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目覚め
しおりを挟む星が堕ちてくる夢を見た。
流星のように流れては消えるんじゃなく、地上にある見慣れた街に向かって堕ちてきている。
だが、恐怖は感じない。夢だからってのもあるけど、その光からは暖かさと懐かしさだけを感じたから。
……変な話だとはわかっているさ。
触れてもいないのに、暖かいとか。
その星が街と接触した瞬間、パチリと目が覚めた。
眠る前に見た場所とは違い、見慣れた自室のベッドの上だ。
ジツに清々しい目覚めだ。だがしかし、アクビが出るのは見逃して欲しい。
……嗚呼、ホントに久しぶりに目覚めたとは思えない程に清々しい。
いや、久々だからなのか?
カラダを伸ばすと、人体から出ているとは思えない音がした。なんだか、筋肉も落ちてる気がする……
一体どれくらいの時間寝ていたんだか。
……アタマはまだ冴えない。
ナニか、大切なもんを落としちまったような……そんな喪失感がある。(あっ、俺のナニはご存命よ、安心して)
……が、まぁ、それがナニかなんて今考えても出てくる訳ないから放置しよ。
窓の外を見ると朝日が出ている最中だった。うわー、キレイ。ついでに、ベッド脇のタナの上にある時計を見る。
どれどれ、何時かな?四時?
ヤダー。俺ってば、ジジイ?
まだこの時間なら母さん達も起きてこない筈だし……今しかないな。
さてと、久しぶりの街を堪能してきますか。
……と言っても、久々の起床で身体は鈍ってるだろうから家の玄関からちょこっと見るだけにしよう。
極力、物音を出さずに一階に降りた。予想通り、身体は鈍っていて一階に来ただけで色んな所から悲鳴を上げている。なんとも情けない。
ぜーぜーと息が上がるけど、苦しさよりもワクワクが上回っていて気にもならない。
今の俺の心境は自分の家なのにコソドロ気分。こんなの面白いしか感じない。
自分の身体に鞭打ってでも動きたくなる。
リビング、キッチン……あんま変わらんな。
家具の配置くらいは変わってるかと思ったけど全然だ。物の配置も何もかも全然。俺の記憶の中にあるまんまだ。
もしかして、いつ起きるかわからない、俺の為……?
……ま、そんなことは置いといて、今は外外。当たり前だけど誰にも会わずに玄関に辿り着いた。
そーっと、トビラを開く。
朝日が眩しいぜ。丘の上にあるから何者にも遮られずに太陽の光に照らされる。……ガキの頃は丘の上にあるこの家が嫌いだったけど(嫌いな理由は察しろ。……知りたい?じゃ、ヒント一個やろう。家の前に長いとてつもなく長い下り坂がある。以上)
だけど、今はそんなに嫌いでもない。
なんてったって、街がイチボウ出来る。……窓からも見えただろ、なんて面白くない事は言うのはなしな。こういうのはさ、実際に見て楽しむもんだろ。実際に見て、聴いて、触れることが大切なんだぞ?覚えとけー。
……漸く朝日に目が慣れた時、見えた景色が信じられず頬を抓った。
だってよ、信じられっか?目の前には俺が創りたかった世界が実現してんだぜ。
夢?今なら夢でも許す。
「……ハハッ!壮観過ぎッ!サイコー!いいね、いいじゃん!おいおい、誰だよ!こんなサプライズ!」
漸く眠りから覚めて見た景色は、俺が望んだ作りたかった世界だった。
暫くボンヤリと眺めていたが、唐突に飽きて家に戻ることにした。詳しくは母さんとかに聞けばいっか。うん。もう一眠りしよ。
おはよう、世界。おやすみ、世界。
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