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3回目 三島駅〜静岡駅
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三島駅のホームに滑り込み,ドアが開く。
背後の座席から,上着を整える衣擦れの音と,重い足音が遠ざかっていった。数列後ろに座っていた唯一の乗客が,夜のホームへと降り立っていく。
ぷしゅう,と再びドアが閉まり,加速を始めた1号車の広い空間には,私一人だけが取り残された。
静寂。それは,先ほどまでの「見られているかもしれない」という恐怖よりも,もっと深く,残酷な解放だった。私は震える指で,あの人に事実と,そして耐えがたい飢えを告げる。
「三島を出ました。1号車には,私しかいません。もう,我慢できない。お願い,直接,あそこを触らせてください」
すぐに既読がつく。けれど,あの人は意地悪く問い返してきた。
『「あそこ」ってどこ? 銀行員の言葉で,ちゃんと説明しなさい』
私は,羞恥に顔を焼きながら,震える指で画面を叩いた。
「ぐちょぐちょに濡れてしまった,私のおまんこです。ずっと,あなたの唇に吸い上げられてきた,クリトリスです」
スマートフォンが,私の膝の上で猛烈に震えた。
『いい子。でも,肌に触れることは最後まで許さないわ。タイツもショーツも脱がずに,その厚い布越しに,自分が今どれほど淫らな状態かを確認しなさい。壊れるくらいそこを叩くの。いい? 声を殺す必要なんて,もうどこにもないわ』
私は,操り人形のように,ネイビーのスカートを腰まで手繰り寄せた。ずっと剃り続けている秘部を覆う,黒いデニールの無機質な感触。
「……あ,……ぁ,……ん,んぅ……」
喉を鳴らすような,低く押し殺した声が漏れる。指先がそこへ触れようとした,その時だった。
前方の一等車側の自動ドアが静かに開き,紺色の制服を着た車掌が巡回に現れた。
私は心臓が止まるかと思った直前にスカートを戻し,背筋を伸ばして,窓の外の闇を見つめる。
銀行員としての,完璧な娘としての「外面」が,瞬時に私を氷のように固めた。車掌が私の横を通り過ぎ,再び自動ドアが閉まるまで,私は息を止めていた。
「いま,車掌さんが通りました。怖くて,心臓が止まりそうでした」
すぐさま,冷徹な既読がつく。
『車掌さん?ふふ,素敵なスパイスね。そんなに怯えなくていいのよ。さあ,続きよ。中断された分,もっと激しく。タイツの上から,その肥大した突起を抉りなさい。静岡の「真っ当な娘」の顔をしながら,心の中で私に許しを乞いなさい』
遮断されていた快楽の奔流が,一気に決壊した。
左手の指先は,ブラウスの隙間から滑り込み,敏感になりすぎた乳首を執拗に捻り,右手はタイツの布越しに,数年の月日をかけて傲慢に育てられたそこを激しく叩きつける。
「あ,……あ,……っ,ん,ああぁっ! やだ,あ,……あぐぅっ!」
もう,声を押し殺しきれなかった。激しい摩擦が脳を焼き,裏返った喘ぎが密室に散らばる。広い1号車の中に,私以外の人間は誰もいない。それなのに私は,掌の中にあるあの人の「意志」に,狂おしいほど突き動かされていた。
「い,いく,いく,……あ,あ,いきます! いかせてください! い,いく,いく,いきますっ!!」
小さいが,はっきりと芯の通った声が,無人の車内で響く。
ーー 絶頂の瞬間には必ず申告すること。
あの人は私にその「決まりごと」を刻みつけた。それは教育というよりは、もっと静かな、ーー 魂の調教。
三度目の絶頂は,耳の奥で鳴る,遠い潮騒のような音を伴って訪れた。視覚が真っ白に漂白され,新幹線が富士川の鉄橋を渡る轟音が,私の声をかき消す。
タイツの中で脚が引き攣るように硬直する。
「あ,……は,……ぁ,……はぁ,……っ」
私はただ,衣服という名の檻の中で,震える指をスマホへと走らせた。
「いま,3回目,いきました。声,我慢できませんでした。」
不意に,車内チャイムが鳴り響いた。
『まもなく,静岡です……』
アナウンスが,私の淫らな熱を無理やり現実に引き戻す。私は乱れた髪を整え,震える指でブラウスのボタンを留め直した。
背後の座席から,上着を整える衣擦れの音と,重い足音が遠ざかっていった。数列後ろに座っていた唯一の乗客が,夜のホームへと降り立っていく。
ぷしゅう,と再びドアが閉まり,加速を始めた1号車の広い空間には,私一人だけが取り残された。
静寂。それは,先ほどまでの「見られているかもしれない」という恐怖よりも,もっと深く,残酷な解放だった。私は震える指で,あの人に事実と,そして耐えがたい飢えを告げる。
「三島を出ました。1号車には,私しかいません。もう,我慢できない。お願い,直接,あそこを触らせてください」
すぐに既読がつく。けれど,あの人は意地悪く問い返してきた。
『「あそこ」ってどこ? 銀行員の言葉で,ちゃんと説明しなさい』
私は,羞恥に顔を焼きながら,震える指で画面を叩いた。
「ぐちょぐちょに濡れてしまった,私のおまんこです。ずっと,あなたの唇に吸い上げられてきた,クリトリスです」
スマートフォンが,私の膝の上で猛烈に震えた。
『いい子。でも,肌に触れることは最後まで許さないわ。タイツもショーツも脱がずに,その厚い布越しに,自分が今どれほど淫らな状態かを確認しなさい。壊れるくらいそこを叩くの。いい? 声を殺す必要なんて,もうどこにもないわ』
私は,操り人形のように,ネイビーのスカートを腰まで手繰り寄せた。ずっと剃り続けている秘部を覆う,黒いデニールの無機質な感触。
「……あ,……ぁ,……ん,んぅ……」
喉を鳴らすような,低く押し殺した声が漏れる。指先がそこへ触れようとした,その時だった。
前方の一等車側の自動ドアが静かに開き,紺色の制服を着た車掌が巡回に現れた。
私は心臓が止まるかと思った直前にスカートを戻し,背筋を伸ばして,窓の外の闇を見つめる。
銀行員としての,完璧な娘としての「外面」が,瞬時に私を氷のように固めた。車掌が私の横を通り過ぎ,再び自動ドアが閉まるまで,私は息を止めていた。
「いま,車掌さんが通りました。怖くて,心臓が止まりそうでした」
すぐさま,冷徹な既読がつく。
『車掌さん?ふふ,素敵なスパイスね。そんなに怯えなくていいのよ。さあ,続きよ。中断された分,もっと激しく。タイツの上から,その肥大した突起を抉りなさい。静岡の「真っ当な娘」の顔をしながら,心の中で私に許しを乞いなさい』
遮断されていた快楽の奔流が,一気に決壊した。
左手の指先は,ブラウスの隙間から滑り込み,敏感になりすぎた乳首を執拗に捻り,右手はタイツの布越しに,数年の月日をかけて傲慢に育てられたそこを激しく叩きつける。
「あ,……あ,……っ,ん,ああぁっ! やだ,あ,……あぐぅっ!」
もう,声を押し殺しきれなかった。激しい摩擦が脳を焼き,裏返った喘ぎが密室に散らばる。広い1号車の中に,私以外の人間は誰もいない。それなのに私は,掌の中にあるあの人の「意志」に,狂おしいほど突き動かされていた。
「い,いく,いく,……あ,あ,いきます! いかせてください! い,いく,いく,いきますっ!!」
小さいが,はっきりと芯の通った声が,無人の車内で響く。
ーー 絶頂の瞬間には必ず申告すること。
あの人は私にその「決まりごと」を刻みつけた。それは教育というよりは、もっと静かな、ーー 魂の調教。
三度目の絶頂は,耳の奥で鳴る,遠い潮騒のような音を伴って訪れた。視覚が真っ白に漂白され,新幹線が富士川の鉄橋を渡る轟音が,私の声をかき消す。
タイツの中で脚が引き攣るように硬直する。
「あ,……は,……ぁ,……はぁ,……っ」
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「いま,3回目,いきました。声,我慢できませんでした。」
不意に,車内チャイムが鳴り響いた。
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