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:目標を探してみましょう
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「おい、どういうつもりだ? 」
「あー? いきなりなんだよ? 」
ゴブリン討伐のクエストを受けて森に入り、ゴブリンを倒せないどころかまだ冒険者にもなっていないライを囮にしてこいつは逃げ帰った。
しかも、あろうことか助けを求めに行くでもなくギルド酒場で暢気に酒を飲んでいる。
あのまま私が様子を見に行かなかったら確実にライは街に死に戻っていたのに。
ひとまず、気絶していたライを教会の神父さんに預けて(教会の出身だと初めて知った)、居るだろうと予想をつけて酒場に着くと最悪なことに予想は的中した。
高レベル冒険者としてギルド酒場では注目を集めているラルクと普段はあまり話さない私の剣幕に周りにいた冒険者たちはなんだなんだと興味を示す。
周りは気にせずに率直に話を進める。
「まだ冒険者にもなっていない子供を、森に置き去りにするなんてどういう頭してんだ? 」
私の一言に周りはざわめき出す。
中にはこいつを非難する声も上がった。
それはもちろんのことだろう。
冒険者は15歳にならないと登録できず、関連施設も15歳以上ではないと使用することができないことになっている。
これは危険に対して自己判断ができる年までクエストを受けたり、成長期の体に無茶な訓練を行わせないための取り決まりらしい。
謂わば15歳というのはこの世界での成人に等しい。
モンスターとの戦闘に対しては年齢制限なんかは特にないものの、付き添いの冒険者がいて行うというのが暗黙のルールとなっている。
もしも未成年者が1人でモンスターと対峙している場面に遭遇した際には必ず加勢するようにとギルド登録の際にも言われていることだ。
そんな中、未成年者を囮としてのこのこ帰ってきたとなれば周りが騒めいて非難が飛ぶのも当たり前だ。
「何言ってんの? NPCなんだから別に死んでも大丈夫でしょ? むしろ弟子にしてくれって言ってたんだから、師匠の身代わりになれて本望じゃん 」
ケラケラと反省の色もない奴の言葉に虫唾が走る。
確かにゲームをしている時にはゲームキャラクターの1人だったかもしれない。
けど今は、警備隊のエルや同じ冒険者のペルやマイク達、いつも笑顔のメアリーさん、それにライだって生きている。
皆それぞれに夢があって、目標があって、生き方があって、過去があって、未来だってある。
触れれば同じように暖かいし、優しい言葉をかけてくれたり、怒ったり、満面の笑みを浮かべて喜んだり、悲しい思いをして泣くことだってある。
それは私達と一緒だ。
決して作られたものではない。
何も変わらないのに。
「……お前に決闘を申し込む」
「はあ? 何言ってんの? なんで俺がNPCとの決闘なんて受けないといけないわけー? 」
「僕はハンターだ。……まさかファイターの君がハンターに負けるのが怖いのか? 」
「ハンター? ははっ! そんな職業で俺に挑むとか馬鹿じゃないの? 秒殺してやるよ! 」
安い挑発ではあったが思った通りこいつはハンターを馬鹿にするタイプのようだ。
前衛の花形職が不毛職と言われているハンターに負けることは絶対ないと高いプライドを持っている。
「大事な両手剣は折れたんだろう。3日後に再度決闘を申し込む。それまで逃げないでよね」
「はっ! ハンター相手に逃げるとかそれこそありえねーから! お前こそ、喧嘩売っといて後悔してねぇ? むしろ殺されに来るとかマゾだろ? 」
ケラケラと馬鹿にしたように笑うこいつに周りで様子を見ていた冒険者たちもあいつハンターだったのか、高レベルの奴になんて喧嘩売ったんだ…。なんて憐みの目を向けてくる人もいる。
これ以上こいつの顔も見たくなくて、3日後に。とだけ言い残してまだうるさい奴を背にギルド酒場を後にした。
教会に戻って神父さんに寄付をする。
ライの様子を聞くとまだ眠ったままということだった。
奥にあるベッドに案内されると穏やかに眠るライがいた。
先ほどまであった打撲の跡とかは綺麗に消えていて神父さんが回復魔法をかけてくれたんだろう。
私はヒーラーのスキルや魔法は使えないし、ポーションは起きていないと飲めないから教会に連れてくるしかなかった。
「失礼ですが、あなたがメグルさんですか? 」
「……はい、そうです」
傍にあった椅子に座って様子を見ていたら神父さんに話しかけられた。
顔に刻まれた皺は深く、豊かな口ひげを生やして穏やかな笑みを浮かべている。
見た目から優しさが滲み出ていた。
「前にライから森で助けてもらったと聞きました。ありがとうございました。……昔から負けず嫌いで無茶もする子でしたが、みんなの中に入りたくて必死だったんでしょうね」
神父さんがそう言ってライについて少し話をしてくれた。
同級生たちに仲間外れにされたこと、自分なりに冒険者を目指していたこと、そして私と出会った時の事。
出会った時はたまたま木の上で素材を採取してて明らかに未成年だと思ったから加勢したけど、最初はなんで逆ギレされたのか分からなかった。
もしかしたら私がこの子のコンプレックスに触れる事を言ってしまったかと思って謝った。
確かに私だってぼっちとかオカマ(いや、むしろ悪口なのか?)とか言われたらイラッと来ると思うけどさ。
あ、でも別に人の言う事だし怒る程でもないな。
えっと、話が逸れた。
何が言いたいかって言うと、怒りの地雷って誰にでもあるじゃん?
余程助けられて悔しかったのか泣きそうだったから一度その場から離れようとした。
そしたらちゃんとお礼は言えるし自分の態度が悪かった事も分かってたみたいだし、根は悪い子じゃないと思ったんだよね。
うん。これは完全に子供扱いしてたわ……。
その後も木の上から様子を見てたけど、急に元気になってコロコロと表情の変わる面白い子だった。
一生懸命に強くなりたい気持ちと何となく感じる焦り。
まあ、あの後あんなに生意気な態度で接してくるとは思わなかったけどさ。
まだ子供だからと思っていたから若いなーって見てたけど。
しつこく付いて回った時には自分の親とかに習えばいいでしょって思ってた。
まあ、それぞれの家庭事情もあると思って余計な事は言わなかったけど。
それは間違いではなかったみたいだ。
教会では孤児を預かることもあるが、この世界では一度死んでもお金があれば教会から死に戻れるから孤児の数自体は少ない。
それでもたまにいる孤児たちは15歳になると冒険者として身を立てるのがほとんどだから今はライしか教会には居ないようだった。
……寂しかったのかな。
神父さんは優しいと思うし良くしてくれてるだろうけど、やっぱりどこか違う気がしてたんだろう。
素直に甘える事も我儘を言うことも泣くことも出来なくて、どこにも自分の居場所がないような感じがして。
ふと、母親が再婚した時のことを思い出した。
急に新しいお父さんが出来て、暫くしたら弟が生まれて。
両親とも私にも弟にも変わらない愛情を注いでくれたけど、新しい家族の形になる中で私だけが取り残されているようで。
段々と家に居づらくなってきて。
家から通える所もあったけど、大学進学を理由に逃げ出した。
自分でもよく分からない感情と何もかもが嫌になって逃げ出して1人になることを選んだ。
思い返すとあの時はまだまだ子供だなー。
あれ以来どんどん気まずくなって自分から連絡も取らなくなったし。
この世界に来てやっと気づけた。
違う選択肢もあったはずなのに、選択する勇気と分かり合う努力を私はしなかった。
環境は違うけど、今の話を聞いてからどうも昔の自分とライを重ねてしまう。
どうしようも行き場のない気持ち。
言葉にするのも難しい。
その感情はふと襲い掛かってくるから自分ではどうにもできない。
今後ライにいい仲間が見つかるといいな。
「あー? いきなりなんだよ? 」
ゴブリン討伐のクエストを受けて森に入り、ゴブリンを倒せないどころかまだ冒険者にもなっていないライを囮にしてこいつは逃げ帰った。
しかも、あろうことか助けを求めに行くでもなくギルド酒場で暢気に酒を飲んでいる。
あのまま私が様子を見に行かなかったら確実にライは街に死に戻っていたのに。
ひとまず、気絶していたライを教会の神父さんに預けて(教会の出身だと初めて知った)、居るだろうと予想をつけて酒場に着くと最悪なことに予想は的中した。
高レベル冒険者としてギルド酒場では注目を集めているラルクと普段はあまり話さない私の剣幕に周りにいた冒険者たちはなんだなんだと興味を示す。
周りは気にせずに率直に話を進める。
「まだ冒険者にもなっていない子供を、森に置き去りにするなんてどういう頭してんだ? 」
私の一言に周りはざわめき出す。
中にはこいつを非難する声も上がった。
それはもちろんのことだろう。
冒険者は15歳にならないと登録できず、関連施設も15歳以上ではないと使用することができないことになっている。
これは危険に対して自己判断ができる年までクエストを受けたり、成長期の体に無茶な訓練を行わせないための取り決まりらしい。
謂わば15歳というのはこの世界での成人に等しい。
モンスターとの戦闘に対しては年齢制限なんかは特にないものの、付き添いの冒険者がいて行うというのが暗黙のルールとなっている。
もしも未成年者が1人でモンスターと対峙している場面に遭遇した際には必ず加勢するようにとギルド登録の際にも言われていることだ。
そんな中、未成年者を囮としてのこのこ帰ってきたとなれば周りが騒めいて非難が飛ぶのも当たり前だ。
「何言ってんの? NPCなんだから別に死んでも大丈夫でしょ? むしろ弟子にしてくれって言ってたんだから、師匠の身代わりになれて本望じゃん 」
ケラケラと反省の色もない奴の言葉に虫唾が走る。
確かにゲームをしている時にはゲームキャラクターの1人だったかもしれない。
けど今は、警備隊のエルや同じ冒険者のペルやマイク達、いつも笑顔のメアリーさん、それにライだって生きている。
皆それぞれに夢があって、目標があって、生き方があって、過去があって、未来だってある。
触れれば同じように暖かいし、優しい言葉をかけてくれたり、怒ったり、満面の笑みを浮かべて喜んだり、悲しい思いをして泣くことだってある。
それは私達と一緒だ。
決して作られたものではない。
何も変わらないのに。
「……お前に決闘を申し込む」
「はあ? 何言ってんの? なんで俺がNPCとの決闘なんて受けないといけないわけー? 」
「僕はハンターだ。……まさかファイターの君がハンターに負けるのが怖いのか? 」
「ハンター? ははっ! そんな職業で俺に挑むとか馬鹿じゃないの? 秒殺してやるよ! 」
安い挑発ではあったが思った通りこいつはハンターを馬鹿にするタイプのようだ。
前衛の花形職が不毛職と言われているハンターに負けることは絶対ないと高いプライドを持っている。
「大事な両手剣は折れたんだろう。3日後に再度決闘を申し込む。それまで逃げないでよね」
「はっ! ハンター相手に逃げるとかそれこそありえねーから! お前こそ、喧嘩売っといて後悔してねぇ? むしろ殺されに来るとかマゾだろ? 」
ケラケラと馬鹿にしたように笑うこいつに周りで様子を見ていた冒険者たちもあいつハンターだったのか、高レベルの奴になんて喧嘩売ったんだ…。なんて憐みの目を向けてくる人もいる。
これ以上こいつの顔も見たくなくて、3日後に。とだけ言い残してまだうるさい奴を背にギルド酒場を後にした。
教会に戻って神父さんに寄付をする。
ライの様子を聞くとまだ眠ったままということだった。
奥にあるベッドに案内されると穏やかに眠るライがいた。
先ほどまであった打撲の跡とかは綺麗に消えていて神父さんが回復魔法をかけてくれたんだろう。
私はヒーラーのスキルや魔法は使えないし、ポーションは起きていないと飲めないから教会に連れてくるしかなかった。
「失礼ですが、あなたがメグルさんですか? 」
「……はい、そうです」
傍にあった椅子に座って様子を見ていたら神父さんに話しかけられた。
顔に刻まれた皺は深く、豊かな口ひげを生やして穏やかな笑みを浮かべている。
見た目から優しさが滲み出ていた。
「前にライから森で助けてもらったと聞きました。ありがとうございました。……昔から負けず嫌いで無茶もする子でしたが、みんなの中に入りたくて必死だったんでしょうね」
神父さんがそう言ってライについて少し話をしてくれた。
同級生たちに仲間外れにされたこと、自分なりに冒険者を目指していたこと、そして私と出会った時の事。
出会った時はたまたま木の上で素材を採取してて明らかに未成年だと思ったから加勢したけど、最初はなんで逆ギレされたのか分からなかった。
もしかしたら私がこの子のコンプレックスに触れる事を言ってしまったかと思って謝った。
確かに私だってぼっちとかオカマ(いや、むしろ悪口なのか?)とか言われたらイラッと来ると思うけどさ。
あ、でも別に人の言う事だし怒る程でもないな。
えっと、話が逸れた。
何が言いたいかって言うと、怒りの地雷って誰にでもあるじゃん?
余程助けられて悔しかったのか泣きそうだったから一度その場から離れようとした。
そしたらちゃんとお礼は言えるし自分の態度が悪かった事も分かってたみたいだし、根は悪い子じゃないと思ったんだよね。
うん。これは完全に子供扱いしてたわ……。
その後も木の上から様子を見てたけど、急に元気になってコロコロと表情の変わる面白い子だった。
一生懸命に強くなりたい気持ちと何となく感じる焦り。
まあ、あの後あんなに生意気な態度で接してくるとは思わなかったけどさ。
まだ子供だからと思っていたから若いなーって見てたけど。
しつこく付いて回った時には自分の親とかに習えばいいでしょって思ってた。
まあ、それぞれの家庭事情もあると思って余計な事は言わなかったけど。
それは間違いではなかったみたいだ。
教会では孤児を預かることもあるが、この世界では一度死んでもお金があれば教会から死に戻れるから孤児の数自体は少ない。
それでもたまにいる孤児たちは15歳になると冒険者として身を立てるのがほとんどだから今はライしか教会には居ないようだった。
……寂しかったのかな。
神父さんは優しいと思うし良くしてくれてるだろうけど、やっぱりどこか違う気がしてたんだろう。
素直に甘える事も我儘を言うことも泣くことも出来なくて、どこにも自分の居場所がないような感じがして。
ふと、母親が再婚した時のことを思い出した。
急に新しいお父さんが出来て、暫くしたら弟が生まれて。
両親とも私にも弟にも変わらない愛情を注いでくれたけど、新しい家族の形になる中で私だけが取り残されているようで。
段々と家に居づらくなってきて。
家から通える所もあったけど、大学進学を理由に逃げ出した。
自分でもよく分からない感情と何もかもが嫌になって逃げ出して1人になることを選んだ。
思い返すとあの時はまだまだ子供だなー。
あれ以来どんどん気まずくなって自分から連絡も取らなくなったし。
この世界に来てやっと気づけた。
違う選択肢もあったはずなのに、選択する勇気と分かり合う努力を私はしなかった。
環境は違うけど、今の話を聞いてからどうも昔の自分とライを重ねてしまう。
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