「何にしようかなぁ~。焼きそばもいいけど、たこ焼きも良くて。お好み焼きも捨てがたい!」
健「あはは。食いしん坊だなぁ~果奈は!」
果「あ!チョコバナナも食べたい!」
健「じゃ~何個か買ってシェアするか!」
果「うん!」
健「ベンチみっけ。」
果「わぁ~い!」
健「ここあんま人来ないし穴場だな。」
果「だね!風も通って気持ちいい~。」
健「早速食べるか!」
果「うん!」

あれ。あれれ。
今さらだけど、同じものを食べるってことはこれってもしかして間接キス的な感じなるってこと!?
ど、ど~しよう!

健「果奈食べないの?」
果「あ、た、食べる食べる!」

いいのかなぁ~。
食べるよ!食べちゃうよ!?
あたし間接キスしちゃうよ?
健斗はなんとも思ってないのかなぁ?
それともあたしの考え過ぎ?

健「あ~うまかったぁ~。」
果「お腹いっぱい!」

なんだかんだ言いながらも途中からすっかり忘れて
完食してしまったあたしって、色気より食い気!?

健「よし!出店まわってみようぜ!」
果「うん!」

こうして並んで歩いているとカップルっぽいかなぁとか、いやいや無理だよね~。

健「あ!射的!」
果「出きるの~?」
健「俺、射的のプロだよ!?」

なんてにやりと得意気な顔。
そんな何気ない顔つきにまでにも、いちいち好きって思ってしまう。
もはや重症かも。

健「何欲しい?」
果「あのくまのぬいぐるみ!」
健「OK!見てろよ~!」

“バン!”

「お客さんおしいね~。」
健「くっそ~!」

むきになってやってる。
くくく。かわいい。

健「こら!笑うな~。」
果「あはは!ごめんごめん!」
健「これで最後かぁ~。これでとれたらど~する?」
果「え?」
健「ご褒美は?」
果「ん~。じゃぁ。いいこいいこしてあげる~。」
健「それだけかよ~。ま~いっか!」

本当は、冗談でも付き合ってあげる~とか言ってみたかったけど、そんな冗談ですら言う勇気のないあたし。

「おめでとうございま~す!」
果「わ~!すごいよ健斗!!」
健「ま~な!はい!」
果「わ~い!ありがとう!」
健「ちゃんと俺だと思って大事にしろよ!」
果「かわい~!」
健「おい。聞いてるか?」
果「ん?」
健「も~いいわ。」
果「はい。いいこいいこ!」

とってもらったくまさんの手で、健斗の頭をなでなで。
初めての健斗からのプレゼント。嬉しいなぁ。
大切にしよう!

健「…。さ!お土産買って帰るか!」
果「そうだね!」
鈴「あれ~果奈ちゃんじゃん!」
果「鈴木君。」
鈴「よく会うね!」
果「あ、うん。」
鈴「誰かと思ったら片山君も。」
健「果奈帰るぞ。」
果「うん。」
鈴「果奈ちゃんもう帰っちゃうの?可愛い浴衣姿も~ちょい見てたかったなぁ~!」
果「え。」
鈴「浴衣。すっげぇ可愛い!」

浴衣似合ってる?可愛い?
そういえば健斗はあたしが浴衣着てきても反応なかったなぁ。

健「果奈!」

あたし思わず立ち止まっちゃってたら、健斗にぐいっと手を引っ張られたの。

鈴「なんで彼氏でもないくせにそんなに果奈ちゃんを束縛すんだよ。」
健「…。」
鈴「果奈ちゃんだってお前より俺と遊びたいかもじゃん!」
果「え、ちょ。」

健斗の手が離れちゃったの。
離さないで!

鈴「これから友達と花火やるんだけど一緒にど~?」
果「…あたし。」
鈴「行こうよ!」

ダメ!ちゃんと断らなきゃ!

翔「健斗!果奈ちゃ~ん!」
果「翔太君とみっちゃん!」
翔「そっちも二人で来てたんだ!」
み「あ~!なんでまたいるの!?」
鈴「あ!果奈ちゃんのお友達の!」
み「ちょっと。果奈何やってるの?これどういう状況?」
果「健斗とお祭り来てて帰ろうとしたらたまたま鈴木君に会って。」
み「なんかまずい雰囲気漂ってるよ?」
果「…みっちゃんど~しよう。」
み「とにかく早く二人で帰りなよ!」
果「う、うん。」
み「翔太~もう果奈達帰るんだって!」
翔「そっか!じゃ~な!」
果「うん。ばいばい!」
健「…。」

健斗黙ったままだよぉ。ど~しよう。

健「良かったの?」
果「え?」
健「あいつと遊ばなくて。」
果「え。」
健「そ~だよな。俺彼氏でもなんでもないもんな。」

健斗…。こういう時なんて言ったらいいんだろ?

果「あたし、別に鈴木君と遊びたいとか思ってないよ。」
健「だったらなんですぐに自分で断んね~んだよ!!」

ふぇ~ん。健斗が怖いよぅ。

果「ごめん…。」
健「あ~も~ごめん!俺ダメだわ。」
果「健斗?」
健「お土産冷めないうちに帰ろうぜ!」
果「うん。」

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