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再会
しおりを挟む一階から聞こえる物音でまた目が覚めた。
二度寝により眠気もなくなり、健康そのものになったように元気になった身体をグゥッと伸ばした。
さぁて、感動的な再会だ。
どうなるかなんて目に見えてるから、耳栓だけはしておこう。
「……はよ、母さん。朝飯、何?」
その日の朝。
歓喜なのか悲鳴なのかわからない声が丘上の一軒家から街中にまで響いた。
あまりの煩さにその日だけは目覚まし時計いらずだったとか。
「アドルフっ……!!貴方ね!何百年も寝ていたのよ!もっと!!こう……!ッなんか、あるでしょう!?」
「いやいやないない。俺的には寝て起きたくらいの感覚だからさ。実感がねーんだよなぁ……」
「お医者様はね、もう、目が覚めない、って……言っていたの……なのに……貴方は……」
「……凡人はそう言うだろーね。たがしかし!お生憎様、俺様は天才だからな。こんな魔術、ちょっちょいの……」
「だったら!!もっと、早く起きてほしかった……。ずっと、生きた心地がしなかったのだから!このッ……!!天才馬鹿!」
「……罵るか褒めるか一択にしてよ、母さん。……まぁ、結果オーライじゃん?」
「……ええ、もう、まったく……そうね。おはよう、お寝坊さん」
こうして、涙鼻水汗涙を垂れ流す感動的な再開を果たした訳だが……
残念ながら、話はここで終わらない。
勿論、父さんと我が弟にも俺の起床報告がいく訳なのだが、問題は弟だ。
奴は複雑怪奇だから扱いが難しい。
ヒステリックを起こした女よりめんど……いやいや、大変だ。
てか、俺が目覚めたなんて報告聞いたら秒で……「兄貴!!」きちゃった。
「……ん?んー……?いや、誰?」
「兄貴、酷いな!忘れちゃった?ハウハだよ!」
いやいやいや!聞いてないゾ!
誰これ!身長俺より高いじゃん!
あれ?モデル?どっかの雑誌に載ってそうな見た目なんだが、これが我が弟、ハウハ?
いや、ウソだ~!
これがあの子犬が怖くて泣きついてきたハウハ?
ヘラクレスオオカブトが腕に止まってぎゃん泣きしたハウハ?
ヤギに髪食われて泣いてたハウハ?
……改めて時間経過の恐ろしさを見たな。
いやてか、急に実感が、本当に長い間寝ていたとやっと今、理解した気がする。
「速かったな。寮からこの家は遠いと聞いてたけど……」
「そんなの僕の羽でひとっ飛びすれば一瞬だよ!それより、身体は平気?ずっと寝てたから悪くなってない?」
「あー……それはないなァ。むしろ、絶好調」
「……そう。それは、良かった!」
あー。これだよ、これ。この感じが苦手なんだよなぁ。
ウソも言ってないけど、本心隠してるこの感じがイヤだ。
俺だから気づくんだと思うけど。
これは俺が眠りにつくちょっと前から始まった。
一回腹割って話さないととは思ってはいるが、まぁ、後で……追々な……
それよりも、今大事な事は朝見た光景についてだ。
「……さて、もう充分喜んだな?それじゃ、本題だ。俺が寝てからどうなって何があった?」
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