その結末はお断りします! -嫌われ転生聖女が推しの悪役王弟殿下を救って溺愛されるまで-


「光魔法は稀有な力である。国のために貢献せよ」

 急に下町の小さな家に押しかけて来た国からの使者だという男たちにそう言われて、セシリアは王都の学園に特別入学をすることになった。

 十六歳、春のことである。

 ここは魔法のある世界。
学園生活に胸を膨らませるセシリアだったが、どこか見た事のある麗しの貴公子たちからはことごとく邪険にされてしまう。

 彼らを見て気が付いたが、ここはファンタジー小説の世界だった。セシリアはヒロインの聖女のはずなのに、皆はライバル令嬢のリディアーヌばかり溺愛し、セシリアには必要以上に冷たい。

(だったらいいです。私も勝手にしますから!)

開き直ったセシリアは何もかも無視をして、前世の最推しかつラスボスであるヴァンスの死亡フラグをへし折るために全力で関わることにした。

 はじめは当たり障りのない態度だったヴァンスも、愛の力(?)で発光するセシリアに段々と心を開いてくれるようになる。

 セシリアを嫌っていたはずの面々の態度も徐々に軟化していくが、そんなことは置いておいて、

「リア。いけない子だ」
「はひ……!」

 セシリアは今日も推しに夢中である。

○原作小説と違って何故かみんなに嫌われている聖女ヒロインが推し(教師かつ死亡フラグ付きのラスボスかつ王弟殿下という全部乗せ)に捨て身でぶつかり発光しながら世界を救う異世界転生ラブコメです
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