【完結】恋に夢見て恋をする

あい

文字の大きさ
35 / 47

可愛い?

しおりを挟む
「またそんなにお土産買い込んだのかよ。」
「うん!お父さんがこういうの好きでね!」
「また袋ちぎれる前に二つに分けとけば。」
「確かにそうだね。そうしよう。」
「片方持つよ。」
「ありがとう!」
「おう!」

なんだか海の力はすごくって。
今日はビーサンを貸してくれたり荷物持ってくれたりいつもより優しい気がする。

「じゃ~ね!」
「楽しかったね!」
「また明日~。」

皆とそれぞれ分かれた帰り道。
オフの日の今日も1日一緒でまた明日からも一緒。
この夏休みはサッカー部の皆といる時間がすごく長いなぁ。

ふぅ~。
この扉を開けて家に帰ったらまた今日はどうだったかぁ~って質問攻めなんだろうなぁ。
気が重い。

「美香!」
「ん?」

あれ?今木村良太に呼ばれたような?
気のせいだよね?
今からのことを思うと幻聴まで聞こえてしまうなんて私もどんだけ恐れているんだか。

「待てって!」
「え?わっ!どうしたの?なんでここに?」

幻聴じゃなかった!
本物だった。ビックリしたぁ。

「これ。」
「あ!お土産!」
「半分持ったまま帰っちゃってた。」
「忘れてた~。明日でも良かったのに。」
「だってお父さん楽しみにしてんだろ?」
「あ。うん。」

それでわざわざ疲れてるのに走って持ってきてくれたの?
まだ海の力は続いてたんだぁ。優しい。

「はい。」
「わ~!わざわざありがとうございます!」
「え!わ!ちょっとお母さん!?」
「ありがとうな。お父さん楽しみにしてたんだよ~。」
「お父さん!?」
「いえ。あの。」

何この展開!?

「汗かいたでしょ~?中で少し涼んで行ったら?」
「せっかくだからお土産も一緒に食べよう!」
「おじゃまします!」

ちょ、ちょっと~!
木村良太もなんであがっちゃうのよ~!

「さ!座って座って!」
「はい!」
「ほら美香。ぼっとしてないでお茶運んで!」
「あ。うん。」
「どれから食べようかなぁ~。」
「これ美味しそうじゃないですか!?」
「本当だ!これにしよう!」

ちょっと~何自然と打ち解けてるのよ~。

「あ!もしかして来てる?」
「ホントだ!良太君いらっしゃい!」
「お邪魔しています!」

あぁ~これで我が家全員集合しちゃったょ。

「あ!お土産だ!」
「いっただっきま~す!それで海どうだった?」
「楽しかったよ。」
「美香ねぇの水着可愛かったでしょ!?」
「え。あ。はい。」

え!可愛かったの!?
ってそんなわけないよね。完全に香奈に言わされてるだけだよね。

「でしょ~!実はあれあたしのなの!」
「そうだったんだ。」
「美香ねぇがどうしても可愛い水着着ていきたいって言うから!」
「えっちょっと!言ってない!そんなこと言ってないよ!」
「でもなんだかんだで真美ちゃんのとすごく迷ってたじゃない!」
「お、お母さん!」

わ~も~やめてよ~!
ここは我が家のはずなに全員敵なの!?

「いや。ホント。可愛かったっす!」

え…今なんて…?

「きゃ~も~美香よかったわね!」
「…。」
「ね!ね!どんなことして遊んだの?」
「ビーチバレーとかサッカーして…。」

ウソでしょ。
今可愛かったって聞こえた。
そういったよね?
どうしよう!
嬉しくって何度もリピートしちゃう!!
でもちょっと待って。舞い上がっちゃったものの。
この状況下。まさかひどかったなんて言えないもんね。お世辞か。
これがいわゆるお世辞ってやつ?
そうだよね。
あの木村良太が私に可愛いなんて言い分けないもんね。
一瞬でも喜んでしまってバカみたい。

「長々とお邪魔してしまいすみませんでした。ありがとうございました!」
「またいつでも来てね!」
「ご馳走さまでした!」

“パタン”

「さ~てと!今日の反省会始めるわよ!」
「も~勘弁してよ~。」

それからまたみっちり二時間の家族会議。

「あら。美香そのストラップはどうしたの?」
「あ。こ、これはさっちゃんがくれて。」
「ん?怪しい!!」

またストラップについて一時間。

「先にこのこと聞いてたら良太君もストラップつけてるかチェックできたのに!」
「つけてないって。」
「なんでよ~?」
「つけるわけないよ。」
「そんなことないでしょ~。」
「そうなんだって。」
「でもさっちゃんもなかなかやるわね!今度はさっちゃんも呼んで一緒に作戦かいぎしないと!」
「もうやめて~!」
「そんなに照れなくっても!」
「照れてるとかじゃなくて。あのね。ホントにただの部活の仲間なの。多分今日だってあんな風に巻き込まれて迷惑してると思うし。だからもうほっといて!」

今日という今日はちゃんと強く言ったぞ!!

「美香…。」
「じゃ~おやすみ。」

ようやく伝わったかなぁ。ほっ。

「でも美香はそれでいいの?」
「いいの!!」

それからまた一時間。
結局あの家族にはなんにも伝わってなかったぁ~。
だめだこりゃ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。 ただ… トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。 誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。 いや…もう女子と言える年齢ではない。 キラキラドキドキした恋愛はしたい… 結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。 最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。 彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して… そんな人が、 『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』 だなんて、私を指名してくれて… そして… スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、 『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』 って、誘われた… いったい私に何が起こっているの? パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子… たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。 誰かを思いっきり好きになって… 甘えてみても…いいですか? ※after story別作品で公開中(同じタイトル)

その出会い、運命につき。

あさの紅茶
恋愛
背が高いことがコンプレックスの平野つばさが働く薬局に、つばさよりも背の高い胡桃洋平がやってきた。かっこよかったなと思っていたところ、雨の日にまさかの再会。そしてご飯を食べに行くことに。知れば知るほど彼を好きになってしまうつばさ。そんなある日、洋平と背の低い可愛らしい女性が歩いているところを偶然目撃。しかもその女性の名字も“胡桃”だった。つばさの恋はまさか不倫?!悩むつばさに洋平から次のお誘いが……。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

処理中です...