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いじめ

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 昼休み。湊人と蓮が廊下を歩いていると、クラスメイトの、山田姫乃やまだひめのが蹲っていた。
「どうしたの?」
「あ、えっと…」
姫乃の前髪は長く、メガネをかけていて、その瞳はほとんど見えなかった。
「さっき、校庭から戻ってきて、上履きを履いたら、画鋲が中に入ってて、踏んじゃって…保健室まで歩こうとしてたけど、痛くて」
湊人には、この手のいじめは覚えがある。
前世で桃華にやられた事があった。
「無理しないで、オレが保健室までおぶってってあげるよ」
「え?」
湊人は姫乃の前に腰を下ろした。
「ほら乗って」
「う、うん」
湊人は姫乃を背におぶって歩いた。
「湊人、俺がおぶっても良かったのに」
蓮が姫乃を後ろから支えている。
「湊人くん、重くない?」
「重くない。山田さん軽いよ。ちゃんとご飯食べてる?」
「…うん」
保健室について、姫乃を先生に預けた。
「ありがとう。湊人くん。蓮くんも…」
姫乃は恥ずかしそうに俯いた。
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